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勝負の先にあるもの

スポーツをする者なら、
誰しも勝つことを目指し、憧れるだろう。

いや、スポーツだけでなく、
負けて嬉しい人はいないと思う。


漫画「ZERO」松本大洋
この漫画は、
そんな「勝つこと」や「強さ」について
非常に考えさせられる漫画だと思う。

主人公は、五島 雅
純粋に人生をボクシングに捧げ、
一度も負けたことがないことから、
いつしかZERO(ゼロ)と呼ばれるようになる。

五島は、30歳が近づき、老いを懸念されても
異常な強さは衰え知らずで相手を倒し続け、
「絶対に壊れないおもちゃ」を求めている。

だんだんと周囲も、
「どうせ五島が勝つんだろ。」
そんな空気になり、盛り上がらない。

そう、五島は孤高であり、孤独である。

そんなときに
「スパーリングで相手を殺した」という
メキシコのボクサーの噂を聞きつける。

自分と同じ何かを感じた五島は、
強く興味を示し、
きっと互角に戦い合えるという期待を胸に
対戦をすることになる。

という展開である。

そして、最後まで色々な意味で、
五島のトレーナーである荒木との
強い絆の在り方にも引き込まれる。

多くの人が当たり前に求める、
「勝つこと」や「強さ」の先の景色
絶妙に考えさせられる漫画だと思う。

勝つことは本来、勇気や感動を共有し
ドラマチックであるものが多いが、
この漫画では、
悲劇や虚しさを強く感じさせる。

一見、ボクシング漫画だが
人間の在り方 のようなものを
表現しているように思う。

ただやはり、競技者としては
五島の次元を経験してみたいと
思ったのでした。


長谷川 大悟

-オフィシャルホームページ-
https://hello-daigo.themedia.jp/
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