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『変化』

同じ病棟に制服姿の人を見かけると、
先生と呼んで、
何かお願いしようと声をかける
94歳の方がいらっしゃいます。
半ば名物的な存在になっています。

その方のお願いに
今まで聞いたことのない内容が
加わりました。

"暫く会っていない
お婆さんに会いに行きたい"

会いに行きたいお婆さんは、
一体おいくつなのでしょう・・・。
今まで、
物忘れが目立っていた方でしたが、
今回のお願いごとを耳にして、
哀しさを覚えました。
ーーー

今いる病棟は、
高齢の方が大半です。
耳が遠くなった方や
記憶に難のある方は、
少なくありません。

ですが、
他は身体的にリハビリが
必要なことがあるだけです。

なので、
夜中に長時間独り言を言っていたり、
無用にうろつく方は
無論いらっしゃいません。

そんな状態なのですが、
入院が長引いたり、
転んでしまったり、
体調が急に悪くなったりすると、
その後に
言動や行動が変わってしまう方が、
現れることがあります。

ありがたくも、
私にはそうなる要素は、
現在ありませんが、
それだけに
変わってしまった方を目にすると、
何か複雑な思いに苛まれます。

既に他界した両親が、
変わっていく様を
遠く離れて暮らしていたからと、
近くで見ることなく
今に至っているから、
見えない力が
経験させているのではないかと
思っていたりします。

人生の先輩達が、
体を張って後に続く世代に
見せてくれているのかもしれません。

続く・・・

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