見出し画像

【苦境の考え方】冬の時期はエネルギーを増やしている時「ふゆ」「ふゆる」「ふえる」

彫刻家の大黒貴之です

長い人生、順風満帆に人生を謳歌し続けることは極めて難しいものだと思います。歴史や時代にも、波があるように人生にもまた波があるのでしょう。誰もが山あり谷ありの経験を積んでこられているものだと思います。

「苦しい時期は1000日以上は続かない」と誰から聞いたことを憶えています。また、冬の語源は、「ふゆる」。そして、「ふゆる」は、「ふえる(増える)」から成った言葉だと聞いたこともあります。

なかなか前に進むことができない冬の時期は次の春に向けて開花するためのエネルギーを増やしている時期なのだと。

季節にも四季があるように、冬の時代があれば、また春の時代がある。

ドイツに滞在していた2002年。そのようなことをある日本女性から教わったように感じています。彼女は40年以上ドイツに暮らし、日独の友好に力を注がれました。

初めてお会いしたにもかかわらず、以前にも会ったことがあるかのように
食事を作ってくださったり、南ドイツの街を案内してくださるなど大変良くしてくださった思い出があります。

「困っている人を見るとほっておけないのよ」

元気な笑顔でぼくに接してくださった姿を忘れることができません。

そのような包容力のある心はどこから生まれてくるのだろう。

彼女の生涯を聞くとまさにドラマのような人生を送ってこられました。中には言葉では言い表すことのできない辛い出来事を何度も経験してこられました。時折、笑顔の隙間に一瞬見せる彼女の哀愁漂う表情がぼくの眼に焼き付いています。

ある日、彼女がぼくを車に乗せて、ニュルンベルクの街を案内してくださいました。街から帰宅する途中、夕立になり前が見えないくらい土砂降りになりました。T字路から幹線道路に左折する際、車の往来でなかなか曲がることができません。

ぼくは心中「はやく、車の往来が止まらないかなぁ」とヤキモキしていました。

その刹那、彼女が小さな声で、

「大丈夫ですよ。いつか必ず行けますからね」

その方ははもう遠くにいってしまいましたが、彼女と共有した時間はぼくの心の中に大切にしまってあります。

自身も40年生きていると、なかなか前に進まないときはあるものです。

そんなとき、あの車内の景色と彼女の言葉をいつも思い出します。

「いつか必ず行けますからね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このような関連記事も書いています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こちらも運営中です。
記事がいいなと思ってくださった方は、いいねやフォローしてもらえると嬉しいです。

https://k-daikoku.net/
ホームページです。これまでに制作した作品や展覧会風景などを掲載しています。

https://www.instagram.com/takayuki_daikoku/
Instagram:【本体アカ】作品の写真をアップ中。「両義の間に発生する揺らぎ」のようなものを意識し、2次元と3次元、内と外、静と動、自然、文化、人の心理など、相反する二項の間で揺れ動いている関係性、「間–振動(かん-しんどう)」という観念を作品に転換しています。

https://www.instagram.com/art_studio_daikoku/
Instagram:【スタジオアカ】彫刻家、大黒貴之が運営するスタジオです。Art Studio DAIKOKUでの制作風景や作品など、その舞台裏を発信していきます。

https://www.youtube.com/channel/UCMIySMgSItrsbcL4_yb0Kkg
You Tube:作品、展覧会、制作風景などをアップしていきます。作品がどのように完成していくのかというプロセスも知っていただけたらと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?