だいきちテイスト

なさそでありそな近未来のお話を 小説形式で綴ります。 YouTubeでは自動絵本形式で…

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なさそでありそな近未来のお話を 小説形式で綴ります。 YouTubeでは自動絵本形式で作っております。 よろしかったらそちらも是非。 内容が悪いのか宣伝下手なのか、 一向に登録者伸びませんがw よろしかったら 感想などもいただけると 参考になるのでよろしくお願いします🙇

最近の記事

【スヤマ】第一章⑤

井川さんの事務所への路地へ曲がる手前。 一足先に 反対側から路地へ入っていくひとりの人影。 (・・・ユキさん?) コンコン 『ごめんくださーい・・・』 ・・・・・。 返事がない。 ガチャ 『失礼します・・・』 ・・・・・。 いつもいるはずの井川さんのデスクに姿はない。 代わりに、 奥の扉が少し開いてそこから光が漏れている。 (奥の部屋には入ったことないけど・・・) カチャ 『失礼しま・・・!』 『待ってましたよ。スヤマさん。』 『井川さん・・・それにユキさん!』

    • 【スヤマ】第一章④

      『ここ、か・・・。』 ベスティアの幹部、ガマの屋敷。 時間は、夜。 依頼人ユキは、 実はここに潜入している部隊の一員だった。 いわゆる、カラダを使った部隊、である。 絶大なる性欲の持ち主、ガマ。 これからここで、 他の幹部も招かれて、とあるパーティが開かれるらしい。 秘密裏に。 そんなガマの秘密裏のパーティといえば・・・ 言わずもがなである。 そしてユキは、そこが耐えられず抜け出して、 戻った存在である。 どんな扱いを受けるかは、想像に難くない。 (なんでわざわざこんな

      • 【スヤマ】第一章 ③

        『諸刃の剣、とゆうことですねぇ。 ・・・気をつけてくださいねぇ・・・ ユキさん。』 ビクンッ!!! 『・・・・・!』 『え?』 『・・・あ"い"っ!』 ・・・は? 帰り道。 『・・・ユキさん。 井川さんと知り合い?』 『・・・えっ!なんでー!? 初対面だわよーぅ!!』 ・・・知り合いなんだ・・・。 『スヤマくんは? その・・・井川さん?と、 どういった繫がりなの??』 『あぁ・・・わたしは・・・・・・。 実はわたしは、 この事務所を開く少し前からの記憶が

        • 【スヤマ】 第一章②

          ブー・・・ブロロロ・・・・ ガヤガヤ・・・・ テクテクテク・・・ 『無事に解決できるかわかんないよ?』 『うんいいよ。 あたしの命、あなたに預ける!』 『・・・わかった。 じゃあとりあえず出かけるから ちょっと変装して?』 『変装?なんで?』 『それはキミが悪いトコから逃げ出してまだ間もないからでしょ! 見つかったらすぐ捕まっちゃうでしょ。』 『あそっか。 あと「キミ」じゃなくて「ユキ」ね。』 『うん。 で、これから行くのは「情報屋さん」。 この事務所開くのを

        【スヤマ】第一章⑤

          【スヤマ】 第一章①

          どうも。 毎度ありがとうございます。 「スヤマ探偵事務所」代表、スヤマと申します。 代表といっても、 わたし自身どこかで探偵のイロハを学んだわけでもなく、 半年ほど前、とある繫がりからこちらで商売を始めることになりました。 なので、従業員はわたしひとりでございます。 あまり大きなヤマはまだまだ経験不足が否めませんが、 お仕事をくださった依頼主さまとしっかり心で向き合い、 全力で解決に向かうこと。 これをモットーに日々、勤しんでおります。 よろしくお願いいたします。 さて

