「孤独/蟲毒」2024年4月23日の日記

「現代詩研究」という講義で、マラルメがボードレール『惡の華』を「絶えず吸うべき守護の毒」と評価したことを知った。高校生の時分、私は化学室に通っており、そこで知った「毒劇法」という語がクールだったので、自称するようになった。そのため、「毒」という語には条件反射してしまう。

馴合いが嫌いだった。「お友達なんていらないのあたし/クラスのみんなが気持ち悪い」(神聖かまってちゃん「友達なんていらない死ね」)、「俺はGHOST TOWN生まれ、GHOST TOWN育ち/足引っ張るならいらない友達」(999dobby「Intro」)、「たまたまじゃないんだなと思うタマだけ集まったこの仲間とさらに上に行こう」(Benjazzy「DOG YEAR」)、「友達少ないこと Boasting Boasting Boasting」(valknee「チーム友達 Remix」)などの歌詞に共感する。

高校への行き帰りは、ひとに誘われなければひとりでしていたし、誘ってきたひとがつまらなかったらブチギレていた。私は生き延びるために生きているわけじゃないから、どれだけ自らに都合が良くても、つまらないひとは嫌いだ。つまらないだけなら、私にも当てはまるから、結構なのだが、さらに差別的だったり、他者をリスペクトしていないひとには、「死ね」とか「殺す」って思っちゃう。

久しぶりにralphの密着とインタビューを再視聴した。「孤独」とDrillerがまとう匿名的なファッションの親和性への言及が批評的だった。思えば、「ラップスタア誕生2020」の出場者は一匹狼・ダークヒーローが少なくなかったな。ralph、noma、itaq、G:nt、SATORU……。とりわけ、noma「シャワー」の「いつも1人で歩いてたことを久々に思い出した/爪弾きにはもう慣れたよ/ほっといてくれ不器用に生きなきゃ生まれた意味なんかないと信じてしまった時点で…」というリリックが自らの気分にフィットする。

Hip Hopのサブジャンル名である「Drill」という語が、なにに由来するのかは知らないが、「訓練」という日本語が個人的にはしっくりくる。密着のなかで、ralphは3年目にして、リリック1000曲分、デモ600曲あると語っている。彼の量的な制作からは学ぶところがある。

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