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ハンドメイドと収納/刺しゅう糸編

もっと刺しゅうをしたいのに、
刺しゅう糸がうまく収納出来ていないために
糸を取り出すのが億劫になって
刺しゅうするまでに時間がかかり過ぎる人。私。

そのくらいのことで
億劫になるなら
刺しゅうをしなくても良いかもしれませんが、
それでも心の片隅にある
刺しゅうLOVEを無視できなくて
刺しゅう糸がもっと取り出しやすくなるよう
収納を改めることにしました。

このテキストでは主に
25番刺しゅう糸の収納について
書いていきます。

タイトル画像にある通り、
今回収納方法を紹介する方法は
刺繍糸の束をまっすぐ入れるタイプのもの
ではありませんが、
束の形をキープして収納する方法については
2で少し触れています。

具体的な収納法についてのみ知りたい方は
目次の4、5、6、をご覧ください。

1 収納に迫られる

刺繍糸の収納を
急に改めることにしたきっかけは
引き出しが開かなくなったから、でした。

画像1

手芸用品を収納している引き出し群です。
写真の様子から察して頂けるとは思いますが、
最近引き出しがいくつか開きにくくなりました。

そのうちの一つが
刺しゅう糸を入れている引き出しです。

引き出しの中の様子はこんな感じ↓

画像2

100均のセリアで売っている
透明のトレイの中に
糸が重ならないように並べ
そのトレイをいくつも重ねる、
という状態です。

画像3

画像4


引き出しの高さぎりぎりにトレイを重ねて
そこにさらに刺しゅう用の布テープやら
糸巻き板やらを入れていたため、
カチッと重なっていたはずのトレイがずれて
引き出しの外枠と引き出し口の間にはまり
開かなくなりました。

ちょっとだけ開いた引き出しの隙間から
定規を入れてゴトゴト押し合いへし合いして
混乱しているトレイを抑え込み
引き出しは全開しました。

しかしこのすったもんだのせいで
「さあ刺しゅうをしよう!」
という気持ちは薄れていました。

実に馬鹿馬鹿しいと思いました。

フットワーク軽やかに制作活動をしたい!
という気持ちが急に湧き上がり、
私はまずネットで刺しゅう糸の収納グッズを
検索しはじめました。

2. 収納方法を調べる

画像5

「刺繍糸 収納」で調べると当然
色々な収納法が出てきます。

DMCの刺しゅう糸を
300本近く持っている私がまず注目したのは
「あの棚ごと買う」ことでした。

あの、お店に置いてある什器のことです。

あれは
「マルチディスプレイ什器」
というそうです。

一番大きい
「マルチディスプレイLLサイズ」は
上段¥126,000
下段¥140,000。

買えないし置けない。

これ買ったら中にたっぷり収納できる
刺しゅう糸も買えない。
第一そんなに使わない。

…以上が、
予算とスペースに
かなり余裕がある方におすすめの
刺しゅう糸収納方法です。

さて、
DMCは一般のユーザーにも使える
刺しゅう糸の収納用品を正規でちゃんと
作ってくれています。

「ステッチボウ(「弓」という意味のボウ)」
という薄い板状の棒に刺繍糸の束を
一色ずつ引っ掛け、その棒をさらに
「DMCクリアファイル」という
横向きの細長いポケットが付いている
ファイルに入れるというものです。

上のイラストの右上にざっくり描きましたが
詳しくは各自検索をどうぞ。

もちろん
「マルチディスプレイ什器」に比べれば
かなり安価です。

ステッチボウは10本200円、
クリアファイルは一枚につき15本の
収納が可能で一枚176円。
専用バインダーは10枚まで収納可能で
一冊¥1200円。
(税別、オープン価格により異なる)

300本入れるとなると
ステッチボウ10本×30→¥200×30=¥6000
クリアファイル15本×20→¥176×20=¥3520
バインダー150本×2→¥1200×2=¥2400
合計¥11920+税=¥13112

すごく憧れるけど予算オーバーです。

正規品を使用せずとも
他にもメジャーな「刺繍糸収納法」は
いくつかあります。
例えば
糸巻きに巻き取って収納ケースに入れる方法や
カードリングに直接引っ掛ける方法なども
いくつかあります。

