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君の名は・・・・マグネット

なぜなのか、海外のお客様は 予想以上によくマグネットを買い求める。

どこの国とか、どの辺りの地域とかではなく、マグネットに人種や国境はない

そんなわけで、バイト先はたくさんのマグネットを用意してお客様を待っているのだけれど それらは店内にあるので、外に立っているバイトたちは「マグネットはありますか?」と、よく聞かれる。

たかがマグネット
されどマグネット

国によって全く発音やイントネーションが違う

インド系のお客様は「まぁ〜ぐるネット」と、最初のMAGがインド的な巻き舌

南米だろうか、堀の深さの中に親しみのある顔立ちの人たちは「まぐねっ!」と短い。

「マギネーチコ」は、ポルトガルやスペイン方面のお顔立ちの方

タイは「マッネェ〜」と発音するぽくて
最初聞いた時はマネーと お金の話をしだしたのかと思った

いつだったか店の外で、商品の確認をしていると、背中のほうから「マグネーーーーーー」と言いながら通り過ぎる声を聞いた。
マグネットありますよーって言おうと振り向くと、そこにお客様の姿は無く、ドップラー現象のように"マグネーーーーー"の語尾だけが人混みの向こうに消えていった

叫ぶほどとは、
どんだけマグネットを探しているのだろう。

アジアのどちらかのお客様は、右手で何かを貼るジェスチャーをして「フリッジ、フリッジ」と繰り返してくれる。このフリッジフリッジが意外に多い。
スマホをかざして"冷蔵庫に貼る磁石ありますか"という日本語をみせてくれるお客様もいらっしゃる。

冷蔵庫に使うところから説明しなくてもマグネットで通じるのになあと思うのだけれど、そういうことではないのかどうか、わからない。

かなり吟味して多量に買っていくお客様もいる。

日本のお客様は そこまでマグネットを買い求めないので、一体どこに貼っているのか?と疑問に思っていた。

ある日、日本のお客様が海外のお客様と一緒に来店して「マグネット置いてますか?」と聞いてきた。

「ありますよー、ここと・・これもマグネットです」とお伝えして「海外の方、マグネット好きですね」と言ってみた

日本人のお客様は、海外の方と結婚したという男性で、彼は「僕も彼女の実家に行ってびっくりしたんです。冷蔵庫にビッシリとマグネットが貼ってあるんです。まだ貼る場所あったかなあー」と首をひねった。

そんなにビッシリと、海のイワツボみたいにくっついているのか?

彼は続けて「日本人は冷蔵庫に貼らないですよね。(彼女の実家は)すごい貼りますよ」と教えてくれた。

帰宅して、冷蔵庫を開ける時に、ふっとそれを思い出した。

キョロキョロとキッチンを見回すと、水道修理の電話番号と帽子を被った猫がデザインされた磁石が換気扇横にくっついていたので、なんとなく冷蔵庫に貼ってみた

ポタリ

うちの冷蔵庫は正面に磁石がくっつかないタイプだった









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