          【スヤマ】 第一章①

          【スヤマ】 プロローグ⑥

          『ケンジさん! 何からなにまで・・・ ありがとうございますっ!!!』 『いや。いいってことよ。』 『何度も聞いて申し訳ありませんが・・・ やはり俺と井川さんは、昔・・・・・』 『・・・俺は知らねぇよ。 何かあったかもしんねぇし、なかったかもしんねぇ。 まぁ、なんかの拍子に記憶戻ったら そんときわかんじゃねぇか? なんにしろ、 先生がおめぇのこと助けてぇって言ってんだ。 ありがたく受け取っといたらいんだよ。』 『でも・・・ そんな見ず知らずの俺のために・・・』 『だか

          【スヤマ】 プロローグ⑥

          【スヤマ】 プロローグ⑤

          (・・・しかしこれは・・・ 本格的にヤバいかもですねぇ・・・ あぁ・・・優一くん・・・ 守って・・・あげ・・・ ら・・・・・・・) ・・・とある場所。病室のベッド。 (・・・・・・・え?) 『あ・・・あの・・・・・』 『気がつきましたか。』 『・・・ここは?』 『残念ながらどこかは、お答えすることはできません・・・ 言えることは、 あなたは戸籍上、死んだことになります。』 『えっ・・・!』 『残念ながら、 園長として孤児院に帰ることはできません。 園児には二度と

          【スヤマ】 プロローグ⑤

          【スヤマ】 プロローグ④

          あれから。 心閉ざしていた数年間を取り戻すかのように 俺は、スヤマにたくさんたくさん話をした。 そんな俺のとりとめもない話を そのたびスヤマは、 時に楽しそうに、時に驚きながら、 全て聞き入れ、受け入れてくれた。 そして 「おめぇも本来はこっち側の人間だぜ? 昔はみんなおめぇんとこに集まってきてたろ。」 って、そんな風に理解してくれた。 そういえば、そうだったかもしれない。 不思議なものだな。 唯一の恩人である園長先生を探している最中で、 園長先生以上にかけがえのない存在に

          【スヤマ】 プロローグ④

          【スヤマ】 プロローグ③

          (・・・あれから5年、か・・・・・) 中学の頃、ある時から 園長先生が行方不明になってしまった。 捜査は入ったようだが見つからず、 失踪案件となってしまっている。 その後、新しい園長が就き、 「ひまわり」は何事もなかったように存続している。 ・・・でも、 僕にとって親と呼べる存在はあの人だけだ。 あの人は、 「何かあったらいつでもここに来なさい」と言ってくれた。 その約束を無下にする人ではないことを 誰よりもよく知っている。 あの日からずっと園長を探し続けているが、 施設

          【スヤマ】 プロローグ③

          【スヤマ】 プロローグ②

          『ワァーーーーー・・・!』 児童養護施設「ひまわり」。 親がいない子供や、育児能力の低い親の子が入る施設。 このご時世、 過去に比べてそういった子供も少なくはないのが現実である。 しかし、 ならばそういった子たちも平等に見られるかといえば そうではない。 それは、いつの世であっても、同じだ。 『えんちょせんせぇ~!!!』 『おや、どうしました優一くん。』 『なんかねぇ・・・』 『聞いてよえんちょー! 優一のやつずっと虫にたかられてんだぜ〜 おんもしれぇの〜!!』

          【スヤマ】 プロローグ②

          【スヤマ】 プロローグ①

          この世は監視社会・・・ 全ての人間には11桁の英数字が割り当てられ 管理されている・・・ そしてその管理は 数百年昔、大疫病の時代から続いていると言われている・・・。 その昔、 携帯電話やクレジットカードの詐欺が流行ったというが 現在はその比ではない。 何故ならその11桁にはその人間の個人情報、 現住所、収入、銀行口座から家族構成、購入履歴に行動履歴、保険情報、 ありとあらゆるものが詰め込まれている。 もちろんその情報を覗き見ることは犯罪で、容易ではない。 しかしそれが可能

          【スヤマ】 プロローグ①