死に至る生を恐れているの
2011年3月
今でも強烈に、はっきりとその光景を覚えている。
当時小学5年生。
小学校もほとんど終わりに差し掛かり、その日は部活動も無く至って普通の日だった。先生達はそこはかとなく焦っていたように今では思う。
いつものように夕暮れが綺麗な田んぼ道を通って家に帰った。
公園で遊ぶ約束で頭いっぱいの私は、投げるようにランドセルを置いてすぐに玄関を出ようとした。
「だいきちょっと来なさい。これ見なさい。」
きっとあの時だけだったかもしれない。
叱られるわけでも、機嫌が悪いわけでも