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スマホ断食の記録〜スマホ脳をごしごし洗う



23歳の秋、

ふとこれまでの生活を振り返ってみた。


自分の人生、毎日の限りある時間の中で

私は一体どれだけの時間、液晶に目をとらわれているのだろうか。


もしもスマホがなかったとして、

私は、私の目は代わりに何を映し出すんだろう。




スマホは何故存在しているのだろうか



私たちは常に変化している。

過去と同じ自分なんてものはどこにも存在しておらず、

一分一秒、細胞単位で私たちは変化し続けている。

何かに影響を受けるたびに私たち生物は変わっていき、成長しながら

新しい自分を、思考を形成している。



そこでこう思った。

私の思考を作り出しているのは

本当に私自身なのだろうか。

自分で考え、決定し、選択できていると言えるのだろうか。


今や多くの人にとって無くてはならない存在となっているスマートフォン。


電車に乗った際に周りを見渡すと、9割の確率で皆スマホに向き合っている。

びっくりするくらい真剣に、または暇そうに、スマホと睨めっこしている。


朝、目覚めてスマホチェック。

食事を食べる前はスマホで撮影、なんなら、ながらスマホで食事。

食事が終わればSNSチェック。

移動中もスマホ、帰宅してからもスマホ、寝る前にもスマホ。


毎日のほとんどの場面でスマホと向かい合っている。

人生において大半の人がスマホと共存していると言っても過言ではないはず。



こんなに多くの時間をスマートフォンに使っているのだから

スマートフォンによって思考を作られている、

もしくは何らかの選択へと誘導されていると考えても不思議ではない。


そんなことを頭の中で考えていたある日、

Netflixにある、’’監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影’’ という

ドキュメンタリーをみた。


私たちのほとんどが普段使用している、有名なSNSアプリや検索エンジンなどの

運営や開発に関わった元社員たちによる告白を

ドキュメンタリーやドラマを混ぜてわかりやすく作られた作品で、

SNSが持つ依存性、中毒性、便利の裏に潜む危険性について伝えてくれている。


それぞれ開発者たちが作ったアプリやツールへの思いとは裏腹に、

思わぬ形に人々へと広がって行き、開発者の人たちがため息をついて悲しむ様子。

それがとても印象的だった。


今や当たり前になったデジタル社会、SNSなどが人にもたらす影響の大きさ。

改めて、デジタルな情報社会についての私の意識を変化させてくれる作品だった。

(この記事を読んで気になった人は、是非一度見てみて欲しい。)



このドキュメンタリーを見た日をきっかけに、

ますます私の中でのスマートフォンに対する疑問は大きくなり、

私は流行りのスマホ断食を試してみることにした。



中毒者が大多数を占める今


スマホを手放すと聞くと、

何をすれば良いんだ、暇になってしまうと感じる人が多いのではないだろうか。


スマホには私達の楽しみ、興味を持たせてくれる情報が沢山詰まっている。


SNSやyoutube、netflixなどのアプリや検索ツールなどを生み出している側は、

"時消費"と言われているように、私達の時間をいかにしてスマホに注がせるか、

どれだけ長く画面に惹きつけられるかを一番に考えていると思われる。

いわば、どれだけユーザーをスマホ中毒にさせるか、だ。


気になることを検索し、

それに関連する動画やサイトが出てきて無意識に飛んでいけば、

気がつけば数時間経っていた、という事も多くあるだろう。


そういった流れにハマり、

気がつけば多くの時間をスマホに費やしていた人の心情を聞く時、

そこには常にネガティブな感情が存在している気がする。


「ああ、またやってしまった。」

「時間を無駄にした。」

「もっと〜できたのに、〜したかったのに。」

といったように。


自分自身、毎日スクリーンタイムをチェックしているものの、

やはり平均で3時間ほどはスマホを見ている。


なんとなくSNSを見続けたり、YouTubeの関連動画を漁ってしまったりした日には

とてつもなく後悔してしまう。


自分が楽しくなるような内容、ワクワクする情報を検索しているはずなのに

何故こういった感情が湧いてくるのだろうか。

少なくとも私自身は、

スマホを長い時間触った後に、「楽しかった〜!」「今日はいい1日だった!」

などといったポジティブな感情でいる人を見たことがない。


皆、口を揃えて不満を言う。

なのに、また数分もたたないうちに画面を見つめている。


何故こういった気持ちになるか。

それは、自らスマートフォンを触っているのではなく、

触らされているからだと思う。


自分で選択しているつもりが、いつの間にか誰かの策略にハマり、

誘導され、導かれている。



顧客をユーザーと呼ぶ業界は2つだけ

違法薬物とソフトウェアだ

(Netflix 監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影より)



