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あからさま様


我慢は…体に毒なんですか、と、コーヒー片手に問いかけてみる。
ブラックコーヒーは無糖なので、血糖値は安全かしら、あ、だけど、カフェイン過多かも。

あくまで、他人事。
だけど虫唾が走った。
どうしてどうして?
理不尽すぎて眉が曲がった。
他人に向ける正義感。大嫌い。
許せない、のは、まだ私が弱いかららしい。

辛い辛いを言ったら私も私もってなって、慰め会議。
名言を口ずさむ気も失せました。
前向きにならなくていいってわかったから、なりません。
やはり直感は当たる。
不機嫌は人に宛付けるものじゃない、自分の中で咬み殺すものだ。
そうやって私は笑ってきた。
私が優しい理由は、私が優しい、からじゃないよ。
やさしくいたいだけで、私のエゴだよ。
だから優しいとは言わないっていうジレンマだよ。
これだけは覚えていて欲しい。
人の嫌なことがわからないひとは、自分のことしか考えられない人だから、自分がされたら怒るし、黙っていてもそれをやさしさだと勘違いする。
大丈夫、あなたの呑み込んだ涙も、流した汗も、あなたの血と成り肉と成り、決して無駄にはならない。
カサブタとなってあなたの歴史になる。
人の痛みはわかる方がいい。
わからないよりも、わかる方が、いいこと。
痛みは痛まないとわからない。
楽しさだけを享受するだけの人よりも、
辛い時あなたの隣にいてくれたのは誰?
褒めたり甘やかしたりする人ばかりより
あなたの成長を願って失敗を許してくれたのは誰?
あなたにプレゼントをくれる人をいい人だと思って、
あなたに嫌なことを決してしない人は、誰?

だれ?

そんなことを考えて、
いつのまにやら、何も言えなくなっていました。 
やっぱり私は人とは、少なくともあの子とは違うらしい。
そう思わないと私を肯定できないから、思う。

分かりやすいものは嫌いだ。
分かりにくいもののその隙間しかもう愛せないや。俯瞰して自分に満足した。
居心地のいい爽快感が私の喉を通って鳩尾に、すとん、と音を立てて落ちた。

その後に苦味が口いっぱいに広がることを知っていても、それすらも癖になって、やめられなくなった。
中毒と人は言うかもしれないし、自傷行為、周りから見たらそうかもしれない。
私にとっては洗顔と同じくらい大事なもので、寝起きの絡まった髪を梳かすのと同じくらい面倒なこと。つまり当たり前で自明でよくわからないもの。

なにかがつっかえていた。
まるで必死に文字を打ち込んでいるのにタイプミスが大量発生してよく分からない文字列になっていたときくらいに気持ち悪くてイライラした。

きらいきらいきらい…そういう自己防衛を胸に抱えたまま、丸まって夜を乗り越えて、朝イチのコーヒーを胃袋に流し込む。



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