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グロテスクな美しさ「独りでいるより優しくて」

<文学(126歩目)>
このイーユン・リーさんの作品は、3人の女性を丁寧に描いているが、カバー同様に「美しさ」が読めるのですが、競争社会の中の「グロテスクさ」も際立つ。
「さすらう者たち」とは異なる読後感で、幅広な才能を感じました。

独りでいるより優しくて
イーユン・リー (著), 篠森 ゆりこ (翻訳)
河出書房新社

「126歩目」も、イーユン・リーさんの素晴らしい作品。

「毒を持ったのは誰か」がテーマなのですが、それ以上に3人のそれぞれ未成熟な部分に惹かれました。

2回目はそれぞれの群像劇を彩る登場人物の運命について。
ささやかな幸せや富や愛を得たいと願い日常生活をひたすら営む登場人物たちが身近になり、その運命に心が動揺した。

そして、それぞれ個性的な3人が孤独ではないようで、とても孤独であることが心をついた。

あと、中国人作家のイーユン・リーさんの文体は英語で発表しているからか?中国的な濃密さよりも、ちょっと村上春樹さんの小説のような心理描写も透明感がありました。

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