浦和レッズからレンタル移籍中の若武者たちの動向(2月第4週) | 浦和レッズサポ日記 #5
2021年からアメリカ留学中(NY在住)のトップです。
J1リーグ・J2リーグは第2節を終え、J3リーグも開幕が目前に迫ってきました。浦和レッズから期限付き移籍中の若手選手たちの動向をお届けするシリーズの第2週目となります。
なお、今シーズン、浦和レッズから期限付き移籍中の選手は、8名いますが、松尾佑介とキャスパー・ユンカーは、武者修行とは少し毛色が違いますので、彼ら以外の6名にここではフォーカスしています。
宮本 優太 (ベルギー2部 KMSK Deinze)
流通経済大学から浦和レッズに入団して2年目の今季、ベルギー2部 KMSK Deinzeに期限付き移籍中を選んだ宮本優太ですが、チームはレギュラーシーズンで上位6チームに入れなかったので、降格プレーオフを戦っています。
これまでベンチ外が続いていましたが、2月25日に行われた降格プレーオフの初戦Jong Genk戦で初めてベンチ入りを果たしました。37分に先制され、74分に追いつくも76分にすぐに突き放され、89分にさらに追加点を奪われる展開の中で、3枚の攻撃的なカードを切るも宮本の出番は回ってこず。
レギュラーシーズンの最終試合で右サイドバックの選手(Gonzalo Almenara)が退場になって今節はサスペンションだったこと、チームとして2枚の交代カードを余らせたままだったことから、宮本としても悔しい結果だったと思われます。
そんな中、ベルギーのHLMという媒体で、Jong Genk戦前のKMSK Deinseの監督コメントが掲載され、
・(最下位と16pt離れていることから)来季に向けて、チーム・個人のレベルアップに集中する
・宮本は技術面でもフィジカル面でも良い選手で、右サイドバックと、おそらくそれよりも少し高めのポジションでプレーできるものの、(同時期に加入し、Jong Genk戦で初出場を果たしたMarselino Ferdinanと比較して)英語があまり上手くないことからチームに溶け込むのに時間が掛かっている
と言及されています。
宮本自身も、英語を頑張らなきゃという旨のtweetをしていましたが、現在では削除されているようです。削除した理由は分かりませんが、宮本の意図はピッチでのコミュニケーションが取れるようにすること(であって、語学留学気分だというわけでは決してない)にあったと思いますし、監督から指摘されているポイントでもありますので、個人的にはプロサッカー選手としておかしな発言ではなかったと思います。
武田 英寿 (J2 水戸ホーリーホック)
青森山田高校から浦和レッズに入団して4年目の今季、J2 水戸ホーリーホックでの武者修行(育成型期限付き移籍)を選んだ武田英寿ですが、開幕節(清水戦)に引き続き、2月25日に行われたJ2第2節 vs いわきFC戦(ケーズデンキスタジアム水戸)でスタメン出場し、82分まで出場を果たしています。
武田英寿は4-4-2の右サイドハーフで先発。開幕から2戦続けてインテンシティの高い相手との戦いだったので、見えにくいところもありますが、2CB+ボランチのところでボールが持てる展開の場合には、
・右SHの武田がインサイドにポジションを取り、右SBの村田航一がワイドに張る
・左SHの小原基樹(サンフレッチェ広島からの期限付き移籍)はワイドに張り、左SBの大崎航詩は内に入ってビルドアップのサポート
というのが、チームとして狙っている形なのかなと思いました。
いわきFC戦も、前半からいわきFCの前プレに手こずっている様子で、CBが早めにロングボールを放り込む→2トップが頑張って競る→チームとして押し上げができていないので、セカンドボールを相手に回収されるというシーンが多かったように思います。後半、相手の強度が落ちてきた場面で、ようやく上記のようなシーンがいくつか作り出せていました。
前半の立ち上がりは、いわきFCの徹底的なロングボールの放り込み+前プレスや、スタジアムに強風が吹いていたことも影響してか、水戸としては後ろから繋ぐことよりも、早めに前に放り込むことを選択していました。そのような中で、武田個人としては、頭の上をボールが越していく展開になっており、なかなかボールに触れる機会がありませんでしたが、いくつか良い攻撃の場面も作れていました。
前半13分:左SHの14番がセンターサークル付近でボールを受ける→コンパクトにプレスに来ていたいわきFCの大外にポジションをとっていた武田にサイドチェンジ→ボックス内でトラップした武田から落とし→右SBの19番のファーへのクロス→トップの20番のヘッド→相手GKのセーブ
前半26分:左CBの4番からインサイドにポジションをとっていた武田に縦パス→浮いたボールを武田が上手く処理して反転→武田が空けたサイドのスペースに走りこむ右SBの19番にパス→右SBの19番の縦突破からのクロスにトップの20番がニアで合わせる→相手のブロック
後半も似たような展開ですが、いわきFCの運動量が多少落ちてきたことやディフェンスラインを少し押し上げられたこと(風向きの影響もあったかもしれません)などから、セカンドボールの回収や効果的なサイドチェンジなどから徐々に水戸のペースに。先制後すぐに追いつかれ、勝ち越し後すぐに追いつかれという展開の中、終盤はいわきFCのペースになり、守備に追われる展開の中、武田は82分に交代でOUTとなりました。
後半48分:CBの跳ね返したボールを武田がセンターサークル付近で回収→2人に囲まれながらも、身体をぶつけながら鬼キープ
