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濃密な熱帯の空気「台湾文学ブックカフェ2 バナナの木殺し」

<文学(147歩目)>
「台湾文学ブックカフェ」シリーズは知らなかった才能に出遭える素晴らしいシリーズです。

台湾文学ブックカフェ2 中篇小説集 バナナの木殺し (台湾文学ブックカフェ 2 中篇小説集)
邱常婷 (著), 王定国 (著), 周芬伶 (著), 池上貞子 (翻訳), 白水紀子 (編集), 呉佩珍 (編集), 山口守 (編集)
作品社

「147歩目」は、台湾文学ブックカフェ2も熱量がある。

「バナナの木殺し」
台湾の怪奇、幻想の作品が収められている。おどろおどろしいわけではないが、熱帯の濃密な空気を感じる。
カバーの明るいバナナの木のイラストで手に取ったが、「熱帯」の「焦熱」「空気の湿度」「匂い」を強く感じる作品でした。

「載美楽嬢の婚礼」
小説の可能性をあらためて感じた作品。
感情が入らない文体であるが、娼婦の復讐の愛憎問題を濃厚に描いている。

「ろくでなしの駭雲」
ジェンダーにかかわる作品。台湾文学ブックカフェは、ジェンダーにかかわる作品が多い。
台湾にこの分野の作品が多いのか?知らないのですが、とても読める。
そして、習慣の端々が日本人の私たちにも身近に感じる。

不思議な世界観の中篇集です。

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