世界から寒いをなくす「もちはだ」会社を越えた最強チームのつくり方とは
日本のモノづくり企業は後継者問題に悩んでいる?売上は下がる一方?そんな暗いニュースも当然あるけれど、明るい話題だってあります。
兵庫県にある1955年創業の裏起毛衣類のパイオニア「ワシオ株式会社」では、2017年クラウドファンディングプラットフォーム『Makuake(マクアケ)』にて世界から寒いをなくす「もちはだ」ラグランT を発表。進化し続ける伝統技術とトレンド感を取り入れた、もちはだラグランT は、2週間で完売し増枠するも生産が追い付かないほどの人気を博しました。
2018年は朝“布団から出られる”パジャマを発表。またたくまに目標金額を達成し、約1か月の期間を残しつつも、800万円を超える支援金額を集めています。
ロジックを組むのは得意だけどクリエイティブは不得手。だからこそ会社を越えたチームでプロジェクトを成功へ導く。そんな「もちはだ」プロジェクトの2年目裏側を聞いてみました。
プロフィール
やらない理由はない。だからやるだけ。
ニューワールド株式会社 金子(以下、金子)
鷲尾さんは中国留学をし、そのまま中国で起業するつもりだったとお聞きしましたが、なぜ日本に戻って家業を継ごうと思ったのでしょうか。
ワシオ株式会社 鷲尾氏(以下、鷲尾)
留学中もビザの関係などで定期的に帰国するわけですが、その度に家業の話を両親がしていて、話を何度も聞くうちにどうにか助けないと「ヤバいな」と。
金子
その「ヤバい」にいろいろ含まれてるわけですね。
鷲尾
そうです。助ける気持ちというと大げさですが、現状をどうにかしたい思いで帰国し会社の立て直しに乗り出します。1年目は社内の数字を集めるところから。古い会社なので当然社内政治といわないまでも戦いもあるわけです。それでもやらない理由は見つからない。ただ向き合う。いま思えば相当張り詰めた1年だったと思います。
人間じゃないとも言われたこともあります。笑
金子
人間じゃない。笑
緊迫した空気が伝わってきます。
クラウドファンディングはいつ頃からやってみたいと思っていたのでしょうか?
鷲尾
ウェブでの施策はユーチューバーを起用した企画などいくつか試し、やったことがすべてプラスになったので誰も反対しない状況でした。
クラウドファンディングは、会社が伝えられてないことを伝えることができるツールだと思っています。
きちんと「もちはだ」のことを理解してくれてよさを実感してくれる人と繋がりたかったので、クラウドファンディングのプラットフォームもいくつか比較検討しました。
ぼく個人が主役になるならキャンプファイヤーかなと思いましたが、製品理解を深めてくれるユーザーが多いのはMakuake(マクアケ)だなと。
そしたらたまたまぼくの妹とマクアケの松岡さんが知り合いで!
Facebookでメッセージを取り始めるようになりました。
金子
そんなことってあるんですね。
鷲尾
ニューワールドと繋がったのも、社長の井手さんと大学が一緒で彼が投稿するモノづくりの動画をみて「飯を食いにいこう!」と誘ったのがきっかけです。
金子
その動画、ぼくがつくりました。
鷲尾
ロジックを組むのは得意ですが、クリエイティブは苦手。だからニューワールドに制作をお願いしました。
金子
制作はもちろんプロジェクトを進めるなかで、もちはだの大ファンになりました。
勝手にアンバサダーしてます。
鷲尾
そういうコアなファン向けに公式アンバサダープログラムも用意しようと準備をすすめています。笑
寒いことでいいことってない
金子
「世界から寒いをなくす」というビジョンや2018年のもちはだは室外ではなく室内しかもパジャマにした理由ってあるんでしょうか。
鷲尾
ぼく自身が冬の朝が苦手で…。寒いと疲れがとれないこともあるじゃないですか。
だから朝”布団からでられる”パジャマをずっと考えてた。
寒くていいことってなくないですか?
金子
サウナのあとの水風呂とか?
鷲尾
それは「冷たい」じゃないですか。冷たいは気持ちいにつながるけど、寒いってただ辛いっていうか……。
金子
あーたしかに
鷲尾
人生でいやな時間は消したい。日常の中で寒いと感じるタイミングをみつけてそこにもちはだの製品をつくっていく。暮らしや人生をよりよくしたいと考えています。
努力は自分のリソースでできる。その努力の過程をみせることで応援してくれる人が増えた。
金子
クラウドファンディングをやってみる前と後で変わったことってありますか?
鷲尾
Makuakeを通じてもちはだのファンが増えたのはもちろんですが、「おもしろい会社がある!」と連絡をくれたりメディアから取材を受けたり、色んな可能が広がりました。
努力でもらえるものは努力したらいいと思っているし、頑張ってる姿をみせることはお金をかけずにできることだから。
金子
努力している姿も恥ずかしがらず、カッコつけず発信しつづける方がいいと。
鷲尾
ですね。
去年は2週間で完売して追加生産できるかもがいてる様子も、活動レポートを更新していると見てくれている方々が多く、更に興味を持ってくれた人が増えたなと実感しました。
手一杯のときに、のどが渇いたと言ったら水がでてくる感じ。
金子
プロジェクトの回数を重ねるごとに、もっとこうしたらいいのではというアイデアも生まれましたよね。
鷲尾
そうですね。金子さんやマクアケの松岡さんとやりとりするなかで、やりたいことに対して、ロジックの部分がすっと落ちてくれて「それやってもうかるんですか」って疑問に思う提案がほぼない。
手一杯のところで水を差しだされるような感覚です。
金子
これからも暮らしの中の寒いを見つけてどんどんなくしていきましょう!
ぼくらとしても日本のモノづくりや日本ブランドを世界へNo,1にするビジョンをかかげているので、これからも一緒に盛り上げていきたいです。
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