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AI vs. 教科書が読めない子どもたち#読書感想文

こんにちは。今日は少し前に読んだ本について感想を記述します。本書は2019年ビジネス書大賞を受賞しています。

著者はAIロボットでの東大合格を目指した数学者です。このAIロボット“東ロボくん”の研究開発は、東大合格は無理!と判断し既に凍結していますが、いわゆるMARCHレベルの合格程度まで偏差値を上げることに成功しています。すごい世の中になりました。

私の気づきは2つありました。
一つはAIは万能選手ではないこと、もう一つはAIが苦手とすることをできない子どもたちが多いことです。

AIに持つイメージはどのようなものですか?
オックスフォード大学の論文を原典として、10-20年後になくなる職業の予想一覧がありました。(とても強いメッセージなので、見たことがある方もいるかもしれません。)
コンピュータは計算の反復処理を得意としますが、AIはその範囲が推論や判断にまで拡張されているイメージを持ちます。いわゆるFAQ的な(FAQ=頻繁に尋ねられる質問、転じて想定問答集のようなもの)対応業務が多い職業がAIに職を奪われるのではと考えました。

一方、推論・予測については割と何でもできるのだろう、と私は思い込んでいましたが、実際は違いました。今のAIは参考となる過去のデータなど(学習データと書いてありました)を大量のインプットとして予測をするようです。インプット量が少ないと、予測精度も下がってしまいます。ディープラーニング、うまい言い回しですね。

例えばですが、新型コロナウイルスで学校の休校がいつまで続く?という問いに対するAI予測はきっとうまくいかないのだと思います。前例がないためです。

さらに、本の中で著者がAIにはできないことがある、と繰り返し言っています。文章の理解です。そして、その読解力は我々・人も低下している、ということを訴えます。
著者は多くの実験で子どもたちの読解力を確認していますが、その結果に私は驚きました。想像以上に理解ができていないようなのです。
これが、タイトルにもなっている教科書が読めない子どもたちです。
本書ではその実験結果をこれでもかと示し、私たちに危機感を持たせようと努めてくれます。私は著者の訴えを受け止め、まずいぞこれはと思いました。

一昔前に比べ、私たちは文章に触れる機会は減ったのだと思います。今は文章を用いない/減らした方法で情報を得ることができます。しかも、それらは簡単に取得でき、理解した気分にさせてくれます。楽しませてくれます。
結果、いざ文章を見た時に正しく理解できていないのかもしれないのです。正しく理解できなければ、正しい判断をできる可能性は下がります。これは生活全般に影響が出る問題です。そして、この問題は子どもだけではないぞ、とも思いました。子どもに限らず、全世代の人が文章を利用しない情報コンテンツをより活用していると考えたためです。

これを読んだ後、私は本や記事は字面を追うだけでなく中身を理解するよう努めないとと切に思いました。また、今後より時間が作れるならnoteだけでなく異なるバックボーン・プラットフォームの文章・文字も読んでみたい、と思っています。きっと、読解力の差異を把握したり、鍛えたりするのに役立つはずです。

また、noteに私は文章を書いています。誰かに向けて文章を書くのは学生以来やった記憶がないため、読みやすい文章を書く訓練を日々している、とも言えます。限られた時間の中での試行錯誤は骨が折れます。わかりやすさのために短い言葉を選ぶことと、言いたいことを正しく伝えるために詳しく記載することの間でよく揺れています。"読ませる文章"までの道のりは果てしなく遠いですね。

ここまで読んでいただいた方、ある意味、訓練に付き合っていただきありがとうございます。
私の文章はわかりやすいですか?
また、皆さんに有益な情報となったでしょうか?
どちらもYes!であれば、大変嬉しいです。

すけ

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