見出し画像

読書の効用/読書という連続運動の中にある開かれた早い読書と伏せられた遅い読書とは/読禅一如とは


皆様、如何お過ごしでしょうか?

今回は、以前に約5万字で書いた「読書の効用」からエッセンシャル版を書いてみたいと思います。読書の効用は音声で【マガジン】読書の効用としてstandfmでも音声配信中ですので、宜しければそちらも、ご視聴下さい~👂

【第764回】マガジン読書の効用Day31


私、読書術研究家を名乗っておりますので、日々、読書を飲み物だと思って
飲んで(読んで)おります。
時々、登壇したり人に読書術や読書の効用を語ることもございますが、今回は読書の種類について書いてみようと思います。

【読書の効用】


────プロローグ
娘の成長から感じる読禅一如の萌芽

私には娘が二人おりますが、次女は5歳です。彼女は日々、絵を描いたり、文字を書き始めたり、粘土をこねこねしたり、時には私の真似をして絵本を読んだりしております。

彼女はいつも没入の中におり、何かに集中して取り組んで居る時は、その
コンテクストに耽落し、そして落ちたかと思うと浮かんで・・・
まるで海を浮遊する様なクラゲの様に場面、場面をトランジションしながら何事かを楽しんでおります。

また、ある時はサクラクレパスのクレヨンだったり、また時には絵の具の筆をぎゅっと握りしめ・・・黙々と絵を描いております。

私は身体性の拡張をそこに見ると共に、自我が薄くなり道具との境界線が溶けて
染み出し融合を図っているかの様な、相互浸透を感じる瞬間がございます。


画像9


今日も口を尖らせて真剣に公園で砂遊びをしておりました。

完成した作品を私に見てもらいたいと笑顔でこちらに手を振る。

私は純粋に自分では無い他者でもある娘の成長が嬉しい。

自己他者境界線が消える。
「世界の終わり」とはこういうことなのか?

私は、再び自問を始める。

画像10



               *  *  *



──── 古代ギリシャの哲人、ヘラクレイトスはかつて次の様に語った言われております。

「万物は流転する」


■ヘラクレイトス/Wikipedia参照

画像1


また、本田技研を世界のホンダに育てた本田宗一郎の共同創業者でもある
藤沢武夫は、ヘラクレイトス同様に「万物は流転する」と語っておられます。

一方でパルメニデスは「存在は決して変化しない何かである」と言って
ヘラクレイトスの主張と対立したとも言われておりますが、私は日々の読書体験で「変化」するものと「変化」しなものが同時に並行して存在していると感じます。

どういう事かと言いますと、「単純」「複雑」が同時に存在しそして、境界線
ぼやけてグラデーションとなってお互い「緊張」「緩和」「獲得」「喪失」「破壊」「生成」を繰り返しながら持続的な連続運動の中に同時に横たわって居るようにも思いますし、我々が存在すると勝手に知覚している世界はまさに混沌としているのだと思います。



読書の効用/読書という連続運動の中にある開かれた早い読書と伏せられた遅い読書とは/読禅一如とは?── 目次



○読書をすると○○になる


ドイツ・プロイセン王国出身の哲学者、フリードリヒ・ニーチェはかつて「善悪の彼岸」の中で次の様に語っております。

「万人受けする書物は常に悪臭を放つ書物である・・・」

■フリードリヒ・ニーチェ/Wikipedia参照

画像2


更に・・・私が大好きなドイツの哲学者、アルトゥール・ショーペンハウアー「読書について」の中で次の様にアフォリズム全開で語っております。

「読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。」

■アルトゥール・ショーペンハウアー/Wikipedia参照

画像3


──── 私は毎日、読書をしたり、音声で配信したりとインプット、アウトプット、アウトカムの射程を確認しながら、具体抽象往復運動をしておりますが、選書の段階で既に、悪臭を放つ書籍を手に取っているのか?
或いは、書籍を読んでいるだけで、読んだ気分に成っているに過ぎず、
そして著者の思考の海や脳内の哲学者の道通行料を払って歩いているに過ぎないのか?

