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Chromebookの「制約」を考えてみる

Windows PCやMacと比べるとChromebookは「制約」が多いですが、「クリエーティブな仕事には、不自由さが必要だ」と語った人の言葉が私の背中を押しています。


Chromebookの制約とは

私にとっては、DAZ StudioやFaceGen ArtistやBlenderといった、3DCGデジタル美少女モデルの作品づくりには欠かせない道具であるアプリケーション・ソフトウェアが使えないことでした。

さらに、ChromeブラウザーによるWebアプリとGoogleドライブというクラウドを最大限活用するという設計思想なので、最低限ネットに接続できなければ、実質的に仕事になりません。

さらに、ネット速度が生産性に(ある程度の)影響を与えます。

Chromebookのアドバンテージとは

私にとっては、ChromeブラウザーやGoogleドライブといったクラウドへのアクセスが高速なので、ストレス無くサクサクと作業を効率良く進められることです。

Windows PCやMacでメジャーなベンチマークテストは、Chromebookではほとんど使えません。

そこで、JavaScriptの実行速度によるWebベースのベンチマークテストである「Octane 2.0 plus」(マルチコア対応版)で、手持ちのChromebookをテストした結果は以下です。

・Octane Score:  46,530
Multi Core Score: 261,018

Octane Score/Multi Core Score

同様に「Speedometer 2.0」は以下です。

・Runs / Minute: 172

私の場合は、今はWindows PC(Windows)もMac(macOS)も手元に無いので、実際のスコアの比較はできませんが、過去からの経験では、今の手持ちのChromebookが感覚的には最もサクサク使えています。

これらのベンチマークテストはWebアプリなので簡単に使えます。お手持ちのPCやMacで計測して比較してみてください。

松武秀樹の言葉

クリエーティブな仕事には、不自由さが必要だ

★ 10年前の記事なので、時代背景は今とは多少異なっているかと・・・

人によりいろいろな解釈ができるので、私ごときがこの言葉を解説するのはおこがましいですが、少なくとも、私がChromebookを道具として使っている背中を押してくれます。

YMO、松武秀樹とシンセサイザー MOOG(タンス) 2003年 >>> YouTube サイト へ

ChromebookでDAZ Studioを使う

クラウド仮想Windowsの時代

最初は、それまでにも3DCGやDTMで使っていたクラウド仮想WindowsにChromebookからネット接続して使っていました。

AWS(アマゾンWebサービス)やGCP(Googleクラウド・プラットフォーム)ではRDC(リモート・デスクトップ・クライアント)アプリを使う必要があったので、ChromebookではAndroidアプリを使っていました。

その後、Paperspace Coreというクラウド仮想Windowsのサービスを見つけたので、そちらに全面的に切り替えて使っています。

ブラウザーからシームレスに接続できるので、Windowsデスクトップをブラウザーのタブで開け何かと便利です。

GPU+」以上の高性能なNVIDIA GPU付きの仮想マシンでは、DAZ StudioのdForce物理シミュレーション(髪や衣装のたなびきなどを再現)が使えるので、快適に3DCGアプリが使えます。

ただし、時間レンタル課金で有料であり、まったく使わなくてもストレージなどに毎日課金されるので、最低でも月額4,000円程度、作品づくりをガチでやる時期には月額1万円以上の出費となり、費用の節約を考えています。

LinuxでVMwareの仮想Windowsを使う

Mac mini Late2012という12年前の古いMacに最新のLinux(ZorinOS)をインストールし、さらに無料化されたVMware Workstation 17 ProのLinux版をインストールし、それにWindows11 Proをインストールして使うようになりましたが・・・

しかし、Chromebookのサクサク感に慣れてしまっている身にとっては、日常使いで今ひとつサクサク使えない体感的なもどかしさを感じていました。

Linux開発環境でWINEを使う

最近になって、眠っていたChromebookを復活させ、Linux開発環境にWINEをインストールして、その上でDAZ Studioを使い始めています。

GPUがクラウド仮想Windowsと比べると性能が低いですが、Irayレンダリングに関しては、クラウドGPU(NVIDIA RTX 4000相当)が使えるWebサービスを見つけたので、レンダリングに関してはひけを取らないレベルにできます。課金も接続時間のみに限られるので安上がりです。

残る課題は、dForece物理シミュレーションが使えないことです。

そこで、無理にDAZ Studioで行うのではなく、DAZモデルをBlenderに転送して、動作が軽いBlender上で物理シミュレーションやアニメーションなどを試みようかと考えています。

Chromebookのサクサク感はそのままで、DAZ Studioがシームレスに使えるようになったので、今のところ満足しています。

まとめ

Chromebookの「制約」について、アドバンテージとともに、私の場合の「いかにDAZ Studioをシームレスに使えるようにするか?」という課題解決に向けた活動を紹介しています。

物事を、お金を遣って、簡単に短時間に解決するというのが今風のやり方ではありますが、紆余曲折の試行錯誤のプロセスの中で、クリエーティブな発想が生まれるのではないか?という老後の問題提起です。

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