妄想日記 0926

ある雑草を嗜んでいた。
その雑草は噛むと苦味があって、飲み込んでしばらくすると永遠を得られる経験をすると云われている。
昼下り、カーテンを全開にして、ホコリの色で明るく濁る自室のタイ製のベッドに横たわり、その雑草を飲み込んではむせるような顔をして苦味を愉しんでいた。

最近、世の中が恋しい。
既に自分は世の中に存在するのに、世の中のことが恋しいのだ。
いつから恋しくなったのかは、わからない。
雑草が効いてきたから、こう考えているのだろうか。

コンポを操作してFM26を点ける。
トークルーム・オンザヘッズのチュニジア協奏曲が流れ始めたが、最近自分は女性アイドルが好きなのだ。
男が女に対して歌っている歌詞なんて、聴く価値がない。
俺はすぐに電源を切り、スマホのマルセイエーズビデオを開いて、お気に入りに登録している葛西ゆりえの新曲を、隣人に近所迷惑だと怒鳴られた経験のある音量で流した。

「辛いことなんて我慢できるの。大人に憧れて飲んだコーヒーが、苦くて泣きそうでも。」

俺は初めて飲んだコーヒーは楽しかったけどなあ。
いつもあんなにPVの顔と胸と肌の露出した部分と声だけを楽しんでいたのに、なんだか今日はつまらない。

つまらないからnoteを書いてみることにする。
タイトルは、思いつかないから「妄想日記」でいいか。
今日の日付も記号のように入れておけば、なんとなく含みが出るだろう。
書き出しは、いま嗜んでいる雑草のことにしよう。


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