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「もう一度開発を」-産業機械から食の世界への転身

今回インタビューしたのは、ハードウェアチームのマネージャーを務めるAkiさんです。前職での豊富な経験を活かし長期プロジェクトの指揮をとるAkiさんですが、扱うものの違いはもちろん、社風の違いによっても変わってくるところが少なくないと感じているようです。

食産業のロボティクスの世界に飛び込んだ理由、コネクテッドロボティクス(以降CR)という会社に感じていることなどについてお聞きしました。

ものづくりの会社の仕組みまで学んで気づいた
「もう一度開発の仕事をしたい」という思い

—— ご出身、CRに入社されるまでのご経歴を教えてください
生まれは東京都三鷹市で、大学に進学するまでずっと三鷹に住んでいました。小さな頃からからくり仕掛けのように動くものに大変興味を持っていたのが高じて大学卒業後は株式会社アマダという板金加工機械メーカーに就職しました。

—— アマダではどのようなお仕事をなさっていたのですか?
在籍していた33年間のうち、3分の2以上の期間は曲げ加工を行うロボットシステムの開発に従事していました。残りの期間は技術管理部門で品質や開発予算、開発プロセス、設計システムを最適化する仕事に携わりました。システム開発から技術管理まで、多くのことを学ばせてもらいました。

—— CRへの転職を考えることになったきっかけは何でしたか?
ある程度の年齢になってセカンドキャリアについて考えたとき、やはりもう一度開発の仕事をしたい気持ちがありました。やるからには長年経験を積んできたロボット開発に携わりたいと考えたのです。そこでエージェントのお世話になり、CRを紹介してもらいました。

—— 長年いた産業用ロボットの世界からベンチャーへの転職は勇気が要ったのでは?
食品工場向けロボットは未知の分野でしたが、CRのロボットを目にしたとき「ここだ」という直感がありました。直感というだけでは説明になっていませんから自分なりに分析するとすれば、自動化があまり進んでいない食産業で開拓者としてチャレンジするCRの姿勢に胸打たれたところが大きかったと思います。選考プロセスは、通り一遍の面接ではない厳しい課題もありましたが、具体的な課題で評価されるところに技術者としては燃えましたし、非常に面白くもありました。忙しかった前職の業務と並行して行うのは大変でしたが、2週間かけて課題に向き合ったのは良い経験でした。

お客様とCRの共同作業としてのプロジェクト

—— 現在CRで携わっているお仕事について教えてください
入社の約1ヶ月後から盛付ロボットのプロジェクトに携わるようになり、そろそろ1年3ヶ月ほど経ちます。あと少しで完成する見込みで、7月に納品予定です。CRの盛付ロボットといえばポテトサラダやひじきのイメージがあるかと思いますが、私が担当しているのは特性が大きく異なる食材を扱うロボットで、使用するハンドも全く違う形状です。

—— 担当している盛付ロボットの開発で苦労した点は何ですか?
技術面で特に苦労するのは重量精度と速度の両立ですね。決められた重量を一定の速度で盛り付ける必要がありますが、速度を上げれば重量精度が落ち、精度を上げようとすると時間がかかります。現行プロジェクトでは食材を盛り付けたときの重量精度も厳しいものが求められており、そこを目指しながらバランスを取るのが非常に難しいです。

—— 技術面以外での苦労はありますか?
プロジェクト推進において一番大変だと感じているのは、お客様の要求と我々の技術レベルのギャップを埋めるための調整です。お客様の期待値が非常に高い一方、こちらは技術を育てている段階なので、常にすり合わせながら進めなくてはなりません。そして言うまでもなく単に早ければ良いというのではなく「お客様の工場で活躍できるロボット」が最終ゴールですから、仕様を決めるに当たっては密なコミュニケーションが欠かせないのです。

—— Akiさん自らお客様とのコミュニケーションを図るのですか?
はい。営業担当はいますが、技術的な話やプロジェクト全体の話になると、私が直接お客様と話すことが多いです。また、営業担当経由の情報だけでなく、自分自身で実際に現場を見たり対象作業を体験したりして知り得たことを通じて真の要件を探るのが大切だとも感じています。お客様もむやみやたらに「とにかく自動化してください」とおっしゃるわけではありません。
自動化の必要性を強く感じていらっしゃるからこそ厳しい要求もありますが、盛り付け工程の自動化が容易ではないことも十分理解されています。ですからCRに丸投げするのではなく、自動化しやすいように工場の作業工程を改善してくださるなど、お客様とCRの共同作業として真摯に取り組んでいただいており、ありがたいです。そういう意味では、大変ですがやり甲斐を感じていますね。

一人ひとりの専門性とチームワークで体現する
"Trial and Error as One Team"

