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ファンが支えてくれるから。燕三条から大ヒットを連発するアウトドアブランド「村の鍛冶屋」Makuake成功のためにした3つのこと

想いをもった作り手と消費者をつなぐECサイト「CRAFT STORE」などを手掛ける「ニューワールド」。 連綿と受け継いできた伝統や文化をどう守り、新しい風をどう取り入れるのか。その解を求めて、デジタルマーケティングの領域で挑戦を続けています。とりわけものづくり企業と伴走してきたMakuakeプロジェクトは、累計調達金額が7億円を突破するなど注目を集めています。

今回はnote連載「手仕事とみらい」のイベントとして開催した、ウェビナーのレポートです。イベントの中からMakuake活用方法・SNSの活用法・採用についてご紹介していきます。

地場企業が取り組むべき、これからのモノの売り方

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登壇者プロフィール
株式会社山谷産業 代表・山谷 武範 

1979年創業、2003年ネットショップ『村の鍛冶屋』開設 以降、燕三条の職人・メーカー・問屋が扱うキッチン・DIY・園芸・アウトドア・食品を販売 2013年鍛造ペグ『エリッゼステーク』販売開始 2017年TSBBQブランド発表。2018年「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」獲得。2019年「TSBBQライトステンレスダッチオーブン8」がMakuakeで達成率1990%、955万円達成+Makuake of the YEAR2019 受賞 2019年「TSBBQライトステンレスダッチオーブン6」がMakuakeで達成率5819%、1,513万円を達成しています。
モデレーター:ニューワールド株式会社 代表取締役社長 井手康博

井手:かなり前からネットでの販売をされている印象なのですが、始められたきっかけってなんだったのでしょうか?

山谷:山谷産業は1979年に創業し、もともとは漁師さんが使う漁具を漁協に販売していました。しかし2002年母が大病を患い、父が出張にいけないことから、藁にもすがる思いで当時「ヤフオク!」で販売を開始し、ECサイト『村の鍛冶屋』が誕生しました。その後、楽天・Amazon・自社サイト・aupayで『村の鍛冶屋』を立ち上げて今に至ります。当時モール出店が始まったばかりで、ひとつ上手くいったら次のプラットフォームも試してみる……といったかたちでオンライン店舗が増えていきました。

ですからMakuakeについても同じ感じで、抵抗なく「まずははじめてみよう」と思ったんですね。

 Makuakeのメリットは、発売前の実績とPR要素

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 Makuakeには新商品を出すわけですけれど、発売前なのに「これだけ売れた」という実績を持って店舗さんへご紹介できることは、「今までにない前代未聞の売り方だ!」と驚きました。さらにメディアさんも紹介しやすいようで、 Makuakeのプロジェクトをよく取り上げていただき、PR要素も強かったです。

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井手:Makuakeではこれまで3プロジェクト行ってきましたが、ダッチオーブンの第1弾で955万円、第2弾で1,500万円の応援購入を集めるなど、全て大成功を納めています。現在進行中のプロジェクトも目標に対して3,000%達成です。もう勝ち方みたいなものは見えてきましたか?

山谷:完全にわかってやっています(笑)ほんの少しです。特に大切なのは初日のスタートダッシュ。初日にどれだけ売れるかによって、その後の調達金額が変わってきます。なので事前の告知、プロジェクト期間中の盛り上げ方法は、SNSを駆使しています。広告費は一切かけていません

井手:「山谷砲」と呼ばれているほど反響のある山谷さんのFacebook投稿は、毎回色々な方の応援コメントやシェアがすごいですもんね。

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山谷:経営者の情報発信は大事だと思います。Makuakeに限らず『村の鍛冶屋』としてもSNSには力を入れていて。自社サイトでも商品の入荷情報も、SNSでしか告知していないんです。なのでSNSを見ていないと買えない

井手:日頃からファンの方と密にコミュニケーションをとっていることが大事ですね。

山谷:そうですね。私のFacebookも告知だけじゃなく、何気ない投稿も日頃からして、大したことじゃなくても発信して行くことが大事かなと思います。

SNSを活用した集客。採用にも影響が…?

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井手:SNSの運用体制やそもそも社内の運営はどのようなメンバーでされているのでしょうか?

山谷:SNSの運用は今は4名。サイト運営に関しては、それぞれのプラットフォームに対して1名〜4名で運営しています。自社で配送作業も行っているのでパートの方も多いです。

井手:採用はどのような方法でされていますか?

山谷:ハローワークやindeedといった至って普通の方法ですが、「SNSやってる?」っていうのは絶対聞きますね。ネットで買い物したことない人や、SNSを自分でも使ったことない人を採用するということはないです(笑)。

わざわざ燕三条に、会いにきてくれるお客様も

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井手:山谷さんは「産地に来ても、何をしたらいいかわからない」状況をすこしでも変えていこうと、社屋に体験型ショップを設けましたよね。ここでは実際に燕三条の様々な製品に触れられ、実際に体験することもできるのですが。どうやって実店舗からオンラインへ送客していっているのでしょうか?

山谷:うちは逆で、オンラインから実店舗に送客しています。県外客が8割です。
イベント様子などSNSで発信し、ありがたいことにSNSで来社したことをUPする人が多い。ちょっとした聖地巡礼化が起こっています。

井手:すごいですね。

山谷:本当にありがたいです。一度手に取ってみたかったとわざわざ遠方から来てくださる方も多い。燕三条を盛り上げたいという気持ちが1番にあるので、せっかくならうちに来ただけでなく色々な工房を回るツアーなども計画していましたが、コロナで一時休止状態です。

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井手:燕三条を盛り上げたいという思いはMakuakeの商品開発にも繋がっていますよね。世界的な刃物ブランド「藤次郎」との共同開発はまさにその意図を感じました。

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山谷:光を反射して煌めく印象的なハンドルは、新潟県燕三条の伝統的な工芸品である「鎚起銅器」をモチーフにしたデザイン。アウトドアに精通した『村の鍛冶屋』のこだわりと、燕三条の職人技を詰め込みました。

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素晴らしい作り手さんたちがいて、素晴らしい製品がいっぱいあるこの地域にもっと興味をもってもらいたい。さらには来てもらいたいと考えています。


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