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「ヤマト、空飛ぶトラック」から

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三点に注目したい。
 1.いかに、運ぶか
 2.いかに、運ばないか
 3.基盤化

関連代表記事 日本経済新聞 2018/10/12
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36399740S8A011C1MM8000/?nf=1

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A 物流パンクについては、その危機的状況が社会に対して広く伝わり、モノの移動はただではないという当たり前の再認識を強く改めて喚起したかと思う。物流業者だけが物流サービスに向かい合うのではなく、物流という大きなエコシステム全体として、そこに参画する各プレイヤーが出来ることを考える必要がある。物流は多くの企業にとって生命線でもあり、このエコシステムを不健全状態にすることは、持続経営に対する大きなリスク要因である。


B 考えたいのは、「いかに、運ぶか」・「いかに、運ばないか」。「いかに、運ぶか」については、「(マテハン含む)キャリア」・「界面」・「トータルプロセス」の3つの視点。「いかに、運ばないか」については、「荷受人」・「物流プレイヤー」・「荷送人」の視点が欲しい。


A キャリアについては、自動車や自転車であったり、或いは、ドローンや人というのがある。界面というのは、荷物をAからBに受け渡す部分ということ。例えば、トラックtoトラックとか、バイクto人とか。トータルプロセスとしては、モノの全体の流れの適正化、自動化、アイドルエコノミの利用、シェアリングエコノミの利用、配送ルート解析…などが入ってくる。


B 「いかに、運ぶか」は基本的に、ヤマトなどの物流企業のお役目であって、ダイフクなどのマテハンの力やITの力が強く入ってきている。更には、メーカなどの私企業側からの定期便の自動配送といった取り組みが加わってきている。見逃したくないのは「いかに、運ばないか」。物流プレイヤーとしては途中までしか運ばないで、ラストワンマイルを荷受人等に委ねるといった検討は継続検討が必用であり、ある種の文化化を狙う部分でもある。また、荷物絶対量を減らすような製造法を考慮することも重要。製品設計や3DPなどの技術はもちろん、サプライチェーン全体の最適化を物流という面からも見直したい。


A 一時的にストックする仕組みも面白い。急ぎでないものなど沢山ある。例えば、ECで何かを頼むときに「12/4までに届けばOK」と登録できるようにする。この登録の入ったものについては、一時的にストックされ、ある期限までに溜まったモノが一気に届く。発注数量が増えても、配送されるパッケージ数が極小化する。


B アイドルエコノミーとしては、無数にある自治会館であったり、各人の余力時間を利用する手だってある。これらを利用できれば、地域の交流も増えていくため、活気が戻ったり、防犯率が下がるといった副次効果も見込める。トータルでデザインすれば、やる意義は大きい。


A 一方の自動配送。これは注目領域であるが、自動車については、人運転との混在問題などが強く残るため、地方郊外での導入から進むにしても、法整備などの時間がかかると推察される。一方のドローン配送では、飛行経路や事故などの問題を抱える。


B ドローンでは、自動配送の自由度を少し下げる視点を加えてもいいかもいれない。即ち、日本の遅れる電線地中化を利用し、地上の縦横無尽に貼り巡らされている電線網を利用する。電線をマーカとして読み取り、一定の距離で、その上だけを飛行していく。充電不足にならないように、所定の電柱には充電スポットを配置。荷下ろし場を決めて、各家の玄関までの配送は行わない。


B 荷受人がしっかりと受け取るという部分はやはりネック。この再配送問題は非常に根深く、宅配ボックス化も進むが、わざわざ買おうという人はまだまだ少ない。某国のように、玄関先や庭にでも荷物を放置できるのが最も楽であろう。盗まれるリスクを仕組みで抑えられればいいのかと思う。


A 登録した物流業者や荷受人が近くにいない状態で荷物が移動・開封されると、ものすごい警告音がなるとか。当然追尾もできる。100円玉程度のセンサー型にして、ポストにいれるだけで、勝手に返送できる。センサー返送率に則り、次回からの配送料が変化する。


B 新しい仕組やアイディアであれば、いくらでも出てくるのがこの業界。小技で終わらずに、将来の物流エコシステムに対する基盤化をしっかりと見据え、描き、そこへの戦略的ステップをとれるかどうかが重要になってくる。下手に手を出すと中途半端な導入になり、さして儲からない迷惑な事業になりかねない。


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