バーテンダーさん、ブル・ショットを。《後》
迎えた週末。
前日から意識をしすぎていた僕の目は、どれだけ時間が経とうとも、どれだけ夜が更けようとも冴えに冴えてしまい、結局睡眠時間は一時間もあったかどうか。
もうどうせ寝られないならと、白んだ空を眺めにベランダに出てみた。
もうすぐ梅雨、および夏だとはいえ、朝の空気はじめっとしたものとは無縁の澄み渡った空気。
大きく吸い込むと、肺に綺麗な空気が満たされて思いのほか早起きというのも悪くはないものなんだと感じる。
もう一度、目を閉じて深呼吸をすると、ハトの鳴き声と木々