しかし
私の心はトキメかないのです…。

3. 自分で収納方法を考えようと試みる

ネットで色々調べましたが
紹介されている収納方法が
どれもこれも気に入らない私。


画像6

この絵要るか?と思ったけど敢えて置いておきます。

何が言いたいのかというと私は
「使いかけの刺しゅう糸と本体部分を
一緒に収納したい!!!」
のです。

私は刺しゅう糸を束ねてる
紙製の小さな筒が好きです。

特にDMCの刺しゅう糸に付いてるのが好き。

だから
なるべく本体ごと取っておくのが好きで、
でも、
本体から切り取って
使いかけになった糸ももちろん好きなんです。

使いたくなった糸を
本体が並んでいるトレイから選んでその後、
使いかけの糸が入っているトレイを確認。

というのが今までの
よくある刺しゅう手順だったのですが、
本体と糸巻きの使いかけが
すぐにわかるように収納出来たら
一番いいわけです。

そこで思い付いたのが
ハガキホルダーに収納、というものでした。

A4サイズが4分割されたタイプのファイルです↓

画像7

ファイルに固さと滑りの良さを出して
さらに色を見やすくする効果もあるだろう
と思って
あらかじめ100均で購入した
ハガキを入れました。

しかし結局、
この収納方法は選択しませんでした。

主な理由は以下の2点です。

①刺しゅう糸が入れづらいし
ファイルを立てる向きを間違えると
糸巻きもハガキも飛び出して
それに釣られて本体の糸も飛び出す

②一種類の糸を一つのポケットに入れていると
スペースが無駄になり過ぎる

①に関しては
刺繍糸を一生懸命入れてそしてファイルを重ね
両手で持って高さを揃えるために
机にトントンと打ち付けた時に
手が滑ってファイルが傾き真ん中が折れて
ポケットの入れ口が一瞬下を向いた時に
中身がダダダーっと飛び出したので
とてもショックでした。

②に関しては
ハガキと同じくらいの大きさの、
一枚ごとに冊子状になったタイプの
ハガキホルダーだったら良いかなあ
とは思ったけれど、
①の理由が大きすぎるのと
厚みが出過ぎるだろうという予想がついたので
試しませんでした。

数多の刺繍好きさんたちが
様々に試行錯誤してるくらいなんだから、
そんなに簡単に
自分の思い通りの収納方法が
見つかるはずもないかとため息を吐きつつ、
再びネットを見ていたらとうとう、
理想の収納方法を見つけてしまいました。

「Floss A Way」
という刺繍糸の収納用品です。

リンク貼って良いものなのか分からないから
ちょっと検索してぜひ見て欲しいです!

あ!この方法があったのか!って、
目から鱗ですから。

要は
刺しゅう糸にちょうど良い大きさの
チャック付きポリ袋を
単語帳みたいにリングで繋げて収納する
というものです。

これを見つけた時はうれしくてたまらず
ルンルン気分ででポチろうとしましたが
日本のサイトでは品切れか入荷待ちか
在庫足りないかさらに値段にムラがあるので
結局購入を躊躇してしまいました。

しかし欲しい!欲し過ぎる!

ということで、私はこの方式の収納を
自分で作ることにしました。

というのも、
ジップ付きバッグに全部、
商品名が書いてあるのが
ちょっと苦手だったので、
単純に透明の袋に入れたいと思ったからです。

4.収納してみた

画像8

中々いい収納になりました。

もともとトレイごと入れていた引き出しにもちゃんと収まりました。

画像9

糸も取り出しやすいし良い感じです!

では実際に
どのように準備をして
どのように収納していったのかを
紹介していきます。

5. 収納に必要なもの

用意するものは以下の通りです↓

画像10


チャック付きポリ袋

画像11

D という大きさのチャック付きポリ袋
チャック下120×幅85の大きさ
(画像右)

F というサイズのチャック付きポリ袋
チャック下170×幅120mmの大きさ

(画像左)→DMCライトエフェクトなど
折り畳めないサイズの刺繍糸を
保存するために用意

画像12

↑筒が長いフィルムで出来ています。
↓折れないタイプの刺しゅう糸

画像13

Dの袋については、
厚さ0.04mmのD-4という種類のものを
SANZIP(サンジップ画像のもの)と
SWAN(スワン)という会社で作られている袋を
2種類混ぜて使いました。
(もともとうちにあった袋と
今回の作業のために買い足した別会社の製品を
合わせて使うことにした、ということです)

値段はSANZIPは200枚入りで700円くらい、
SWANのは同じ量で400円くらい?
(共に税別)でしたが
買う場所によって
全く値段が変わってくるようです。

両社の製品の差ですが、
袋口に違いはあるものの
大きさや厚みなどの違いは
ほとんど気にならなかったです。

SANZIPはとてもシンプルな作りで
袋口に段差があるので
サクッと開けやすいです。

SWANは
袋口にさらに線の模様が入っているためか
隙間があり開きやすくなっているような
気がします。

F  の大きさのチャック付きポロ袋については
あまり大量に必要ではなかったので
少量ずつ買えるタイプの製品を選びました。
そのため
近所の文房具屋さんに取り扱いがある、
上記のD-4とは違う厚みの袋を購入しました。IZATIME(イザタイム)の
整理theパックシリーズのFサイズ
チャック下120×幅170×厚み0.08mm
のものです

