安倍公房――創造の秘密＝トポロジカル・カーブ
『箱男』からの出発――「百の知恵の輪をつなぎ合せたような迷路」:トポロジカル・カーブの循環としての作品世界
「あなたにとって安部公房作品のベストは？」という問いは、私にとっては答のない「百の知恵の輪をつなぎ合せたような迷路」(私はそれを「トポロジカル・カーブの循環」と呼ぶ :下記引用文参照)のようなものだ。ちょうど、安部氏の全ての作品の一つひとつが織り成す作品世界のように。
つまり、安部氏の作品世界は、そのすべてがクラインの壷のようなトポロジー空間において互いにつながりあっているのだ。
これが彼の作品の「露呈された秘密」だ。
したがって、その作品のすべてが「ベスト」とならざるを得ない。
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