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映画のすヽめ


『ライフ・イズ・ビューティフル』

物語の始まりは喜劇を鑑賞しているかのようなコメディタッチで描かれる愉快な恋物語。絵に描いたような幸せな日々を送る主人公家族にある日突然訪れたのは絶望だった。「ユダヤ人である」という理由だけで収容所へ連行され、家族も引き離され、過酷な労働を課せられる。この地獄の中で父親グイドの願いはただ一つだった。5歳の息子にだけは生きる希望を失って欲しくない、父グイドは強制収容所での生活は「ゲーム」なのだと世界で一番優しい嘘をつく。グイドの歩んだ生涯ははたから見れば理不尽で残酷だったかもしれない。しかしそれでもなお、「ライフ・イズ・ビューティフル(人生は美しい)」と言わしめる彼の生き様を是非観てみて欲しい。


『アバウトタイム』

貴方が今日過ごした一日をもう一度最初からやり直せるとしたら貴方はどう過ごしますか?あの時ああすれば良かった。あの時あんな事言わなければ良かった。人は小さな後悔を重ねながら生きている。この物語の主人公は時を戻すことができる。その能力を使って恋愛や人生において「正しい選択」を選び直すことができた。この物語は当然フィクションだがこの物語を通して我々視聴者に語りかける、人生において本当に大切な事、戻らないからこそ貴重である時間、失えば戻らないからこそ本当にかけがえのないもの、それらは決してフィクションではないだろう。


『イエスマン』

一文で説明するなら「全てのことにイエスと答えてたら人生が変わった話」お堅い銀行マンだった主人公カールはひょんな事から「全てのことにイエスと答える」ことになった。金貸してくれ、イエス!休日出勤してくれ、イエス!奢ってくれ、イエス!どんな要求も怪しげな勧誘メールも全てイエス!すると徐々に彼の人生は好転し始めていく。誤解しないで欲しいのはこの映画は決して「全てのことにイエスと言え!」と語っている訳ではない。事実、主人公カールもイエスしか言えないばかりに苦しい状況に置かれてしまうことになる。この映画が伝えたいのは「ほんの些細なことで人生は変わる」という事だ。「ほんの些細な行動で、ほんの少し物の見方や考え方を変えるだけで、人生は変わる」さあ、私たちも明日からと言わず今日から、今までやれていなかったこと、避けていたことを始めてみよう。朝早起きしてみる、めんどくさくて読まなかった本を開いてみる、自分から挨拶してみる、案外そんな些細な事で貴方の人生は大きく変わるのかも。


『ビューティー・インサイド』

目を覚ます度に全く違う外見になってしまう。性別も国籍も年齢も、今日は日本人の女の子なのに次の日起きたら黒人のおじさん、また次の日は小さな少年、そんな不思議な体質を持つ主人公とある女性との恋物語。「人は見た目じゃない、中身が大事」もはや言い古された言い回し。私も多いに同意できるが、もし人格は同一でも見た目が毎日変わる人がいたらその人を心から愛せるだろうか。素晴らしい設定、ストーリー、演出、映像や音楽も良い。だが何よりもヒロインを演じる女性の演技が素晴らしい。唯一変わらない貴方のその人格を、人柄を、性格を、振る舞いを愛してる。そう自分に言い聞かせながらも、例えば街中で見かけたとして、相手から告げられない限り愛するその人だと気付くことすらもできない、そんな危うい愛の形に覚える戸惑い、その「葛藤」をこんなにも上手に表現している。そこに私は大きな感動を抱いた。人は外見じゃない、中身が大事。確かにそうかもしれない。だがそれ以上にそれぞれの「愛の形」を見つけるのが大事なのかもしれない。


『トゥルーマン・ショー』

テッテレー!全部「企画」でした!貴方の人生は「脚本」でした!貴方の家族は、友人は、出会った全ての人は「キャスト」でした!貴方の人生を彩ってきた様々な出来事は「演出」でした!ある日突然そんなことを言われたら貴方ならどう思うだろうか。「トゥルーマンショー」は1人の人物の「人生」をこの世で最も「リアリティ溢れる」ドキュメンタリーとして世界に放送する人気番組だった。


『フィールド・オブ・ドリームズ』

主人公レイ・キンセラは自身が所有するトウモロコシ畑で仕事をしていると不思議な「声」を耳にする。「それ」を作れば「彼」が来る、と。それとは何か、彼とは誰なのか、声の正体は何なのかわからず苛立ちを募らせるがある時、直感的に理解する。「野球場」を作ればかつて亡くなった伝説の野球選手「シューレス・ジョー」がやってくる、と。周りに頭がおかしくなったのかと嘲笑されながらもレイはトウモロコシ畑を潰して野球場を建設する。その後も不思議な声に導かれるままに、「何かが起きる」「行動に移さなければ必ず後悔する」そんな直感に突き動かされながら物語は展開していく。「声」と「直感」に導かれるままに行動していくうちに、レイはかつての自分と、家族と、本当に願っていたものと、かつてその手から零れ落ちていったものと、向き合い始める。