冷静に考えて、異常な行動だとは思わないだろうか。

ダメだとわかりながら、そこに手を出してしまう心理は

まさに中毒以外の何者でもない。


若者を中心に今の人類の多くはスマホ中毒になってしまっている。

そしてそこから抜ける手段を探しているようで本気で探そうとはしていない。


自分がかなり重度の患者であることに気づけない。

それは多くの人がそうだからであって、

大多数の人間がその割合を占めた場合、それが常識になるからだ。


街中で出会う殆どの人が同じスマートフォンを手に持ち、

同じ姿勢で、同じものに視線を落としている。

ある日を境に今まで当たり前だと感じていたこの光景を

とても怖く感じるようになった。


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スマホを手放してみて気づいたこと


スマホをいざ手放してみると、不思議なことにとても時間が増えたように感じた。

自分にはこれだけの時間自由な時間があるのだと。


勉強をする。

散歩をする。

ご飯を作る。

読書、筋トレ、ヨガ、瞑想。

または何もせずぼーっとしてみる。


スマホを当たり前に触っていたときに感じていた焦燥感や不安のような、

なんとも言えない感情が消えた。


スマホを持っていても持たなくても1日の所有時間は変わらないはずなのに、

何故なのだろう。


私が思うに、

スマホは何かをしたいという"自ら"の行動理由や、意思を弱めるものだと思う。


先に述べたように、"自ら"選択しているようで

そこに自分の意思はおそらくあまり影響していない。

自分の見えないところからの操作によってその選択を迫られているように感じる。


そこから比較するスマートフォンを手放してみた場合の自らの欲求は、

それらとは全く異なっている。

自分で考え、自分で選択し、行動することによって、

何にも縛られない、自由だという感覚が手に入る。


自由が前提にあるからこそ、何もしないぼーっとした時間を、

幸せだと、ポジティブに捉え易くなる。



スマホを眺めている時間、私たちは常に情報の波に飲まれている。

様々な情報を次から次に視界に入れていくうちに

自分の意思とは裏腹な沢山の感情、思考が生まれていく。


何らかの情報を入れようとスマホを開いているつもりでも、

自らの意識はそれによって拡張されることはなく、

逆に様々なところへ分散されて行ってしまう。


スマホ依存。

私たちがデジタルの世界に閉じこもりそこに依存すればするほど、

自らの意識は狭まり、情報の分散、格差は広がる一方だと思われる。


本当に大事なのは、作られた世界、マトリックスの内側からではなく

外側から見つめ直してみること。


自ら’’今ここ’’を感じようと意識すること。


マインドフルネスでも言われているように、

雑念がない時間が多ければ多いほど、

"今ここ"を感じられる状態にあり、幸福を感じやすくなる。


スマホを手放すことで一番に感じられるメリットは、

"今ここ"を大切に、限りなくストレスフリーに過ごせるようになったことだ。


視界に入るもの、自分の考える事柄についてしっかりと向き合い、

それについて思考する時間も増えた。


自らの五感から学べることを見よう、感じよう、と意識することが多くなった。




少しの意識で可能性を広げる


ここまで長々と、スマホの中毒性などを述べてきたが、

急にスマホを捨てろなどと言いたいわけでは全くない。


便利さは重々理解しているつもりではあるし、

スマホ断食をすることで不便になることも沢山ある。


ただ、一つ言えるのは、


不便になる=不幸になる ということではない。

便利=幸せ、豊かではない と同じように。


便利なものはメリットだけが、

不便なものはデメリットばかりが表立ってアピールされることが多い。


物事の本質を、そこに隠された情報を、自分で判断し、

取捨選択していかないといけない時代になってきている。


短期間のスマホ断食は、

私に自分と向き合う時間を、’’今ここ’’を感じる余裕を、

情報に左右されすぎず、一歩引いて物事の本質を思考する時間を私にくれた。



様々な情報で溢れる今の世の中で、

惑わされず、見失わず、前に進み自分の道を切り開いていく為には、

自らと向き合う時間を作り、自分の意識や直感に耳を傾けることが必要だ。


そのためにスマートフォンから、パソコンから、デジタル社会から

離れる時間を作ってみることは、

簡単で、手取り早い近道なのかもしれない。


















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