毒劇法

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「倍速批評」2024年1月1日の日記

2023年、私が最も頻繁に呟いた語は「批評」だったらしい。批評の巧拙は措いておいて、「批評」について考えまくっていたのは私だろう。 去年は批評に関心があるひとと話す機会が多かったが、やはり「批評」という語を用いるのに抵抗感があるひとも少なくなかった。 実際は一次創作をやりたいと思っている書き手もちらほらいるようだった。 しかし、内なるホリエモンがこう言う。批評は楽しいからやるの!あるいは、Mr.批評・山田勝己がこう言う。俺には批評しかないんですよ。 小説というジャンル

    • 「孤独/蟲毒」2024年4月23日の日記

      「現代詩研究」という講義で、マラルメがボードレール『惡の華』を「絶えず吸うべき守護の毒」と評価したことを知った。高校生の時分、私は化学室に通っており、そこで知った「毒劇法」という語がクールだったので、自称するようになった。そのため、「毒」という語には条件反射してしまう。 馴合いが嫌いだった。「お友達なんていらないのあたし/クラスのみんなが気持ち悪い」(神聖かまってちゃん「友達なんていらない死ね」)、「俺はGHOST TOWN生まれ、GHOST TOWN育ち/足引っ張るならい

      • 「池袋の行けの部分」2024年4月14日の日記

        「終末トレインどこへいく?」第2話を観た。日常系の「甲鉄城のカバネリ」? 以前から「デュラララ!!」の〈(非)日常〉について考えたいと思っていたが、西武池袋線沿線しか存在しないという世界観が示唆される「終末トレイン」のそれも興味深い。津波表象についても考えたい。 ILLIT「Magnetic」を鬼リピしている。今日のK-POPシーンにおける〈ガールクラッシュ/イージーリスニング〉という二項対立が興味深い。ポストNewJeansの〈イージー〉を謳いながら、それはアイドルのハ

        • 日記を書いたり、日記自体について考えたり、労働をしたり、その賃金でイベントに行ったり、自らに課金したり、批評したり、思うに、生きているのは私でなく、「批評」で、「批評」を運用するために、私が変化したりしているのかもしれない

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        「倍速批評」2024年1月1日の日記

        • 「孤独/蟲毒」2024年4月23日の日記

        • 「池袋の行けの部分」2024年4月14日の日記

        • 日記を書いたり、日記自体について考えたり、労働をしたり、その賃金でイベントに行ったり、自らに課金したり、批評したり、思うに、生きているのは私でなく、「批評」で、「批評」を運用するために、私が変化したりしているのかもしれない

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          4本

        記事

          「仄暗い水の底から」2024年3月4日の日記

          昨日、観た映画「博士の異常な愛情」ではリッパー准将という陰謀論者が地球と人体における水の割合について述べていたが、彼の感じていたような水に侵される不快感が「仄暗い水の底から」には満ちていた。じめっとした映画だが、最初に屋上に入ったシーンの澄んだ空気と音楽は私が好きな2000年前後の邦画の感じがあった。母性の象徴でなく、それを求める欲望の表象としての〈水〉は、なんだか珍しい気もする。 初めて自らのdiscordサーバーでボイスチャットをした。これからも、ゆるく使ったり、たまに

          「仄暗い水の底から」2024年3月4日の日記

          「“皆殺し”装置」2024年3月3日の日記

          「光の曠達」を聴いている。米原将磨さんが会社をつくった話をされていて、私は会社をつくるということがどういうことか分かっていないが、なにか良いなと思った。 1ヶ月前のメルキドさんのこのポストが、なぜか印象に残っている。「編集スタジオ」がどういうものか分かっていないが、私はHip Hopのヘッズなので「スタジオ」という語には馴染みがある。Hip Hopのリリックにおける「スタジオ」は、もちろん音源制作の場な訳だが、「ヤサ」と称される溜まり場も兼ねていたり、そこでチルったりする。

          「“皆殺し”装置」2024年3月3日の日記

          「毒劇法は実在しない」2024年3月2日の日記

          日記を再開します。 また、大学の同級生に「毒劇法って実在しないと思っていた」と言われた。私としても残念ですが、実在します。 ずっと「身体」と「感情」が嫌いだった。さながら「エヴァ」の人類補完計画のようにLCL(なにか液体)になりたい。「身体」が嫌いだから、強盗みたいにバラクラバを被ったりする。しかし、最近は「身体」や「感情」も悪くないなと思ったりもする。元来、身体“感覚”は嫌いじゃなかったしな。 私が「美術館女子」や「エコテロリスト」、または、モキュメンタリー・フェイク

          「毒劇法は実在しない」2024年3月2日の日記

          2月に聴いていた曲

          NewDad「MADRA」 今年、最もハマっているアーティスト。私ってシューゲイザーが好きなのかもしれない。ディグりたい。 eyden「Dojo」「HOT BOYZ」 eyden、数年間、外れなしでエグい。今年に出した曲、漏れなくリリックに「zaza」ってスラング入れてるな。 Watson「Soul Quake」 「RANDO」と「Hokori」のMVの動き癖になった。Koshyのビート、アツい。 (G)I-DLE「2」 正直問題、「Super Lady」と「W

