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12 サッカーが好きになる魔法

サッカーが大好きで絶対に勝ちたい!そんな選手ばかりではないのが、まちの少年サッカーの現実です。「親が行けって言うから・・・」と、イヤイヤ来ているお子さんも多いのではないでしょうか?今回は、そのような子どもたちとどのように向き合うかについてお話しします。

私はサッカー経験がないため、逆にサッカーに対して消極的な子どもたちに「サッカー楽しい!」と思ってもらえるように関わることが得意です。

魔法の言葉はないが、魔法の方法はある

残念ながら、一瞬で子どもの気持ちを変える『魔法の言葉』はありません。時間をかけて、ゆっくりと一緒に少し辛い思いも乗り越えながら、信頼関係を築くことが大切です。「親が行けって言うから・・・」から「コーチ、最近サッカーが楽しいかも」に変わるまでの方法をお伝えします。

この方法を信じて、何があっても実践し続けることが重要です。途中で感情的になったり、「もう無理だ」と思ったりすることもありますが、それはコーチ自身の学びや成長にもつながると考えて頑張ってください。

1. この子は必ず「できる」と信じ切る(100%)

子どもと関わるときに1%でも「この子はちょっと…」と思ってしまった時点で、その思いは必ず子どもに伝わります。ここがすべての土台となりますのでどんな逆境のときでも「信じ切る」覚悟を持ってください。

2. 子どもに「絶対にできる」と伝える

まずは子どもに「君はできる」とストレートに伝えましょう。子どもは恥ずかしがって「おれには無理」とか「サッカー好きじゃないし」と言いますが、心から100%「君はできる」と言われて嫌がる人はいません。心のどこかにフックがかかります。

3. 「できる」と言い続ける

事あるごとに「○○は絶対うまくなるよ」「○○なら絶対できるよ」と言い続けます。『洗脳』というとネガティブなイメージかもしれませんが、「できない」という脳の状態を一度洗い流して「できる」という脳に時間をかけて変えていく作業です。私はよく「○○なら絶対できるのにもったいないな~」と言っていました。人は得られるものより失う方に心が動かされやすいです。「もったいない」と言われるとやってみようかなと思う子も多いです。

4. 「小さなできた」を見逃さずに声を掛け続ける

選手のレベルをしっかり観察し、「できること」を明確にして、今までの101%できたときに「ほらできたじゃん」と声を掛けます。ポイントは大げさに声を掛けず、フツーに言う事です。「コーチは君ができることは知っているよ」というスタンスで話します。

5. 「できるよ」→「できた」→「ほらできたじゃん」のサイクルに入れる

このようなサイクルが起きると、子どもは「自分が自分を信じる力」より「コーチが自分を信じる力」を信じるようになります。できたが当たり前になります。そのままですが『できたの当たり前化現象』です。できないのが異常、気持ち悪くなります。

6. 願望を持たせる

無目的、無目標だった子どもに小さな目標を与えて成功させていきます。次第に「こういうプレーをしたい」「仲間のために活躍したい」「試合に勝ちたい」といった願望が湧いてきます。

7. 願望を磨き続けて明確にする

願望が出てきたら傾聴して子ども自身に「頭を整理」させるために質問してアウトプットさせていきます。
例えば「左足ってなんで蹴れないんだろ」ということをボソっと言ったら
「左足難しいよね。どこで左足使うの?」
「ゴール前」
「ゴール前のどの辺?」
「ゴールの左側」
「右で蹴ればいいじゃん」
「ゴール左へ追い出されたときに左で蹴れない」
「切り返して右足で蹴れば?」
「2人に囲まれると切り返せない」
「バックパスすれば?」
「嫌だ、左で蹴れるようになりたい。」
願望が明確になりました。このように一緒に目標設定を支援していきます。

最後に

時間も忍耐力も必要ですが、コーチが負のサイクルから正のサイクルに移行させれば、あとは子どもたちが自発的に成長していきます。これは実際に私たちのチームで起きた変化です。上手くいかない場合は、コーチの関わり方に問題があると考え、工夫・改善を続けましょう。

技術的な問題で「小さなできた」がなかなかできない場合は、目標を下げてください。リフティング10回の目標が3回しかできなければ4回にして、根気よく付き合ってあげてください。

子どもの成長を見守ることがコーチの一番の幸せです。最後までお読みいただきありがとうございました。


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