『LEON』

紹介するまでもない不朽の名作。家族を皆殺しにされた幼き少女が復讐を誓い、一人の殺し屋と行動をともにする。誰にも心を開かず、友人は唯一観葉植物だけ。孤独に生き人を殺す事でしか生きられない不器用な殺し屋と、年端もいかぬ大き過ぎる傷を心に負った少女。交わるはずのなかった2人の人生が皮肉にも家族の死という悲劇によって交差した。二人の間に育まれたのは確かに「愛」だった。恋愛だけが愛じゃない、切なくも美しい物語。

『チョコレート・ファイター』

アクション好きによるアクション好きの為のアクション映画。この映画の為だけに一人の少女を4年間鍛え上げた。ノーワイヤーノースタントノーCGのアクション映画の極地。これに合わせて「マッハ」という同監督による映画シリーズも紹介したい。こちらも言わずもがなノーワイヤーノースタントノーCG。ジャッキーチェンのカンフーに対してこちらはムエタイ。両映画ともアクションに対するこだわりがすごい。何がすごいって私は物語の内容を1ミリも覚えてない。謎に阿部寛が出てたことを覚えてるくらい。ストーリーなんてどうでもいい。(と言ったら制作側に失礼だが)とにかく迫力ある肉弾戦を見たいのならこれ。


『ワイルドスピード』

これも多くは語るまい。私見を述べれば邦画と洋画の最も大きな違いは「スケール」と「テンポ」だと思っている。邦画が家と学校と通学路の舞台だけで完結したり、いわゆる「行間を読む」ような「間」の演出にこだわっているのに対して、洋画は軽率に都市が大爆発して車や自由の女神が飛び散ったり、安易に国が滅んだり沈没したりする。その圧倒的スケール感の中でも『ワイルドスピード』は圧倒的。シリーズを重ねるほどにそのスケール感は壮大になり、キャスティングだけでどんだけ金かかってるの!?って心配になるレベルで主演級の俳優を惜しみなく起用する。とにかくハゲどもがひたすらにかっこいい映画。


『ホワイトハウス・ダウン』

「テロ組織に乗っ取られた施設にたまたま居合わせた有能マンが次々に敵を薙ぎ倒して制圧していく」ストーリーはもはや洋画の鉄板。数ある同様のストーリーの中でもこの作品は個人的に特にお気に入り。一つはテンポが良い。次々に手に汗握る展開が続いて目を離せない。そして味方サイドの登場人物にそれぞれ見せ場があるのがすごく良い。この手の作品は一人で組織に立ち向かって行く構図が燃えるから主人公にしかスポットライトが当たらないことが多いがこの映画は巻き込まれてしまった気弱な大統領や主人公の娘もここぞというところで活躍を見せてくれる。


『魔法にかけられて』

恋愛映画では一番好きかもしれない。おとぎ話の世界から我々の生きる現実世界へとやってきてしまったジゼル姫がてんやわんやする物語。おとぎ話の世界から突然大都市ニューヨークへとやってきてしまったジゼル姫は、たまたま居合わせた弁護士ロバートに保護される。小鳥と共に歌い、動物たちとお話しして白馬に乗った王子様が迎えに来るんだとのたまわるプリンセスが現実にいたら、それは側から見れば頭の中お花畑のおばかさんだ。しかし、ロバートはそんな彼女の純粋無垢さ、天真爛漫な姿に次第に惹かれていく。おとぎ話のお姫様が現実世界で生活していたらこうなるのかというユニークな切り口だけでなく、誰も不幸せにならない大団円のハッピーエンドも私がこの作品が大好きな理由の一つだ。


『私の頭の中の消しゴム』

私の中で「泣ける映画」と言えばこれ。でも本当に泣きたい時以外は観ないで、、って言いたいくらい切ない物語。死別でもなく、破局でもない、次第に愛する人の記憶から「私」が失われていく。愛する人はそこにいるのに、見て、触れられるのに、徐々に私を知らない貴方になっていってしまう。それはある意味で死別よりも残酷かもしれない。本当に切なくて悲しくて美しいストーリー。でも中々2回目を観ようとは思えない、そんな映画。


