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モーニング娘。の『モーニングコーヒー』がいい!それと『ザ☆ピ〜ス!』に脱帽

『モーニングコーヒー』は1998年に発売された、モーニング娘。のメジャーデビューシングルだ。モーニング娘。といえば、『LOVEマシーン』や、『恋愛レボリューション21』、『ザ☆ピ〜ス!』など、数々のヒット曲があり、一つ一つ挙げれば枚挙にいとまがない。その中でも、特に筆者が好きなのは、今回紹介する、この『モーニングコーヒー』だ。「モーニングコーヒー飲もうよ 二人で」という、彼からの誘いを受ける彼女の内面では様々な感情が渦巻いており、それを補佐するように、コーラスが後から追いかけて来る。アイドルのデビュー曲にしては、なんだが暗い。それでも、しっとりしたミドルテンポの心地よいメロディーに、段々と引き込まれていく。90年代後半から、2000年代前半にかけて、青春パンクというものが流行っていた。GOING STEADYやガガガSPや、太陽族、STANCE PUNKSなどだ。筆者は、学生時代夢中になって聴いていたが、今聴くとその前身のように聴こえてくる。GOING STEADYの『童貞ソーヤング』という曲によく似ているのだ。この曲にも見てとれるように、モーニング娘。の曲の魅力は何よりもそのキャッチーさにある。「明るい未来に就職希望だわ。」「超超超 いい感じ 超超超超いい感じ」「恋もして仕事して歴史きざんだ地球」など、当時の若者の世界観をわかりやすく端的に提示してみせている。中でも凄いのが、『ザ☆ピ〜ス!』だ。「HO~ほら行こうぜ」という少年野球のような、かけ声から始まると、「そうだ みんな行こうぜ」と、その声に呼応するように、返事が戻って来る。コンビニやファストフードが好きな若者が、来週、故郷に帰るという。そして投票に行って外食するのだという。勘のいい人ならば、もうわかるかも知れないが、この歌は、若者に対して選挙に行こうぜと促している、極めて政治性の強い曲なのだ。そしてさらに驚きなのが、サビの歌詞だ。「好きな人が 優しかった (PEACE!)うれしい出来事が 増えました」正直、この歌詞に筆者は脱帽した。誰にでもわかる簡単な言葉を使って、単純明快に「平和とは何か」ということを若者に向けて表現しているのだ。この曲のMVは、大きな船にメンバーが乗って旅をしているという設定のものだ。こんなにもわかりやすく、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重などの、日本国憲法に定められいる三原則、そして民主主義について説明されていることに、驚きを隠せない。難しい概念や、難しい言葉は一切使われていない。プロデューサーのつんく氏は、いつでも若者の立場からメッセージを発信してきた。そのことが、ファンの心を掴み、一時代を築き上げた大きな理由になっているのではないだろうか。


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