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ドイツ在住編集者。1989年東京生まれ。雑誌編集者として4年間働いたのち、2016年に…

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ドイツ在住編集者。1989年東京生まれ。雑誌編集者として4年間働いたのち、2016年に渡独。約2年のベルリン生活を経て、現在はデュッセルドルフで再び編集者として某会社に勤務。雑貨屋とカフェを経営する随筆家になるのが夢。

マガジン

  • どいちぇん日記

    ななめ違う方向から見たドイツでの暮らしのこと。

最近の記事

DHL事件

27.04.2019 DHL事件 DHL-Vorfall サービス砂漠と言われるドイツ。まあ、そうかもしれない。でも、いい接客をしてくれる店もあるし、必ずしもそうではないと思う、というのがわたしの意見だ。とはいえ、この国に住んでいる以上、理不尽なことがあっても「こんなこともある」と思ってやり過ごさないと、きっと1年だって暮らしていけない。逆に、いいことがあったらラッキーくらいの気持ちでいることが、ドイツでたのしく暮らすための秘訣です(在独歴:2年7ヶ月/20代/女性)。と

    • イースター、プール、そして、おばあちゃんたち

      22.04.2019 Ostern, Schwimmbad und Omas イースター、プール、そして、おばあちゃんたち 先週持ち帰った仕事は、わたしの予想どおり4連休の前半はその存在を無視し、ほぼ手つかずのまま最終日を迎えてしまった。わたしの仕事は決まったサイクルのなかで動くので、次の誌面の発行日までに祝日が3日(イースターとメーデー)もあるなんて、本当にありがた迷惑である。とは言うものの、動物園や友人宅へ行き、家でのんびり映画を観たり、実家の父やアメリカに留学中の親

      • デュイスブルク動物園

        19.04.2019 Duisburg Zoo デュイスブルク動物園 仕事でカサついたこころを癒しに、イースター休暇初日は友人家族と一緒に隣町の動物園へ。動物園に行くのは、1年以上前にベルリンで行ったきり。天気は晴天、最高気温は25度、なんというお出かけ日和。久しぶりにおむすびなんか握っちゃって、子どものようにワクワクしてしまった。デュッセルドルフから電車を乗り継いで着いたのは、Duisburg Zoo(デュイスブルク動物園)。祝日とあって、親子連れの入園者でいっぱいだっ

        • ベルギービール小旅行

          14.04.2019 eine Tagesreise vom Belgischen Bier ベルギービール小旅行 昨日、生まれてはじめてベルギーの地に足を踏み入れた。陸路で西の国境を越えたのもはじめて。車で20分のところに国境があり、デュッセルドルフはドイツの西の果てと言っても過言ではない。高速道路を走っているうちに、いつの間にかオランダに入り、そしてあっという間にベルギーに入った。まるで東京から埼玉、そして栃木へと東北道を走っているかのように。こちらでは境界を超えると

        DHL事件

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        • どいちぇん日記
          26本

        記事

          インタビュー記事についての備忘録

          10.04.2019 Eine Notiz über den Interview-Artikel インタビュー記事についての備忘録 はじめて7ページにもわたるロングインタビュー記事を書いたのは、編集者2年目の夏で、書き切ったと同時に熱を出したのを覚えている。いまでこそ、そんなことはないが(毎回インタビュー記事を書いて熱を出していたら、この仕事とはとっくに縁を切っていただろう)、2000字以上の記事の執筆にはとてつもなく時間がかかるので、本腰を入れないとこなせない。白状し

          インタビュー記事についての備忘録

          帰郷

          08.04.2019 Heimkehr 帰郷 3月の2週間の里帰りはあっという間に終わった。帰宅した翌日、いつもどおり地下鉄に乗って出勤。車両には乗客の体臭や香水が入り混じった匂いが立ち込め、降りた駅では焼き立てのパンの香りがする。嗅覚による記憶はいちばん頭に残りやすいというけれど、わたしはこの独特の匂いを嗅いで、懐かしさよりもむしろ「外国にいるんだなぁ」という新鮮さを感じた。4月に入り、ドイツに住みはじめて2年半が経ったばかり。まだまだひよっ子なのかしら? ドイツに

          中華れすとらん とらの子

          11.03.2019 Chinesisches Restaurant Tigerbaby 中華れすとらん とらの子 世界でいちばんおいしいあんかけ焼きそばは、誰がなんと言おうと、石巻の「とらの子」のあんかけ焼きそばなんだから。一昨年亡くなった父方の祖父の好物で、ちょっとしょっぱいのはご愛嬌(だって東北だもの)。ここ最近、石巻に行くと必ず食べる一品なのである。しかも、贅沢に出前で(とらの子は父の実家から歩いて5分弱)。ほかほかのままお店から運ばれてきて、ぴんと張られたラップ

          中華れすとらん とらの子

          もやもやを書き出してみる

          3.3.2019 meine depressive Stimmung aufschreiben もやもやを書き出してみる とんでもない時間に目が覚めてしまった。昨日の服を着たままで、あ、そうだ、昨晩は微熱のせいでひどく寒気がして夜8時頃には寝てしまったんだった。ピルの副作用なのか、花粉症のせいなのか、最悪!ってほどのコンディションではないけれど、なかなか体調が安定しない。まだ外も暗いなか、温かいお茶を飲みながらメールの返事を書いた。ベルリーナーのAさんは日本語がペラペラだ