後半51分:左SBの3番からのアバウトなサイドチェンジ→風の影響もある中、武田が神トラップ→(CK崩れで前に残っていた)右SBにスルーパス
後半53分:GKが前線にロングフィード→トップの20番が競り合う→武田がセカンドボールを回収→武田から逆サイドの14番に絶妙クロス→右SHの14番が折り返し→トップの20番のシュートはブロックされる
試合を通じて、水戸がボールを握れる展開はほとんどなかったものの、守備面ではほとんど穴を開けていなかったですし、攻撃面では場面によって外と内を上手く使い分けてポジションをとった上で、基礎技術の高さをベースに効果的な攻撃を展開できていたと思います。
基礎技術に関しては、武田と左SHの小原基樹(サンフレッチェ広島からの期限付き移籍)がチームの中でも頭一つ抜けているように感じました。また、いわきFCの試合をフルで観るのは初めてでしたが、良く意識統一されていて、コレクティブに戦えるチームだと感じました(J2でも相当通用するのではないでしょうか)。
次節は、1勝1分けで5位と良い滑り出しを見せている好調ファジアーノ岡山との試合となりますが、得点に直結するプレーを見せてくれることを期待したいと思います。
また、水戸市PR大使としてピッチ外でも活躍しているようです。
藤原 優大 (J2 FC町田ゼルビア)
青森山田高校から浦和レッズに入団して3年目の今季、青森山田高校自体の恩師黒田監督が就任したJ2 FC町田ゼルビアでの武者修行(育成型期限付き移籍)を選んだ藤原優大ですが、2月26日に行われたJ2第2節 vs ザスパクサツ群馬(町田GIONスタジアム)では、前節に引き続き、残念ながらベンチ入りはありませんでした。
黒田新監督の下で、開幕から2戦負けなしでJ2で第4位と好調のため、大幅な選手の変更は考えづらいかもしれませんが、練習から良いパフォーマンスを見せて、まずはベンチ入りを果たしてもらいたいところです。
なお、FC町田ゼルビアは、2月27日に日本体育大学とトレーニングマッチを行っており、チームから出場メンバーのアナウンスはないものの、公式Instagramの写真に登場しているので、藤原優大もトレーニングマッチには出場したようです(8枚目)。
また、3月2日のトレーニングの様子がTwitterで公開されていますが、藤原優大の姿が見えないように思いました(見つけた方は教えてください!)。チームから負傷離脱のアナウンスはないので、もしかすると軽いトラブルで別メニュー調整かもしれません。
なお、Football ChannelからFC町田ゼルビアの特集記事が出ており、その中で、黒田監督の方針として、「その上で新戦力にはプロならではの武器を求めた。守備陣では高さと強さとなる。センターバック陣には、自軍だけでなく相手ゴール前でも存在感を発揮できる選手を求めた。」とされています。
監督が求めているスキルセットには合致しているように思われますが、強力なライバルも多い中、厳しい競争だとは思いますがポジションを勝ち取ってもらいたいところです。
工藤 孝太 (J2 藤枝MYFC)
ユースから浦和レッズに昇格して2年目の今季、J3からの昇格組のJ2 藤枝MYFCでの武者修行(育成型期限付き移籍)を選んだ工藤孝太ですが、2月25日に行われたJ2第2節 vs V・ファーレン長崎戦(藤枝総合運動公園サッカー場)では、前節に引き続き、残念ながらベンチ入りはありませんでした。
藤枝MYFCは、J2からの昇格組ながら、開幕2連勝でJ2首位に立っており、大幅な選手の変更は考えづらいものの、練習から良いパフォーマンスを見せて、まずはベンチ入りを果たしてもらいたいところです。
また、藤枝MYFCは、2月26日に、藤枝市役所サッカー部とトレーニングマッチを行っています。日程的にはV・ファーレン長崎戦で出場がなかったメンバーが出場したものと考えられますが、チームからは得点を決めた選手名しか公表されておらず、写真も公表されておりません。
藤枝MYFCのTwitterでは、藤枝市から提供されたお茶を両手に持つ元気な姿を見せてくれています。
木原 励 (J3 AC長野パルセイロ)
京都橘高校から浦和レッズに入団して2年目の今期、J3 AC長野パルセイロでの武者修行(育成型期限付き移籍)を選んだ木原励ですが、J3 長野パルセイロの開幕戦は3月5日、テゲバジャーロ宮崎とのアウェイでの一戦です。
チームは御殿場キャンプを終え、2月24日から長野でトレーニングを行っています。長野に戻って以降、トレーニングマッチは公表されていません。
チームの公式Instagramで、御殿場キャンプ中の様子が公開されていました(いずれも4枚目)。
福島 竜弥 (JFL 高知ユナイテッドSC)
ユースから浦和レッズに昇格して3年目の今期、JFL 高知ユナイテッドSCでの武者修行(育成型期限付き移籍)を選んだ福島竜弥ですが、JFL 高知ユナイテッドSCの開幕戦は3月19日、ラインメール青森とのホームでの一戦です。
チームは2月27日にファジアーノ岡山とトレーニングマッチを行いました。得点者のみの公表で、出場選手は明らかにされておらず、また掲載されている写真では福島の姿は確認できませんでした。
なお、3月2日に行われたキックオフパーティーでは、監督のすぐ後ろという絶妙なポジショニング(おそらく背番号順)により、元気な姿を見せてくれています。
いかがでしたでしょうか。普段は、ブロードウェイのことを中心に記事を書いています。励みになりますので、面白かった・参考になったという方は、是非、スキ、コメント、フォローをお願いします!!
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