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SF作品でもある、ロシアの才能による短篇集「地獄の裏切り者」

<文学(114歩目)>
パーヴェル・ペッペルシテインさんの短篇集は、ちょっと他にないテクニカルな作品集です。

地獄の裏切り者
パーヴェル・ペッペルシテイン (著), 岩本和久 (翻訳)
水声社

「114歩目」は、パーヴェル・ペッペルシテインさんの作品集。

ロシアのポストモダンということで、ソローキンさんみたいな作品集を想定したのですが、ちょっと違った。

しかし、一つ一つの切り出し方は、とてもユニークで強い印象を与えてくれました。「モスクワ・コンセプチュアリズム」と呼ばれているそうですが、確かにユニークで脳に残る作品です。

「太陽の冷たい中心」「黒い星」「音」「地獄の裏切り者」「オルギア」「左右の思想のジンテーゼ」「サソリの影。ジャッキー・Oの秘密の絵」「3111年のパブロ・ピカソの復活」とありますが、特に

「音」
世界を救うために奔走する作品、ところどころに推理小説好きな読者ならば「笑い」をとれる小技も効いている。

それにしても、いきなりの展開で、一気に違う世界に誘拐される文学。
これは、2024年に読んでも斬新です。

「地獄の裏切り者」
冷戦時代の話で、信じられない最終兵器が出てきます。
これだけだとSFなのですが、瞼の裏で映画が始まる・・・とか、ちょっと引き込まれる先端的な文学です。

ちょっと病みつきになるヤバさを感じる。

どうも、私にとってパーヴェル・ペッペルシテインさんは疾走する文学であり、脳への刺激がすごい。

文字だけで、この衝撃。おそるべしロシアのポストモダン。

かなり読み手を制限するのかも?なのですが、この作家の作品はこれからも刊行してもらいたい。
すごいです。

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