          もやもやを書き出してみる

          わたしの愛する友人たちへ、ちいさな #MeToo

          22.2.2019 Liebe meine Freundinnen, mein kleine #MeToo わたしの愛する友人たちへ、ちいさな #MeToo 先週から今週にかけて、ウィメンズ・マーチだの、#MeToo だの、女性のムーブメントをテーマに記事を書いたものだから、自分が女性であることについて、なんとなく向き合った1週間でもあった。幸い性暴力を受けた経験はないけれど、セクシュアルハラスメントにあったことは何度もある。たとえば、触られたくないところを触られたとき、

          わたしの愛する友人たちへ、ちいさな #MeToo

          ミモザ

          16.2.2019 Die Mimose ミモザ 先日自宅のソファに座って作業をしていたら、どこからかはちみつの匂いが。それも、プーさんが好きそうなとても甘い香り。ふと横に目をやると、ああ納得、チューリップか。わたしはチューリップに香りがあることを知らぬまま、大人になってしまったようだ。でも、日々そういうちいさな発見があるからこそ、人生はたのしい。 そのチューリップも終わりを迎え、今日は新しいお花を調達。いつも行く近所のお花屋さんは残念ながらお休みで、メインストリート沿

          ミモザ

          編集者としてほぼ5年

          13.2.2019 fast fünf Jahre als Redakteurin 編集者としてほぼ5年 昨日大きな仕事がひとつ終わって、やっとひと息……もつかの間、来月の特集が波のように押し寄せてきて(いや、波はずいぶん前から見えていたんだけど)、やや溺れそうになりながらも仕事を楽しんでいる。日もだんだんと長くなってきて、1ヶ月前に冬季うつで沈んでいたわたしは、いつの間にかどこかへ行ってしまった。気候で左右されるなんて、人間はなんと単純な生きものなんだろう。 雑誌をつ

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          フェミニズムの目覚め

          7.2.2019 Das Erwachen des Feminismus フェミニズムの目覚め 今日から年に一度の映画の祭典「ベルリナーレ」がはじまった。1年前はウェス・アンダーソンの「犬ヶ島」のチケットをPCの前で必死になって手に入れたんだったなと懐かしんでみる。今年の審査員長はジュリエット・ビノシュ。昨年もそんな記事を読んだんだけれど、映画界にも女性の風が吹いていると感じる。女性だけでなく、いわゆるマイノリティが声をあげ、それぞれの権利を勝ち取っていく時代になってきた

          フェミニズムの目覚め

          世界一周の旅から9年経って

          5.2.2019 meine fantastische Erinnerungen わたしのすてきな記憶たち ふと気がつくと、今日はわたしの9回目の「旅の日」なのであった。バックパックひとつで世界一周に出かけたのが、もう9年前とはね。たった50日間で5大陸11ヶ国もまわるなんて、いまのわたしにはきっとできないだろう。20歳のパワーは、とにかくすごかった。あのときは、まだスマホもなくて紙の地図を広げて街を歩いたんだっけ。あのとき、スペイン語しか話さないおじさんと意思疎通が取れ

          世界一周の旅から9年経って

          どい画廊

          3.2.2019 Galerie doi どい画廊 好きなものに囲まれるってなんてしあわせなんだ。このアパートに住みはじめて7ヶ月が経ち、お気に入りコーナーがずいぶん充実してきた。親しみを込めて「どい画廊」と命名(ひねりがない)。ポストカードや雑誌の切り抜き、食料品のパッケージ、自前の絵……などなど、お金のかからない画廊です。そして、洗練されたシンプルなお部屋よりも、ややこっちゃり感があるほうが落ち着くということに改めて気づいた。ものが増えすぎないように注意せねば。 m

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          チューリップ

          2.2.2019 Tulpen チューリップ 1本1ユーロのちいさなしあわせ。近所のカフェで遅めの朝ごはんにチョコクロワッサンを頬張る。カプチーノを飲みながら読書。行きつけの雑貨屋さんで仲よしの店員さんとおしゃべりにふける。ずっとほしかったマリメッコのマグカップを購入して帰宅。ふわっとこころが軽くなる。 memo:どこもかしこもチューリップだらけ。みんな春が待ち遠しいのね。

          チューリップ

          ただがむしゃらに働くのは20代まで

          1.2.2019 / どいちぇん日記 nr.11 Zehn Ziegen ziehen zehn Zentner Zucker zum Zoo 10頭のヤギが1トンの砂糖を動物園へ引いていく 東京で編集者をしていたときは残業も休日出勤も当たり前で、一体どうやってあの多忙な日々を乗り越えたのだろうか、と胸に手を当てて考えてみる。それはきっと入社試験の面接時にすでに「20代のうちにベルリンに行きます!」と宣言していて(それでいて前の会社はよくわたしを雇ってくれたものです)、仕

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