          2月に聴いていた曲

          倍速批評Ver0.3 秒速10センチメートル

          まず、正直に申し上げて、どうでも良い。 私は性格が悪いので「架空の彼氏彼女にいろいろ言われる恋愛診断」が流行っていたことを覚えていますよ。その時に、「秒速5センチメートル」や「おやすみプンプン」が人気な理由を了解しました。それらの作品は自分語りを誘発する魔力がある。 「新海誠好きの元彼」と人間の一側面で括ってラベリングするのは失礼らしい。そうなんですね。「元彼」とだけ言っても、対象との関係性の一側面しか切り出せてないような気がするが、例えば元彼についてのエピソードを集めた

          倍速批評Ver0.3 秒速10センチメートル

          「列挙」2024年2月7日の日記

          ここ数日でやったことや思ったことを列挙します。 『暗合学園のいろは』が連載終了した。悲しいけど、コミックスは揃えやすそうだから、早いうちに買う。センスが良いというか、私が好きなタイプだった。 『週刊少年ジャンプ』のリークをした人が逮捕されていた。「リーク」という現象は興味深いなと思った。 モキュメンタリー研究をしたい。それらについて論じたいだけでなく、そのようなテクストを書きたい。 知らぬ間に、良さげな公式プレイリストができていた。IRというラッパー、うさんくさくて嫌

          「列挙」2024年2月7日の日記

          今後、書きたいこと

          私って思ったより書きたいこと無くね?と疑問に思ったので列挙してみる。 ・ダークエコロジー エコロジーに関心を持ち始めたのは、いつからだったろう。去年末くらいに、ハイパーポップ?系のライブの告知で「エコ・ポップ」という文言を見て、それはBby Ecoというアーティストに対して用いられてたんだけど、なにか「エコ」という語が私に引っかかった。それで、エコロジーの思想を調べていくうちに、絶対的な自然を想定しない「ダークエコロジー」について知った。以前からエコテロリストには興味があっ

          今後、書きたいこと

          「髪と波」2024年2月3日の日記

          クセになってんだ しれっと日記サボんの 2月1日はアニメ「僕の心のヤバイやつ」を最新話まで観ました。久しぶりになにかを一気見した。早い内に評を書きたい。そのためのアイデアをメモする。第1話で市川の一人称視点に彼の片目を隠す前髪が映った時に、このアニメを観通そうと思った。頻出するこの演出は、図書館を「聖なる箱」と呼び、書架に隠れて山田を覗いていた市川の視線と関わっている。また、シーズン1のオープニング映像で、山田の髪がカラフルに描かれ、波のような背景と交換可能なものとなってい

          「髪と波」2024年2月3日の日記

          眠いけど、なにか書こうかな

          眠いけど、なにか書こうかな

          「ぼくは今日、昨日のぼくと日記する」2024年1月31日

          生活リズムが狂いすぎて、どこからどこまでが1日か分からない。日付上は昨日の日記を書くのだが、昨日、なにをやったかなと考えると、一昨日のぶんの記事を書いていた。当たり前か。当たり前だけど、頭がおかしくなりそう。 ただの速記じゃねえぞ。倍速記だ。私の現在の問題意識なり、関心領域を総動員させている倍速批評の3(さん)つ目の記事を書きました。もはや批評でもなんでもない、統合失調症患者の日記のようだ。しかし、書いていて思ったのは、実写化に対する拒否反応は、そのまま批評への拒否反応に通

          「ぼくは今日、昨日のぼくと日記する」2024年1月31日

          倍速批評Ver0.2 倍速記

          ‘blind’という語が私の思考の内で反芻される。 昨年、アニメ批評同人誌『ブラインド』の「リコリス・リコイル」特集に「日常という斜塔」という論考を寄稿した。「リコリコ」は真島というテロリストのキャラクターが登場する。彼は、かつて盲目だった。 私の関心は自らになにが見えていて、なにが見えていないか、というものになった。 キャラクターでなく、物語でなく、主題でなく、社会でなく、アニメーションなのだから画面を見ろ。もっと言うと、カットなり、シーンなり、シークエンスなりの映像

          倍速批評Ver0.2 倍速記

          「毒劇嬢曰く」2024年1月29日の日記

          気づいたら1週間くらい日記を書いてなかった。友人と遊んだり、記事を書いていました。予定がある日の方が書くことがない。予定がない日は、1人で読書するなり、映画観るなり、音楽聴くなりで、うんうん考えたことを書けばいいだけだから。 あと、以前は友人らと遊んだ写真とかをSNSに投稿するのを意図的に避けてたな。なにかプレゼントを貰った際も。つまり、ほしいものリストからなにか買ってくれた人への感謝を呟く文化あるじゃないですか。ああいうのも苦手だった。承認欲求が満たされる快楽をSNSでリ

          「毒劇嬢曰く」2024年1月29日の日記