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里海ツアー
COVAは覚田真珠株式会社が真珠養殖場の跡地につくるホテルです。
この地で3代にわたり真珠にたずさわってきた覚田社長はこう言います
わたしは、志摩の英虞湾で90年にわたり真珠の養殖・加工を営む一族の3代目です。
わたしにとって英虞湾は、子供の頃からの楽しい思い出が詰まった最高の“遊び場”であり、“成長の場”でした。
大人になってからは自然との共生の中で人が行きぬくことの厳しさを知った“仕事場”でもあり、いまは里海の大切さを教えてくれる“学びの場”でもあります。
わたしの「心の原風景」は、全てこの海にあるのです。
3月中旬、覚田社長が中心となり「里海ツアー」が開催されました。
英虞湾の現状・課題や取り組みの様子をお伝えします。
少し長くなりますが、おつきあいいただけるとうれしいです。
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1.ゴミを通して見えるもの
真珠を育む英虞湾は、穏やかで豊か、美しい景色は訪れる人を癒してくれます。しかし一方では、切実なゴミ問題を抱えています。
英虞湾の中で出たゴミは湾内を漂よい、点在する島々に流れ着きます。
残念ながらCOVAのプライベートビーチ・イノコ島も同様です
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里海ツアーでは養殖業者さんのガイドのもと、浜掃除を行いました。
養殖業者、加工メーカー、小売店、日本真珠輸出組合、SDGsに特化したメディア、大学院生。
「真珠」を真ん中に置いて、様々な関係者が参加をしました。
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まず驚いたのが、ほとんどのゴミが風化することなく残っていたことです。
生活ゴミもありますが、養殖の過程でゴミになってしまったもの。
養殖に使う網、フロートと呼ばれる浮き、ロープ。
事業ゴミが多くみられました。
なかには廃業に伴い、不法投棄された筏の一部まであります。
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こういったゴミはイノコ島に限らず、いたるところに存在します。
現在養殖を営んでいる人が捨てたのではなく、長い時間をかけて溜まっていったものです。
かつては美しい真珠を作り出していた道具が、ゴミになって景観を損ねているのは残念でなりません。
少しの時間で伝馬船いっぱいになりました。
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持ち帰ったものは、すべて分別をしました。
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分別したあとはグループに分かれて、今回の取り組みの意義、今後の課題について話し合いをしました。
覚田社長から
「ゴミとして処分するだけではなく、別のかたちに生まれ変わらせることはできないか」
と参加者にアイデアを求める問いも。
もしかすると、新しい姿になった「かつてのゴミ」をCOVAのどこかで目にすることができるかもしれませんね。
作業が終わり、森に入って夕陽を眺めることにしました。
1日の疲れを癒してくれるかのような夕暮れ。
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真珠養殖が始まって116年。
その間に少しづつ溜まっていったゴミを一度に取り除くことは難しいかもしれませんが、この海を利用する漁業者や観光業者が力をあわせて取り組んでいくことが大きな一歩につながっていく、と信じられる1日になりました。
2.サスティナブルディナー
夜は志摩の食材を使った、松本シェフ・オリジナルの料理をいただきました。
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地のものを使った料理はどれも、みずみずしくやさしい味がしました。
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夜も更けてゲストの食事が終わるころ、ようやくスタッフもほっとひと息。
長い1日、おつかれさまでした。
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3.里海の森と海を整えること
ツアー2日目は、「里海における山と海の役割・人にできること」について考えます。
山について
覚田社長の師匠でもあり、COVAの森を誰よりも知る竹内さんから聞く
森の役割、木を切ることについて。
参加者は熱心に聞き入っていました。
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実際の作業と同じように、木を切り出すところを見せてもらいました。
ふだんの生活では聞くことのない音が響きわたります。
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COVAの定番になりつつある薪割り。
切りたてほやほやの木で薪割りをしました。
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海について
牡蠣殻を加工・固形化した天然の栄養剤を使い、海の酸性化を中和し自然本来の姿を取り戻すサポートをしている山口さんからお話を伺いました。
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牡蠣養殖で出た大量の牡蠣殻を粉末加工したケアシェル。
砂利と一緒にネットに入れて干潟に敷いておくと、酸性化した土壌は中和され、アサリの幼生が付着しアサリが育つそうです。
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海で生まれた牡蠣殻を栄養剤に変えて海に還す。
そこに生き物がもどってくる。
まさに、COVAが目指す「めぐること」そのものです
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ツアーの最後は、COVA自慢のおいしいもので締めくくりました。
海の守り人が育てるヒオウギ貝です。(海の守り人はこちらをどうぞ)
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4.浜掃除の様子を動画で見ていただけます
覚田社長が理事長を務める「日本真珠輸出組合」が今回の浜掃除の様子を動画にしました。