少々不安になって参りました(汗)

画像4


私は偉人の金言が大好きです。以前にも読書に関する金言だけを集めた【番外編】も配信しておりますので、宜しければどうぞ~


──── 偉人の金言を繰り返し読み耽るだけでも、段々と自分のクリスタライズされたパラダイムに揺さぶるが掛かって参りました。

読書をするとアホになる」とか・・・「多読は精神の弾力を奪う」とか・・・「良書を読むには悪書を読まぬこと」だ・・・と縦に横に揺さぶられて・・・自我が薄くなり・・・狭い閉ざされた宇宙から開かれた宇宙へ、ようやく自分の思索の道、自己を探求する為の「読書道」を歩く決心が出来たところでございます(汗)


画像5



さて・・・前置きはこの辺りにして(長い・・・)

──── 私は読書には大きく分けて2種類(厳密には3種類)あると考えておりますが、今回は「早い読書」「遅い読書」について書いてみようと思います。

○早い読書と遅い読書とは?


早い読書遅い読書、或いは浅い読書、深い読書、ファースト・リーディング、スロー・リーディング・・・名前は何でも良いのですが。。。

以下の様に2つに定義をしました👇

・早い読書→即効性の高い読書体験
・遅い読書→即効性は低いが然るべきタイミングで効果を発揮する読書体験

日々の読書体験で上記の事を感じております。
早いと言うのは、今まさに置かれている状況コンテクスト脳内の思考が言語により瞬時に結びつく様な距離の短い体験の様な気が致します。

一方で遅い読書。
こちらは現在の自分の状況コンテクスト脳内の思考にだいぶ隔たりがあり、読書をして思索に耽っても、自分のコンテクストとの道のりが長い、読書体験だと感じます。


──── まとめ

①早い読書(即効性のある読書体験)
→流行りの新刊のビジネス書がこれに当てはまります。
話題の著者や現在を象徴するようなパワーワードが並んでいる様な書籍。

例えば・・・分かりやす事例で申し上げますと・・・ここ5年くらいの
ビジネス書の流れを見ていくと、newspicksと幻冬社のレーベル、
newspicks book は私にとってはとても分かりやす書籍でした。

堀江貴文さんの「多動力」前田祐二さんの「メモの魔力」田端慎太郎さんの「ブランド人になれ」など、敏腕編集者の箕輪厚介さんプロデュースで非常に当たりの良く、キャッチーな内容で売れましたよね。
さらにNEWSPICKS PUBLISHINGというレーベルは骨太書籍も出ており、
例えば・・・マット・リドレーの「人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する」という書籍なんかは「早い読書」「遅い読書」が複雑に混じり合う第三の読書体験の様にも感じます💡

そして・・・即効性が高く割と直ぐに自分の今、置かれている文脈とも結びつきやすい為、手元の課題感、不安感、脱力感、虚無感を払拭するにも、まずは早い読書をしてみることも効果的かと思います。


この割と開かれた状態に誰でもアクセス出来る早い読書と一方で、数千年、数百年の風雪に耐えてきた理論や、法則という伏せられて、閉じられた宇宙を開いて行くという運動もまた、読書の醍醐味ではないでしょうか!?


②遅い読書とは(今すぐ即効性はないが、人生の然るべきタイミングで効いてくる様な読書体験)
→いわゆる、古典・原典と呼ばれる類の書籍です。
数千年のヤスリに掛けられた書籍、風雪に耐えてきた理論や法則などが書いてある書籍。例えば諸子百家の先生方の書籍やヘロドトス「歴史」でも良いですし・・・或いはここ数十年に発刊した書籍・・・
例えば・・・ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」やチクセントミハイの「フロー喜びの現象学」、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」など本質を突く書籍です。

では、早い読書遅い読書
どちらが良いのですか・・・?と聞かれる事もございますが、

結論から言ってしまうと、その人の置かれている文脈・状況によって変わってくるのだと私は思います。(読書体験が更に進めばまた、問に対する自分なりの答えも変わるのだと思います)。この先、数十年読書を進めて行くと違ったステージに進むことができるのかもしれません。

