2021年9月の記事一覧
ネガティブケイパビリティって曖昧さに耐えることだけど、それを曖昧にしておくことがまず難しい。
僕は最近精神科や緩和ケアの領域でよく言われている「ネガティブケイパビリティ」(事実や理由を性急に求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力)を知っていても良いと思うのですが、自分の仕事に採用することを否定しています。医療に関わるなら何か役に立つことを考え続けなくてはなりません。
「どうせ何をしてもどうにもならない、だから最初から『ネガティブケイパビリティ』耐える力を蓄える」というこの考えは
SNS医療のカタチで語られた「臨終行儀」
「死について考える」ことは難しい。
医師や僧侶なら日々、死について深く考えているのだろうから、死について詳しいに違いない、と考えられるのも当然だ。
しかし実際には、その医師や僧侶ですら「死についてはわからない」と言う。
僕ら緩和ケア医も、毎日のように死に向かっていく方々と接しているわけだが、だからといって死に詳しいわけではない。他人よりも少しだけ、死に向かっていく姿を多く見てきた、というだけだ。