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【乗車記】年2回だけの夜行快速「ムーンライト信州90号」の静かなラストイヤー

 2018年8月、臨時夜行快速「ムーンライト信州90号」に乗車しました。

■ムーンライト信州90号について
 毎年8月の「諏訪湖祭湖上花火大会」、9月の「全国新作花火競技大会」開催に合わせ上諏訪〜新宿間で運行されていた、年に2回限りの臨時夜行列車です。
 以前に紹介した「ムーンライト信州81号」と同じ列車名ですが、「首都圏と信州を結ぶ夜行列車」ということ以外はまったく別の列車でした(なお2017年までは後続の「ムーンライト信州92号」も運行される2本体制でした)。

 90号は毎回「夏の臨時列車」などのプレスリリースに載っておらず、大型時刻表にだけひっそりと掲載されているのが恒例だったため、81号よりもマニアックな列車でした…。
 ムーンライト信州90号は2019年以降、「諏訪湖花火大会号」「新作花火大会号」という列車名で運行しています。私が乗車した2018年が"ムーンライト信州"として走る最後の年となりました。味気ないネーミングになってしまい、少し寂しく感じます。

【時刻表】
上諏訪0:08→小淵沢0:33→甲府1:07→大月4:02→八王子4:39→立川4:49→新宿5:20着

■当日の昼間思い立ち、急きょ上諏訪へ
 当時私は仕事の関係で富山県に住んでいました。当日は仕事だったのですが、休憩中にふとこの列車の存在を思い出しえきねっとで空席照会をすると、なんと「△」の表示。とはいえ、さすがに今から長野に行くのは不毛だな…と一瞬迷ったものの、こんなチャンス二度とないかも…と思い直し、急遽弾丸で乗ることにしました。当時の自分を本当に褒めたたえたいです。笑

 仕事が終わったのは18時過ぎ。急いで帰宅してお風呂に入り、20時台の新幹線に乗り込みました。次の日には富山に戻る行程。途中、一体自分は何をしてるのか…?と何度も思いました。笑

 長野から普通小淵沢行に乗車。地味にロングラン。

 松本で数分停車。発車標には臨時の長野行が表示されていました。花火大会ならではの夜行列車祭り。

 上諏訪に到着。0時前とは思えない人の数です。花火帰りっぽい人が多く、鉄道ファンの姿は思ったより少数。列車に乗るためにわざわざ富山から来た自分は申し訳なく感じました…笑

■乗車

【入線の様子】
ムーンライト信州90号新宿行 上諏訪駅入線(2018年8月16日) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kgG7CxKDHzE

 発車10分ほど前に入線してきました。E257系0番台で、先頭は「Azusa」のロゴ、行先表示は「快速」でした。

 いろいろと写真を撮っていると、突如反対ホームに南武線カラーのE233系が入線してきました。周ろの人たちも騒然(笑)長野方面の臨時普通列車として充当されていたようです。

 学生時代はよく南武線を利用していたので、こんなところで久々に見られたのは感無量でした。

【車内放送】※音量が小さくて申し訳ありません…。
ムーンライト信州90号新宿行 上諏訪発車後車内放送(2018年8月16日) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KleDAD4NecE

 満席で上諏訪を出発。他の"ムーンライト"と同様車内の消灯はありません。眠るのは難しい環境でしたが、皆さん花火大会の興奮冷めやらぬ様子で、何だかあたたかい雰囲気でした。

 うとうとしていたら、気が付くと夜が明けていました。途中東山梨で長時間の運転停車があったのを覚えています。写真は八王子手前あたりで見えた朝焼け。

 隣の窓側席に座っていた方は八王子で降りていかれました。列車は多摩川を渡り都心へ。

 定刻で新宿に到着。夜行列車から降りる新宿駅は新鮮な気分でした。朝ラッシュに影響しないよう、列車はそそくさと回送になり、引き上げていきました。
 冒頭にも書いた通り、この列車は「ムーンライト信州」の名ではなくなったものの、今も毎年運行しています。諏訪湖花火を見に行く機会があれば、またぜひ乗ってみたいです。

■おまけ
 新宿到着後、新幹線で直帰するのももったいないと思い、何か良い列車がないか探していたところ、ちょうど北陸方面へ向かうのに良い臨時列車を見つけました。

 群馬県沼田市の「たんばらラベンダーパーク」の見ごろに合わせて走る、「快速たんばらラベンダー号」です。毎年7月下旬から8月上旬の土日に上野~沼田間で上下各1本運行されており、車両には485系「リゾートやまどり」が使用されます。

【時刻表】※一部の日で若干変更の場合あり
(下り)上野8:00→浦和8:19→大宮8:27→熊谷9:04→高崎9:44→沼田10:25着
(上り)沼田16:58→高崎17:40→熊谷18:21→大宮18:59→浦和19:06→上野19:25着

 新宿から上野へ移動。中央改札の発車標には「13番線」の文字。上野発の寝台列車がなくなった今でも、この表示を見ると何となく旅情を感じてしまいます。

 入線。幕は「臨時」となっていました。

 車内はまずますの乗車率です。

 最大の特長は2+1列のゆったりとした配席。前後のシートピッチも広く、正直大半の特急のグリーン車より格段に快適。これに座席指定券520円(現在は530円)で乗れてしまうのだから、かなり乗り得な列車です。

 出発。尾久車両センターに留置されている24系・E26系客車が見えました。

 2時間半ほどの乗車で沼田に到着。半分くらい寝ていた記憶があります(笑)

 リゾートやまどりは現在も上越線・吾妻線を中心に、年間を通じて運行されています。コスパ最高の列車なので、プチ旅行に最適です。
(2021年度版の運行情報は下記サイトにまとめられています↓)

上越線・吾妻線の観光列車「リゾートやまどり」に乗ろう! 料金・おすすめの座席(座席表あり)・車内設備・車窓など紹介します!(2021年版) | ひさの乗り鉄ブログ
https://www.kzlifelog.com/entry/jre-resort-yamadori-report

 この後、上越線・信越本線・えちごトキめき鉄道などを乗り継いで富山まで帰りました。この記事を書いてみて、無茶で不毛な旅ほど記憶に残っているものだなと改めて感じました(笑)

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