0.08mmの袋は
0.04mmの袋の約3〜4倍程の価格であることが
多いようです。

私は実際に
厚さ0.04mmの他の大きさの袋を
ビーズの収納に使用していますが、
だんだんと袋の表面にツヤがなくなり
シワなどが目立つようになります。
0.08mmの厚さのものと比べると
経年劣化しやすいのは否めませんが、
中身の判別に困るほど痛むわけではないので
価格の安さから
0.04mmの厚さの袋を
愛用することが多いです。

ちなみに300袋使用するとして、
厚みの差は
0.04×2(袋の前後2枚分)×300=2.4cmです。
かさばり方の差が
それほど深刻でもないので、
しっかりとした袋で保存したい方には
0.08mmの袋で統一するのもお勧めです。

今回は
いつ廃盤になるのかがよくわからない
という点から
百均で売っているチャック付き袋を
選ばなかったのですが、
割高感がなければ
百均のものでもいいと思います。

それから横長タイプの袋と
よくある縦の袋の袋と
どちらが入れやすいか試してみたら
縦型タイプの方がチャックに
糸が掛かりにくくて閉めやすいと感じました。

横向きタイプの袋に入れる時は
曲げる角度をより大きくしないと入らないので
ちょっとだけ面倒にも感じました。

画像14

直径φが60mm以上のカードリング

画像15

私は今回収納するにあたって
直径61mmで線形は3mmのものを
使用しました。

直径が大きめのカードリング
を使うことがポインドです。

なぜかというと、
すごく持ちやすくて袋が見やすいからです。

小さいリングでもいいのですが、
大きいリングの方がたくさん袋をまとめても
指を引っ掛けたり出来るし、
直径が大きい分弧も大きいので
リングに通した状態で袋を眺める時に
扱いやすいです。

そんなに刺繍糸を持ってないという方でも、
大きめのリングを使うと
コレクションが増えた時にも使えるし
便利です。

私は色のカテゴリーを
14種類に分けて袋をまとめています。
今のところ一番多い赤系統の袋は
Φ61mmのリングに約20袋まとめています。

画像16

持っている袋を
なるべくまとめて保存したい方は
さらに直径の大きなカードリングを選ぶと
良いでしょう。

「Floss A Way」に付属されているリングは
直径8mmのものです。

直径の大きいカードリングは
金属製のものが多いようですが
重さが気になるようなことは
今のところありません。

糸巻き

使いかけの糸を巻き取るための板状のシート。私はDMCから出ている
紙製ものを使用しています↓

画像17

紙製の糸巻きにフリクションボールペンで
糸番号を書いています。

フリクションシリーズで書いておくと
糸を使い終えた時に番号を消して
また別色の糸を巻く時に
新たにその糸の番号を書き込めます。

ちなみにフリクションのインクは
マイナス10°で復活し始め
マイナス20°で完全に色が戻るらしいので
冷凍庫で刺繍糸を保管している人には
おすすめしません…

④穴を開けるもの(穴あけパンチ等)
リングの線形と同じか
少し大きいくらいの穴を開けられるもの。

チャック付きポリ袋一度に10枚くらいの穴を開けたかったので私は↓の道具を使いました。

画像18

革などに穴を開けるときに使う道具です。

しかしもちろん、
このような特殊な道具がなくても
心配ありません。

穴あけパンチでもチャック付きポリ袋に穴を開けられるかどうか試してみたら可能でした。

画像19

↑左がパンチ、右がパンチエイド

作業方法の部分にも書きますが、
パンチングカッターの強度と
穴を開けたいものを挟む部分の隙間が
どのくらいのなのかによって、
一度に作業できる袋の枚数が変わってきます。

くれぐれも刃こぼれや、
ポリエチレンに刃が巻き込まれて
パンチ部分がロックされないよう気をつけて
作業なさって下さい。

キリなどの穴を開ける道具は
見栄えがあまり良くないので
おすすめしませんが
一度に大量に穴を開けられるところが
良いと思われます。
ただしカードリングを通す際に
穴がどんどん広がる心配もあります。

さて、スクリューポンチは
とても便利な道具なのですが
パンチ穴から出てきた
ポリエチレン製の小さい丸いゴミが
静電気でくっついて取れにくいのが
困り物でした。

とは言えこのゴミは
他の道具を使っても出るゴミです。
どうぞ⑦も一応お読みになって下さい。

クリップ

画像20

同じ位置に穴を開けるために
袋を揃える必要があります。

クリップを使って揃えた袋を固定すると
楽に作業できます。

カッターマット(③で使うものの種類による)

