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COVAってどんな場所ですか? 覚田社長に聞きました

わたしは、志摩の英虞湾で90年にわたり真珠の養殖・加工を営む一族の3代目です。
わたしにとって英虞湾は、子供の頃からの楽しい思い出が詰まった最高の“遊び場”であり、“成長の場”でした。
大人になってからは自然との共生の中で人が行きぬくことの厳しさを知った“仕事場”でもあり、いまは里海の大切さを教えてくれる“学びの場”でもあります。
わたしの「心の原風景」は、全てこの海にあるのです。

この土地で過ごした時間が、どのようにCOVAの種として育っていったのか。探ってみたいと思います。

本社会議室で伺いました

1.憧れる大人の存在

父に連れられて、訪れるようになった真珠養殖場の跡地。
いちばん最初の記憶は4歳まで遡ります。

その頃にはもう養殖場としては稼働していませんでしたが、祖父や父と過ごした思い出ともかさなり、自然や季節を感じる大切な場所になりました。

ここでの記憶をとりまく感情は「あたたかみ」。
COVAに来てくれた人が、あったかい心や豊かな気持ちを感じる場所にしたい。

覚田少年にとって、この場所にはなくてはならない人がいました。
養殖場で働いたのち、管理人としてそのまま残った「テルさん」です。

特別愛想がいいとか話好きではありませんが、魚の釣り方、どこに魚がいるか、船を停めるロープの結び方。
海に関わるたくさんのことを教えてくれました。

方言も強めで、何を言っているかわからないことも少なくありませんでしたが、「大人として扱ってくれている」と思わせる話し方をしてくれました。

記憶をたどり静かに話す覚田社長

子供扱いせずに必要なことを教えてくれるテルさんに、覚田少年は信頼を寄せていきます。

船や筏をひょいひょいと移動する身軽さ、片手でささっと船を停めるロープ捌き、船の操縦。
記憶のなかにはいつも、憧れのテルさんがいます。

2.冒険の基地

幼い頃から、この場所で釣りをたのしみました。
海ではじめて泳いだ記憶も英虞湾です。

父と釣りに出かけたときのことです。「度胸試しに、あの小島まで泳いで帰って来い!」と、小さなわたしを船から海に突き落としたのです。プールで泳ぐのもままならない私は、沈まないことに精一杯で、泣きながら泳いだものです。
それでもなんとか船まで泳いで戻ってこれた時には、なんとも言えない達成感があって、不思議と心地よかったのを今でも覚えています。海の恐ろしさと、冒険の後の爽快感を初めて味わったのはその時でした。

その後も、大学の部活の合宿も、トライアスロンのトレーニングに筏から筏まで泳いだのも、初めて仕留めたカジキをさばいて村のみんなで乾杯したのも、すべてこのゆりかごのような英虞湾でした。

今でもゆりかごのような英虞湾

大きくなるにつれ、地元の真珠養殖業者さんと船を操っての沖釣りも増えましたが、前の日からドキドキして興奮する気持ちや、釣った後の達成感。
幼い頃に海で感じた冒険心は消えることがありません。

3.ホテルだけをやりたいわけではない

伊勢志摩国立公園には、カヤック、SUP体験ができ、プライバシーが確保された宿泊施設は他にもあります。

しかしこの地で体験していただきたいのは、かつて覚田社長が独り占めしていた贅沢さです。

幼い頃の英虞湾で過ごした記憶。
初夏になると、目の前の海で獲れた海松(ミル)や森になるヤマモモが届けられました。
季節を感じる収穫物は父の好物でもあり、それを届けてくれた地元の人たちのあたたかい気持ちも一緒に受け取りました。

COVAは宿泊施設であると同時に、この地で営まれていた里海の一部でありたいと考えています。

単に畑を再現するだけではなく若々しい森を保つための整備は、薪割りなどのアクティビティを生み出しました。
竹内さんという職人さんとの出会いが生み出した予期せぬ収穫です。

すでにお馴染み。森の師匠 竹内さん

大切な場所についてそう話してくれました。

4.次の取り組みとして

先日の里海ツアー(その様子はこちら)の山口さんのように、すでにはじめている人と一緒に多重に絡み合っていければ、これからの形を提示できるかもしれません。
COVAがその実験の場、試みが行われている場所になっていけば面白いと考えています。

例えば入り江の泥質を変え、農耕を通して海に流れる栄養が溶存酸素を増やせば、生息する生きものも多様になっていくかもしれません。

里海ツアーの参加者と一緒に

じぶんだけではできないことを関わってくださる人とともに取り組んでいく。そうした営みのなかにホテルがある

覚田社長にみえているCOVAの姿です。

5.COVAでは一緒に働いてくださる方を募集しています

採用について
https://kakudapearl.jp/recruit/#recruit_point
COVA未来の里海準備室
TEL:0596-28-0231(担当:本多)

おまけ

この日はゲストを招いて、テントサウナが行われました。

テントのなかは十分な暑さ
5月の海に飛び込む覚田社長
サウナからそのまま海へ

大人になっても冒険はまだまだ続くようです。