また早い読書と遅い読書の境界線を明確に引かずとも、ばやけた淡い感覚でポートフォリオを組みながら読み耽るという「第三の読書体験」も取り入れていきたいと思います。💡


──── ところで・・・「本を読む本」の著者、モーティマー・アドラーは書籍の中で次の様に書いてございました。

すぐれた書物ほど読者の努力に応えてくれる。

■モーティマー・アドラー/Wikipedia参照

画像7



また、精神の成長こそ、ホモ・サピエンスと他の動物たちを分ける大きな特徴でもあり、学びを止めてしまうことは、精神の萎縮であり、我々の精神の死であると・・


画像9


──── 学ぶこと、読書体験を続けることで、無限の宇宙へと、思索の旅に出かける事が出来ると私は信じておりますし、読書に限らず、自分が他者との相互連携で作り上げる「世界」からの学びの源泉を発見する「開かれた心」が今後、リテラシーとして何方にも必要に成るような気がしてございます💡

読書体験で言えば、著者との対話を通じて著者と読者の境界線がぼやけて、グラデーションになり混じり合って相互浸透するような所まで、書籍を読み耽りたいと思います。



小林秀雄「読書について」で次の様に書いてございます。

「書物の数だけ思想があり、思想の数だけ人間が居るという、在るがままの世間の姿だけを信ずれば足りるのだ」

多様な人間を認めつつ、自分の自我を薄めて自己を探求出来る様な思索の旅を読書というものが下支えしてくれる様に思います。



──── また、「ヘルマン・ヘッセの読書術」の帯に書いてございましたが、
何の為に読むのか? なぜ読むのか?

或いは、何を読んで、何を読まないか? を同時に並列して考える事が
大切だと感じます。

【第725回】ヘルマン・ヘッセの読書術

ヘルマン・ヘッセは「庭仕事は瞑想である」と語っておりますが、私も・・・「読書は瞑想である」読禅一如とまでは申しませんが、是非、その境地まで辿り着ける様に引き続き思索を続けて参りたいと思います💡


今回は読書の種類として、「早い読書」「遅い読書」をかんたんにお伝えしてみました~


ここまで読んで下さり、有難うございました🌟


※今回の記事からのおすすめの書籍(独断と高慢と偏見)👇



              * * *


──── ここからは毎度の宣伝でございます(汗)

読書術研究家の日々の活動👇

【stand.fm 子育て×読書体験ラジオ】
→ 配信22ヶ月目を迎えました。
2020年4月5日~配信をスタートしており本日(2022/1/22時点)で804本の音声コンテンツを配信しております。22ヶ月ほど継続して参りましたが、リアルの場ではお会い出来ない方ともゆるい弱い繋がりが持てて、毎日刺激的な日々を過ごしております💡

また配信も2年が見えて参りましたので、ひとまず2年間は続けてみてまた、その先に素敵な出会いが待ち受けていると期待しながら活動方法や活動の場についても考えて参りたいと思います💡

【Twitter】
日々読書について語ったり、興味のあるツイートを拡散したりなど活用しております。最近ではお優しいDMやコメントを頂戴する機会も増えて参りましたが、有り難い限りでございます。

【REC】
RECでも音声配信をしております。本日(2022/1/22)までに102個の音声コンテンツを配信しております。まだRECの世界にある「何か」が分かりませんが、気が向いた時に配信をするような感じでございます。

REC. x 子育て×読書術研究家


【POTOFU】
POTOFUも活動URLをまとめました。宜しければ、お立ち寄りください。


他にInstagramやGravityも更新しておりますので、是非、お立ち寄りください🌟

リアルの場でもSNSでも一期一会の出会いを大切にして参りたいと思います。引き続き、お付き合い宜しくお願い致します。

■ブリア=サヴァラン/Wikipedia参照

画像6

どんな「書籍」を読んでいるか言ってみたまえ、君がどんな人か言い当ててみせよう。



またのご来店、心よりお待ちしております。有難うございました~🌟



              * * *

#創作大賞2022   #note #standfm #REC #音声コンテンツ #読書 #読書尚友 #読書礼賛 #リベラル・アーツ #経済学 #経営 #哲学 #心理学 #進化生物学 #進化心理学 #人類学 #文学 #音楽 #詩 #宗教哲学 #SF小説 #領域越境型読書 #読禅一如

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?