短編小説【ウラとオモテシリーズ】「夢の続きは…・ウラ編」
※「夢の続きは…・オモテ編」を読んでいない方は上記のページに飛んでいただければと存じます。
ー現実世界に生まれたら、あなたは私のことを好きになってくれるかな
ーあなたから生まれた存在だけど、私はあなたの理想であって、理想ではないわ
ーいつしか、あなたが思い描いた私の像は、感情を持つように。
ーこれが、笑うことなんだ。これが、腹を立てることなんだ。これが、寂しいことなんだ。これが…好きになることなんだ…
ーそして、不思議なことに、自我も持つように。夢だけど、夢ではない感じ
ー私の存在は、現実世界からはありえないけど、この世界では私の全ては肯定される。記憶も、思い出も、家族も、あなたを好きな想いもすべてそう。
ーでも、気づいた。私の存在は、私の理想は、あなたを苦しめることに。本当はいつまでも側にいたいけど、身分違いの恋もとい、存在違いの恋、それは長く続かない恋。私は苦しみ、離れようとしている。
ー私のために、それが最善。いや、嘘です。あなたのためです。
ー短くても、こちらの世界で、あなたと過ごせて嬉しかった。あなたは現実世界で幸せになって
ー時々でいいの、私のことを思い出してくれたら、それで救われる
ー夢の続きは…いつまでも待ってるわ
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