『ファイナル・デスティネーション』

ホラー映画が死ぬほど苦手な私の唯一オススメするホラー映画。主人公アレックスは修学旅行でパリに向かう飛行機に乗る。学友たちと何気ない会話をしながら楽しい旅の始まりに期待を膨らませていると、離陸した飛行機の様子がどうもおかしい。安定を失った飛行機はついには空中分解し始め大爆発を起こし、乗客は全員木っ端微塵になってしまう…という夢を見た。夢だったか…胸を撫で下ろすも妙にリアルな夢に戸惑う。すると今しがた夢で見た友人とのやりとり、光景が現実で繰り返される。アレックスは怯える。今のは夢じゃない。自分が見たのが死へ向かう未来だと悟った彼は離陸直前に飛行機から逃げ出す。事情を知らない友人数人が彼を引き留めようとするも、強引に降りたアレックスと引き戻そうとした友人は飛行機に乗り損ねてしまう。すると彼らの目の前で飛行機は大爆発を起こす。丁度アレックスが夢で見たように。彼らは死ぬ運命だった。しかし偶発的に死から逃れてしまった。生き残った彼らは「死」という運命そのものに追われることになる。殺人鬼が追ってくるでもなく、復讐者に狙われるでもない「死」そのものが彼らを追ってくる。偶然の事故で死んでいく。「死」の運命が自分たちを狙っていることを自覚した少年たちは自衛しようとあらゆる策を講じるがそれでも重なる偶然で、予期せぬ事故で、彼らは命を落としていく。こんなにガチガチに身を守ってるのにどうやって死ぬんだろう、という世界で一番不謹慎なワクワクに近い感情が味わえる。オチも秀逸。何作かシリーズが出ているが2作目以降はめちゃくちゃグロテスクなピタゴラスイッチって感じ。


『スリーハンドレッド』

「スパルタ教育」などで聞く「スパルタ」とはかつて実在した国家の名前。強い者が生き、弱い者は死ぬ。肉体の強さこそが存在の証明。生まれた瞬間から選別が始まり、幼少から生きるか死ぬかの訓練を重ねる。強靭な肉体に宿る強靭な精神。戦闘民族国家スパルタ。リアルサイヤ人集団。国民全員が戦士。そんなスパルタの戦士300人と当時最大の軍事国家ペルシアの軍勢100万人との闘いを描いた作品。ただただ肉体美。鍛え上げられた戦士の肉体は芸術。映画を観終えた後、余韻に浸りながらエンドロール眺めてる場合じゃない。ジムに行け。

『ブラック&ホワイト』

CIAに所属する2人。ある日「俺が今狙ってる女の子超セクシーなんだぜ」「いやいや、今俺に気がある女の子の方が絶対可愛いから」「じゃあせーので見せ合おうぜ」でせーので写真を見せ合ったらおんなじ女性だったっていう冒頭から面白い幕開けの予感しかしない映画。そこから始まる国家権力を無駄遣いした互いのデートの妨害合戦。世界で一番くだらない権力濫用。恋は戦争(物理)


『パッチ・アダムス』

「エンターテイメントが医学的に有効である」「笑いは治療になる」ことを信じ医学を志した実在の人物の生涯を描いた物語。彼の人生に起きた出来事は決して笑い飛ばせるようなものばかりではなかった。しかし、それでも彼は信念を持ち続け、実践し続けた。彼のような人物の信念が現在我々が享受している医療技術や科学技術や目に見えない生活の「豊かさ」を発展させてきたんだろうなあ。


『Mr.&Mrs.スミス』

お互いに超凄腕の諜報員であることを隠しながら結婚生活を送っていたスミス夫婦。家庭と殺し稼業を両立していた夫婦にある日互いの組織からそれぞれの暗殺指令が下り世界一壮絶な夫婦喧嘩が繰り広げられる。ブラッドピッドもアンジェリーナジョリーも美しすぎる。


『エバン・オールマイティ』

現代の「ノアの方舟」物語。比喩ではなく我々の生きるこの時代に「洪水がくるから方舟を作れ」と神に突然言われ、方舟を作る物語。当然、周囲の人間は主人公エバンは頭がおかしくなったのだと囃し立てる。エバン自身も最初は到底受け入れることはできず、馬鹿馬鹿しいと一蹴する。しかし神に逆らうことはできずに渋々方舟を作り始める。別にエバンは熱心な宗教者ではない。西洋の一般的価値観として時々形式的に祈る程度の信仰心だった。しかし物語が進むにつれて、エバンは何か核心的なもの、本質的なものを掴み始める。非常に印象的なフレーズがある。「貴方が神に勇気を願った時、神は「勇気」を貴方に与えるだろうか。貴方が神に「愛」を祈った時、神は貴方に「愛」を与えるだろうか。神は勇気を出して挑むべき「困難」を与えるだろう。神は愛をもって乗り越えるべき「苦難」を与えるだろう」(実はこの台詞はうろ覚えだが概ねこのような内容のフレーズがある。)「愛」や「勇気」はポンと、はいあげます、と与えられるようなものではない。勇者は恐怖を乗り越えて悪に立ち向かうから勇者であり、聖人は迫害や差別をはねのけて人を愛すから尊いのだ。内容としてはコメディ映画で笑えるシーンも多いが同時にとても大切なメッセージも込められているように思えた。

