人生100年時代:カッコイイ老年の秘訣「老にして学べば・・・」江戸時代の儒学者・佐藤一斎の言葉から「学ぶ」こと
「少(わか)くして学べば、即(すなわ)ち壮にして為すことあり。
壮にして学べば、即ち老いて衰えず。
老にして学べば、即ち死して朽ちず。」
その印象的な言葉を知ったのは、もう10年ほど前になるでしょうか。
「青年期に学べば、30代、40代の元気な壮年に何事かの結果を残すことができる。壮年期に学べば、人生の晩年になっても気力が衰えることがない。老年期になり、より学べば、あなたの言動は次の時代に引き継がれ、死んでもなお朽ちることはない」
その洗練された鋭刃のような言葉は、江戸時代の儒学者、佐藤一斎(さとういっさい)の言葉です。彼の下から、渡辺崋山・佐久間象山など多くの俊秀が輩出されました。また佐久間象山の門下生として、勝海舟や吉田松陰らが在籍し、その思想は幕末の獅子たちへの源流ともなりました。
10代の頃「人生は一生勉強」と母親が言っていた記憶があり、20代になってからも、その言葉を他の人たちから何度も聞いてきました。
理論と実践の静寂な繰り返しは自分がやりたいことを具現化していくための唯一の術なのだと思います。
学ぶことの1つに、物事を深く掘り下げて思索することが挙げられます。
そのためには、常に自分に疑問を持つことが大切なのだろうと考えます。自分には才能があるんだと自信を持つことはとても大事ですが、自分が一番正しいと思う込んでしまうとイエローランプが点灯します。そして他者が全て間違っているという思考になるとレッドランプが灯ります。
「実はこうなんじゃないか?いや、このような視点や考えもあるんじゃないか?」と自身に問い、それを実践していくことは、結構なエネルギーを必要とします。しかし、一流の「人間力」を持つ人たちはきっとそれを黙々と実践しているのだと推察します。
もう1つの学びは、程よい緊張感を保つことではないかと考えます。
それを保つには、一緒にいて居心地が良いと感じる人たちと同じところに居続けないことだと思います。それ続くと、いわゆる”ナァナァ”といわれる間柄になっていくのでしょう。
だから、時にはその環境を変え、自分と同じ穴と違う人たちと交流していくことも重要な学びとなります。(もちろん気の置けない人の存在は大切!)
僕は合気道を始めてもう10年以上になります。また最近は杖道の稽古も始めました。緊張感のある稽古中、先生からのご指導は、いつも何かの気づきを与えていただいています。ちなみに一緒に稽古に励んでいる中には75歳の方もおられます。75歳になって、なお学び続けることはなかなかできることではないと思います。
類は友を呼び、その人たちから洗練された刺激を受けたり、考えさせられたり、また自分の視点が変わり視野がググっと拡がったり。
「程よい緊張感」を得ることはとても重要なことです。
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21世紀も早20年が経ち、そして人生100年時代に突入しています。
死ぬまでは全てがプロセスなのだと思います。
壮年、そしてまた老にしてますます学び、朽ちない人生を歩んでいきたいと僕は考えています。
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「堅物だねぇ」
まぁ、いいじゃない、2021年にこんな彫刻家がいても。
人生の後半戦、佐藤一斎の言葉を頭の片隅に置いておき、いつでも取り出せるようにはしておきたい。
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今日も穏やかな時間が流れますように。
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