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note、人の「内側」世界をつなぐ。

子どもの本を書く仕事をしていることを、自己紹介に少し記しましたが、ずいぶん前に書きかけたお話のひとつを、最近、よく思いだすようになりました。

書きかけた、と申し上げた通り、結局完結させられなかったお話です。ただイメージだけは今も強く残っていて、執筆中の感覚はよく思いだすことができます。そのイメージが最近になって、
(ああ、こういうことだったのか……)
すとんと腑に落ちるような氣がするのです。

お話の核になっていたのが、「わたしの外側の世界は周りの人たちとつながっている。それと同じように、わたしの内側の世界も、人とつながっている」というイメージでした。

わたしたちは日常的に、「自分の外側」で、「人の外側」とつながっています。目と目をあわせたり、手をつないだり、こしょこしょ話をしたり、相手に何かを渡したり。そういうのはみんな、わたしたちの外側の世界で起こっていることです。
でも、「書きかけたお話」の主人公は、ある日自分の「内側」に迷い込んで……そこに広がる世界をみるのです。

そこで出会う人たちを、最初主人公は、自分の想像がつくりあげた、心の中の住人だと思っていました。
でも、だんだんと、どうやらそうではないらしいということがわかっていきます。主人公の内側の世界は、主人公のものであって──でも主人公だけのものではなかったのです。主人公が、「外側の世界」を人々と共有しているように、自分のものだと思っていた「内側の世界」も、実は多くの人たちと共有されている。

「外側同士」で人と人とが接するように、「内側同士」でも、人と人とはつながっている。だから「自分の内側」に深く入りこめば入りこむほど、その世界を人々と共有することになる──。
主人公がそのことに氣づき、その世界を大切に育てるようになる……そんなお話を書きたかったのです。

でもそれを、理屈臭くなくお話にまとめあげるのが、なかなか難しかった!
内側だの外側だの、自分の世界だの誰かの世界だのと、お話の中でごちゃごちゃ説明したところで、物語はちっともおもしろくなりません。
主人公が「内側の世界」をいつの間にか理解し、育て始めたように、自然におおらかに筆を進めたかったのですが……結局完成させられないまま、そのイメージは今でもわたしの心の種のままです。

でも最近、noteに投稿したり、みなさんの記事を読ませてもらったりするようになって……ときどき、あれっ?と思うのです。あのとき主人公の内側に広げたかった、描きたかった世界って、この感じによく似ていない?……と。

noteで出会う方たちとは、「内側から」おつきあいが始まります。わたしは本名も写真も掲載していないので、わたしの外見や環境、そういう外側のことをみなさん知りません。お互いにそうです。お写真でお顔がわかる方もいらっしゃいますが、だからといって外側からおつきあいが始まるわけではなく、その方の内側からにじみでてくる投稿とのおつきあいです。
それは、今までよく知っていた「外側から」のおつきあいとは少し様子が違います。どう違うか、は、人によってそれぞれかもしれませんが、わたし自身は、驚くほど瞬間的に、相手を「近く」に感じられる氣がしています。
まさに、それぞれの内側──中心に近いところからおつきあいが始まる、といった感覚でしょうか。

あのとき書きあげられなかったイメージを、もしかして今なら形にできるかな……と、ふと思ったりもしますが、それ以上に、
(世界中の人たちは、いつのまにかこんなにも、「内側」を共有しあっていたんだ!)
ということに思い至り、しみじみと嬉しくなるのです。

インターネットが一般に普及を始めておおよそ30年といいます。お話を書きかけたのは、それに近い頃でした。
あのときはとても想像できなかった形とスピードで、今わたしたちの内側世界は加速度的に広がっている……!そう思うとむくむくと嬉しくなります。氣持ち、考え方、知識、記憶──そういうものの共有が進めば進むほど、地球の内側はふくらんでいく。はるか宇宙まで果てしなく広がる外側の世界と同じように、「果てしない内側」へと、わたしたちの世界は広がっていく。

あ──。書いていてなんだか胸がどきどきしてきてしまいました。わたしの小さな投稿が、今日もまた、その内側宇宙を広げていくわけですから!

そうしてみんなの世界がつながり、広がっていけば──地球は必ず素敵な星になりますね!
もちろん今でも素敵な星ですが、これから、なお一層光り輝く星になる。内側から輝く、そういう星になりますね……!



追記
こちらの記事に、ふたつのコングラボードが届きました。応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました!↓↓↓

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