—— チームのマネジメントにおいて意識していることはありますか?
マネジメントというより、現在10人体制のチームの皆さんの活動を調整することが自分の仕事だと考えています。食品工場向けに限らず ロボットシステムの構築には、機械系のエンジニア、電気系のエンジニア、ソフト系のエンジニア、機械操作に関する部分のエンジニアなどさまざまな人たちが協力して取り組みます。前職でも基本的には同様でしたが、CRの場合は外国人やインターンなどより一層バラエティーに富んだメンバーたちが集まっているため、なおさら調整が重要です。

—— 各担当分野の違いを乗り越えてチーム全体が一つの方向へ進んでいくように舵取りするのは難しいですか?
全員が同じ課題に向き合えるよう少し気を配るだけで十分なので、難しくはありません。というのも、どのメンバーも視座が高く、ハードウェアがこうだからソフトウェアがああだからといった担当者視点ではなく、システム視点で食材という課題に対してものを語れるからです。皆が食材の課題にフォーカスした状態で忌憚なく意見を述べるので、健全で前向きな議論ができます。

—— チームとしてパフォーマンスを発揮できているとお考えですか?
はい、チームメンバーのモチベーションの高さによって難局を乗り越えたときなどに特にそう感じます。プロジェクト進行中にはハードな局面が幾度もあり、「さすがにギブアップかな」と思うことも多々あったのですが、そのたびに誰かがキラキラとした表情で新しいアイデアや試作品を持ってきてくれたりして、それが突破口となりました。もうダメかと諦めかけるとチームメンバーの高いモチベーションに救われるという、私には奇跡のように感じられた瞬間が何度もありました。

—— チームが一丸となってゴールへと突き進んでいる感じですね
その通りです。機械を扱う際にはかなり身体を動かすことになるなどフィジカルな業務も多く、しかもトライアル&エラーのサイクルが非常に速く疾走感があるので、ある意味スポーツに近い感覚です。個々のメンバーの高い専門性とチームワークがともに見事に機能しているチームスポーツを思わせ、4つのコアバリューを支える基本概念である「Trial and Error as One Team」がまさに体現されていると感じます。

実感するコアバリューの威力、
圧倒的なスピード感

—— コアバリューのお話が出ましたが、日々の業務に活かされていますか?
はい、日頃から誰もがコアバリューに即して行動していて、それが成長につながっていることを実感しています。とはいえ、実は、初めてCRの4つのコアバリューについて聞いたときは、正直「キャッチフレーズのようなもの」程度にしか思いませんでした。しかし、入社してしばらく経つと、会話の中にコアバリューが頻繁に出てくることに気づきました。そしてその共通のワードが発言や行動につながっていく様子を日々目の当たりにするうちに、価値観が言語化されているというのは非常に大きなことなのだと思うようになりました。コアバリューがここまで浸透しているというのはCRならではの特徴であり強みではないでしょうか

※CRのコアバリューはこちら

—— CRに入社してみて驚いたことや想像と違っていたことはありますか?
ベンチャー企業ということである程度予想はしていましたが、想像以上のスピード感に驚きました。一般的に大企業になるほどメイン業務に付随して必要となる手続きが多く、テストを計画して、準備して、実行して、結果をまとめて……と比較的長い期間をかけて仕事を進めていきますよね。数多くのプロダクトを生み出していくにはそれも大事なことではありますが、CRではそうした細かな手続きがほとんど必要ないため、進行が圧倒的に速いです。必要なものがあればその日のうちに購入し翌日にはテストを行うといったスピード感なので、極めて短い期間でサイクルを回していけます。

伝えたい「年齢がただの記号になる」CRの魅力

—— 今後挑戦したいことがあればお聞かせください
現在はプロジェクトの一環として製品を作っていますが、できれば要素技術を、具体的には食材をつかむハンドをさらに突き詰めたいと思っています。食材に触れるハンド部分はコア技術であり、さらに多様な食材を扱えるようにしていくのが会社のビジョンですし、私自身もこの技術に取り組んでいきたいという気持ちを持っています。

—— CRという会社が向いているのはどういった方だと思いますか?
よく言われていることですが、前のめりな人に向いていると思います。細かい規則や指示ではなく、自分自身の考えや判断に基づいて仕事を進めていくので、自ら考えてどんどん進んでいける方がCRにマッチするのではないでしょうか。また、私自身はちょっと悲観的なところがあるので、失敗しても明るく前向きに次へと進む姿勢がある方と一緒に働けたら嬉しいですね。

—— CRへの入社をご検討中の方々にメッセージをお願いします
ベンチャーというと20代や30代といった若い人たちが働くところというイメージをお持ちかもしれません。私も転職時には、若い人たちばかりの職場で受け入れてもらえるだろうかと不安でした。ですが、入社してみると年齢も国籍もさまざまな社員の皆さんはとてもフレンドリーで、私のような年長者を色眼鏡で見ることもなく、大変温かく迎えてくれました。年齢や立場に関係なく誰とでもフラットに話せる環境ですので、属性にこだわらない方にはぴったりの会社だと思います。応募者とCRの双方がハッピーとなれるご縁の始まりとして、まずは門戸を叩いてみてください。



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