眠れぬ夜に夕日を思ふ。
美しいものは壊れていく様すら美しいんだと知った。
比べて私はどうだろう。
憂鬱に押しつぶされるくらいなら薬を飲んで眠ってしまえばいいんだと、気味の悪いオレンジ色の錠剤を摘んだ。
思考はどんどんそのオレンジの微睡みに奪われてゆくし、そういえば最後にゆっくりと夕陽を眺めたのは何時だっただろう。
日が沈むように、私も眠った。
以前私はどうしようもなく果てしない何かに押し潰されそうになったとき、途方に暮れて眠り続けた。
私の体が私の思考を止めて、この世界から切り離して私自身を守ろうと