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さよなら、ドビュッシー

休みの日、なかなか表立って外に出づらくなってしまったので、とりあえず映画を見よう!と思い立ち、契約しているネットサービスを漁っていたらなんとも懐かしいタイトルを見つけた。

『さよなら、ドビュッシー』

<あらすじ>
ピアニストを目指す16歳の遥は、両親や祖父、従姉妹らに囲まれ幸せに暮らしていたが、ある日火事に巻き込まれ、ひとりだけ生き残る。全身に火傷を負い、心にも大きな傷を抱えた遥は、それでもピアニストになることをあきらめず、音大生・岬洋介の指導の下、コンクール優勝を目指してレッスンに励む。しかし、周囲で不吉な出来事が続発し、ついには殺人事件まで起こってしまう。

中山七里の同タイトルが原作となっている。原作は『このミステリーがすごい!』の大賞に選ばれ、当時は非常に話題になっていた。ものの好奇心で思わず手に取って、気づいたら無我夢中で読んだ記憶があるのだが、いかんせん一体全体どのような内容だったのか皆目見当もつかない感じになっていた。

せっかくだから記憶を奥の方から掘り起こすためにも見てみるか!ということで、早速鑑賞してみた。ちなみに、私個人としては本を原作にしている大抵の映画は原作を越えられないと半ば諦めた気持ちでいつも邦画を見ている。(とはいえ、昔見た村上春樹原作の『ノルウェイの森』は映画は映画でとても印象に残っている。)

そういった意味で本作品は、御多分に洩れず原作を超えるとまではいかなかったような気がする。まあ映画を見終わってから恥ずかしながら原作の内容も思い出したのだけど。

本作品はいろんな要素が複合的に組み合わせられている。一例を挙げると、主人公の成長 × 音楽 × ミステリーといった感じだろうか。映画自体は確かにどの要素も入っているのだけど、素人目からするとちょっと原作の良さを生かしきれていないような気がした。とはいえ、どうすれば原作を超えることができるのかと言うとそれも難しい気がする。

思うことは色々あるけれど、やけに劇中に出てくる音楽が耳に心地よいと思っていたら、ピアノの講師役として出てくる岬という人を演じているのは現役ピアニストの清塚信也さんだったのか。あまりにも自然な演技だったので、普通に俳優さんかと思っていた。

最後主人公が弾くドビュッシーの『アラベスク 第一番』と『月の光』は内容そっちのけで素直に感動してしまった。素晴らしい音楽というのは、コロナでささくれた人の力を癒す力が本当にある気がする。

ちなみに少し系統が違うけど、同じ音楽関連の話で言うと『羊と鋼の森』という作品も結構好き。こちらも映画化されてるんだ。知らなかった。。。あまり盛り上がりがないので好き嫌い分かれるけど、なんかじわじわくるような良さがあったな。


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