 今回紹介したスクリューポンチに関しては
専用のマットが付いていますが
念のために挙げておきます。

パンチ穴を捨てる時に必要なもの

 ③でも書きましたが
パンチ穴を溜められるタイプの道具ならば
まとめて捨てることが出来るので
この小さい丸を捨てる手間は
それほどでもないと思います。
しかし
パンチ穴がその都度出てくるタイプの道具を
使用する場合は
コロコロやテープなどがあると便利です。
パンチ穴を捨てる作業の際、
パンチ道具がビニール袋の中に
すっぽり入った状態で行うのもおすすめです。

糸の色番号を書くシール

これ、実は私は必要ないと思ってます。
なぜかというと
刺繍糸本体と糸巻きに番号を書いておけば
袋越しでも外側から確認出来るからです。

ただし分類の方法は
個人によって異なると思われます。

袋に単にペタッと貼る方法もあるし
インデックスシールを
袋の端から飛び出させて貼る方法もあります。

シールもお好みで使うと
良いのではないでしょうか。

6.手順

①袋を作る

穴を開ける部分もお好みですが、
私はチャック下の袋部分に穴を開けました↓

画像21


本家「Floss A Way」の方は
チャックよりも上のスペースに
穴が空いているのですが、
私は袋に穴を開けることによって
チャックを閉めた時に空気が抜けて
かさばらないようにしたくて
この位置を選びました。

と、いうことで、まずは一枚、
好きな位置に穴を開けます。

次にまだ穴を開けてない袋を2〜3枚、
既に穴を開けた袋に重ねて高さを揃え、
クリップで留めます。

袋を揃える時は
チャック口の部分がかさばるので、まず、
袋を横にして側面を下にして揃えてから、
縦方向になっている袋の底部分の角を
揃えていきます↓

画像22

そろった角がずれないように軽く押さえて
(注意:指で強く挟むと滑ってすぐズレます)クリップで留めます。

〈スクリューポンチの場合〉

穴が開いている袋を上向きにしてから
まとめた袋をマットの上置いて
空いている穴に合わせて穴を開けます

画像23

〈穴あけパンチの場合〉

穴あけパンチを刃が出てくる方向と
穴が開いた袋を同じ向きにして、
まとめた袋をパンチに挟みます。
パンチの刃が出てくる穴と
既に開いている穴が揃うように調節してから
パンチを押して穴を開けます。

1回目に穴を開けた感触が分かると
あと何枚重ねても大丈夫なのか
感覚が掴めると思います。
増やせそうな場合は回数を追う毎に
一枚ずつ増やしていってちょうど良い枚数を
探してみて下さい。

注意)
④で紹介した画像のパンチとパンチエイドは
紙専用のものですが
私個人の判断で
ポリエチレン製の袋に使っているだけで
この利用方法を
推奨している訳ではありません。

ちなみに見本にする穴の開いた袋は
どんどん新しく出来たものを
使用していった方がいいなあと思いました。
なぜなら同じ袋の穴を見本にし続けると
パンチが少しズレたりするうちに
穴が広がっていくからです。
ちなみに穴の位置は少々ズレたとしても、
上記の方法で開けていけば
収納時に不格好になるようなズレは
生じませんでした。

あとはひたすら
欲しい枚数分の袋に穴を開けていきます。


袋が出来たら
使いかけの糸があれば糸巻きに巻きつつ
それぞれの糸を袋に入れる


糸が入った袋を
好みのカテゴライズでリングに通す。

これで、収納の出来上がりです!!!

7.作業を終えて

読み直して気づいたのですが、
厚さ0.08mmの袋を買った理由は
販売単位が少ないから、だったのですが、
結局購入した金額を計算したら
100枚入りとかを買ったほうが安かったなあと
いうことに気づきました…

出来るだけ早く
この収納方法を試したかったので
手っ取り早く手に入るものに
飛びついてしまいました。
しかしながら袋の厚みの差について
言葉にするきっかけになったから
良しとします。

それから、
在庫を確認せずにノリで刺しゅう糸を買って
家に同じ色が何本もあったことが
判明しました。

でもまあ、可愛い色がいっぱいあって、
幸せです。

今後もハンドメイドに関する収納や
コレクションについて書くつもりです。

ハンドメイドと日常について書いた文章も
ありますので読んで頂けると幸いです。

手芸が好きでたまらない割には
まだまだ理解してないことが多くて
模索中ですが、
その迷いすら楽しんでいる日々です。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

ではでは。

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