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【感想文】フィードバック入門(中原淳)

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ページ数:246ページ 2017年著

著者プロフィールは以下の通りです。

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【なぜこの本を読もうと思ったのか?(自分の弱みや足りない点)】


・年下、年上関係なく部下を正しく指導したい(他律)
・自分を正しく検証したい(自律)


【なぜそう思ったのか?】


他律の観点➤役職が上の人間にも正しくフィードバックする必要が増えてきた
自律の観点➤フィードバック方法を正しく覚えれば自分を客観視できる力を養えると思ったから


特に34歳から尊敬できる年下に忌憚のないフィードバックをもらい、
素直に受け止め改善してきて今がある。
フィードバックの効果は素晴らしい。


こじらせおじさん
こじらせおばさんでいることは百害あって一利なし


【本文の文字数】
1,418文字/1,440文字


【❶結論】【フィードバックは非常に有効ではあるが完璧ではない】


成長に必要な要素として
「信頼できる他人からのフィードバック」があるが、
本書では「信頼できる他人」となる為の
基礎論と具体的な方法を提示してくれている。


しかし職場の中には、
「どんなに適正にフィードバックを重ねても変わらない大人」
も確かに存在する。


その変わらない大人に対して見限る判断を
明確に記載してくれていたのは精神的に救われる。


その基準は
・フィードバック期限は3~5回まで
・変わらない場合は配置転換、降格、組織からの退出などの人事施策とセット


ビジネスは学校と違い、限られた時間の中で
成果を最大化する方法を選択し続ける必要がある。


会社は教育機関でなくてはいけないが、
学校化してはいけない(できない)のがここに表れている。


【❷要約】


本書は部下育成手法で最も重要である
フィードバックを体系的にまとめたもので、
主に中間管理職に向けて発信されている。


その理由は、マネジメントの定義として
他者を通じて物事を成し遂げる事にあるからだ。


フィードバックの定義は以下の通り。


1.情報通知
2.立て直し


情報通知➤
たとえ耳の痛い事であっても、
部下のパフォーマンス等に対して情報や結果を通知する事


立て直し➤
部下が自己のパフォーマンス等を認識し、自らの業務や行動を振り返り、
今後の行動計画をたてる支援を行う事


かつての日本は高度経済成長によって
長期雇用、年功序列、タイトな職場関係が成立していた為、
部下が育ちやすい環境であった。


しかし現在の構造は以下の通り➤


・終身雇用の崩壊によって転職市場が活性化し、
過去に正しい指導法を体系的に学ぶ機会が
なかった人間が現在の上司


・プレイングマネジャーならぬ作業比率の高い
マネージングプレーヤーが多くなった事で、
本来のマネジャーの役割である育成が「片手間で育成」になっており、
スタッフの視座は上がらないまま悪循環の一途を辿りやすい


・育成がなければできる部下に仕事が集まり激務化して辞める。
仕事ができない部下は意義を見失い辞める。
結果、育成放棄は巡り巡って上司に還ってきてしまう。

・これまでの教育体制はティーチングに寄っていて、
上司から部下への垂直的な指導になっている事が特徴的

したがって、現代の多様性に対応したマネジメントに求められるのは
ティーチング&フィードバック&コーチングである。

ティーチングによって業務を正しく教え、
フィードバックによって正しく事実を伝え、
コーチングの問いかけによって相手の理想と現実のギャップを埋める。


具体的なフィードバック手順は以下の通り➤


【事前に情報収集】
【フィードバック】
1.信頼感の確保
2.事実通知
3.問題行動の腹落とし
4.振り返り支援
5.期待通知
【事後にフォローアップ】


フィードバックはパワーのある育成方法ではあるが、
それ故にやり方を間違えるとかえってパフォーマンスを
落とす可能性もあるので、最初の信頼関係を絶対に構築すべき事に注意する。


【❸仮説】【フィードバックで他人を変えられるか?】


結論から言うと他人以上に、
他人を変える工程で自分を変える必要性に気づくのだと思う。
本書を実践すると間違いなく内省すべき点が多い。


その過程を見せ続ける事で他人も変化を望むようになる。
結果的に時間差で他人も変化していく。


「あなたのおかげで変われた」と言う喜びを感じ、
その質と量を上げていく為に内省を繰り返す。


その場を意図的に職場に創り出すのがフィードバックなのだろう。


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