『カンフー・パンダ』

私はファミリー向けのアニメーション映画が実は大好きだ。『カンフー・パンダ』に限らず『シュレック』『スモールフット』『クルードさんちのあたらしい冒険』『シング』『ヒックとドラゴン』など名作揃いだ。ファミリー層向けだからこそ心温まるストーリーや勇気づけられるストーリーが多い。自分に自信が持てない主人公が出会いを通して成長したり、勇気を出して踏み出したことで新たな世界が開けたり、わかりやすくシンプルでメッセージ性がある。そしてほぼ100%ハッピーエンドで幕を閉じる。そんなファミリー向けアニメーション映画の中でも『カンフー・パンダ』は面白い。


『マイインターン』

キャスティングが素晴らしい。個性豊かな俳優陣で描かれるヒューマンドラマ。老後の隠居生活に片足を踏み入れたような初老の主人公ベンが若くしてビジネスを成功させた女社長のいる企業でインターンすることになる。最初は誰もが扱いに困り浮いた存在となるが、その人柄と人生経験で次第に信頼を集める。仕事、恋愛、家族、友情、成功、人生において我々をとりまく事情はあまりに多い。それらについて改めて向き合う機会を与えてくれるような心温まる映画。

『きっと、うまくいく』

伏線の回収が鮮やか。観ていて気持ちいいくらい。人生を謳歌するには信念を持つこと、その信念を貫くこと、そして学び続けることだと教えてくれる。上手くいかないこともある。挫折ももちろんある。しかし、曲げない信念と学び続ける意志が道を拓く、コメディタッチな映画だがそんなメッセージ性を垣間見る。『きっと、うまくいく』とはいかにもポジティブ思考の押し付けがましい日本的な邦題だが原題は『3 idiots』つまり『3馬鹿トリオ』って感じだ。映画観うんぬん、人生観うんぬん考えずに気楽に映画も人生も楽しんでもらいたい。

『96時間』

私はイケオジ大好き侍なので主演のリーアム・ニーソンが出てる時点で既に好き。この作品のように「退役軍人や元特殊工作員が大切な人を奪われてたった一人で巨大な組織に立ち向かい壊滅させる」系のストーリーは「普段いがみあっているでこぼこコンビが行動を共にするうちに心を許せる仲となり終始お互いに悪態をつきながらも巨悪に立ち向かう」系のストーリーと同じくらい洋画ではよく見る。「主人公かヒロインのどちらかが死ぬか大病を患う日本の恋愛映画」くらい多い。しかし、鉄板だけに熱い展開だ。昨今は映画はサブスクが主流でTSUTAYAや GEOに足を運ぶ人も減ったことだろうが、私はこの映画をTSUTAYAの店頭で見つけたときにパッケージに書かれた「ー父の愛が、パリの街を暴走するー」という煽り文句にどうしようもないほど惹かれた。娘を誘拐され、96時間以内に奪還できなければ愛する娘とは一生会うことができない。イケオジが娘を救うためにバンバン人を殺していくだけの物語。この映画が好きな人はきっとジャッキー・チェン主演『ザ・フォーリナー』や『イコライザー』も好きだと思う。こういう「触れてはいけない男の逆鱗に触れてしまった」系のストーリーは中二心をくすぐられますね。

P.S.

以下は「めちゃくちゃ面白かったのは覚えてるけど紹介できるほど内容を覚えてない」ため、タイトルだけを紹介していく。いずれ作品を改めて見直して加筆修正していくこととする。

『p.s. I love you 』

『君に読む物語』

『プラダを着た悪魔』

『who am I?』

『ベストキッド』

『グッドウィルハンティング』

『世界一キライなあなたに』

『インターンシップ』

『セントラル・インテリジェンス』

『ウォンテッド』

『アンノウン』

『なりすましアサシン』

『ゲット・スマート』

『シャーシャンクの空に』

『理想の男になる方法』

『グレイテスト・ショーマン』

『シックス・センス』

『最高の人生の見つけ方』


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