見出し画像

【イベントレポ】地方自治体と企業が感じる働き方の変化とこれから。

DMM.comは2019年より「DMM 地方創生」として地方創生事業に参入しています。

12月14日(月)にDMM.make AKIBAを通じて京都府 舞鶴市と共催でオンラインイベントを開催しました。


新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ますます柔軟な働き方が求められるようになりました。

地方自治体ではこの変化に合わせ、従来の移住・定住に加えて「サテライトオフィス」や「ワーケーション」の場として人や企業を誘致する動きがより一層活発になっています。

そこで今回は、実際に柔軟な働き方を取り入れている企業と地方自治体が登壇し、現状とこれからについて話し合いました。



いま地方に行く/来てもらうことのハードル。

画像1

まずは人材業界大手のパーソルキャリア株式会社で業務効率化に取り組む早野さんにお話を伺いました。

早野さんが働くパーソルキャリアでは柔軟な働き方に合わせて、社員の勤怠管理や経費処理を楽にするためにIoTシステムの開発に取り組んでいます。


[パーソルキャリア・早野さん]
ワーケーションやサテライトオフィスはテレワークの先にあるものではないかと感じています。

ワーケーションやサテライトオフィスの利用は企業がテレワークをできる状態に整っているのかということがハードルになっています。

テレワークが急激に広がっていますが、動向調査では回答企業のうちテレワークを実施しているのが36%、従業員1,000人以上の大企業で78%でした。

テレワークを導入している企業でも実際にテレワークをしている社員は1割〜2割と回答した企業が約半数です。(J.D.パワー ジャパン調べ

テレワークに比べてワーケーションはさらにハードルが高くなっているのではないかと思います。」



次に、遊休空間を活用する空間サービス「TiNK Desk」「TiNK Office」を提供し、今年新しい職住環境を社会実装するためのコンソーシアム New Norm Consortiumを発足した株式会社tsumug 代表取締役の牧田さんにお話を伺いました。

▼「TiNK」シリーズについて▼


[tsumug・牧田さん]
「企業はまだ何が必要なのか模索しているのではないでしょうか。

tsumugはTiNK Deskなどテレワークを支援するサービスを提供していますが、実際に私たちもテレワークやワーケーションをしてみて必要なものを探っています。

IT系の企業であれば電源とインターネット環境さえ整っていれば働けると思われがちですが、テレビ会議には向いていないなど、思わぬハードルがあることもあります。

今後は働き方に合わせて必要な環境も変わってくるのではないでしょうか。」



続いて、旧海軍が残した赤れんが倉庫を活用したコワーキングスペースを運営するなどワーケーションの誘致に取り組んでいる京都府 舞鶴市の堂田さんにお話を伺いました。

▼舞鶴赤れんがパークについて▼


[舞鶴市・堂田さん]
「ワーケーションを受け入れる全国の自治体が集まった『ワーケーション自治体協議会(WAJ)』が昨年11月に設立されました。舞鶴市は設立当時から参画しています。

設立された当時は新型コロナウイルス流行前でしたが65の自治体が参加していました。現在では154の自治体に増えています。(2020年12月10日時点

ワーケーションを受け入れる地域が増えているからこそ、自治体は働く人が快適に仕事をして休暇を楽しめる場所やサービスを提供していることを知ってもらわないと、選択してもらうことが出来ません

今後は企業や個人のニーズとそれぞれの地域の取り組みがマッチングしていくと思います。」



続いて、滝沢市IPUイノベーションセンター/イノベーションパークにてICT関連産業の集積や産学連携を目指す岩手県 滝沢市の本間さんにお話を伺いました。

▼滝沢市IPUイノベーションセンターについて▼


[滝沢市・本間さん]
「地方にやってくる方は観光や住環境だけでなく新しいコミュニティや地域との交流を求めています。

滝沢市IPUイノベーションセンターでも入居している企業同士の交流が行われていましたが、現在はコロナウイルス感染症の影響で今までのような交流をしにくくなっていることが課題になっています。」



今だから感じる地方で働くメリット/デメリット。

続いて、コロナ禍の今だから感じる地方で働くメリットとデメリットについて伺いました。

画像2

[舞鶴市・堂田さん]
「地方にいると都市部とは違っていわゆる"3密"状態になることが少なく、それほど大きな変化もなく暮らせています。

都市部で暮らしている方もワーケーションという形で地方に来ることで少し緊張感から開放されるのではないでしょうか。」


[滝沢市・本間さん]
「首都圏に比べて車で移動する人が多いので満員電車に揺られることもないですし、ご家庭を持っている方も過ごしやすいと思います。」


[パーソルキャリア・早野さん]
「今の仕事のままリモートワークできることに気づいた方が多かったのではないでしょうか。

ただ、都市部ですとご家庭を持っている方は一人一人の部屋を持つことが難しく、テレワークをしづらい住環境に悩んでいると聞きます。地方では住環境が整っていて、人が密にならないのでこの点はメリットだと思います。

一方、地方の会社は都市部に比べてテレワークの導入が進んでいません。社員や地域の方が新しい働き方に慣れていく機会が少ないことは今後デメリットになっていくのではないかと思います。」


[tsumug・牧田さん]
「今ちょうど壱岐市が主催しているワーケーションのモニターツアーに参加していますが、こうしたツアーは体験してみるいい機会だと感じています。

堂田さんも仰っていましたが、これからは働き方にポジティブな選択肢が増えていくと思います。

例えば満員電車に乗って本社に行かなければならない、という制約付きの選択肢がなくなれば、住む場所や働く場所の選択に制約がなくなっていくと思います。

今後その選択肢が増えてくるともしかしたらデメリットも生まれてくるのかもしれないですね。」



さいごに。

DMM.make AKIBAでは大手企業、スタートアップ、個人のクリエイターなど600社 4,000名以上の会員が活動しており、ハードウェア開発環境が整ったコワーキングスペースとして日本最大級です。

これまでの知見を活かし施設の立ち上げや運営に関するコンサルティングを行ったり、地方自治体や企業とワークショップやプログラムを運営したりしています。

ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

施設の見学ツアーを定期的に開催しています。ぜひご参加ください。


公式note内マガジン「STARTUPS」「MAKERS」では会員の皆さまの投稿を読むことが出来ます。ぜひこちらもご覧ください。


この記事が参加している募集