ロディア限定版「 Foil Splash(フォイル スプラッシュ) 」
コスモテックの青木です。
2023年12月14日(木)~2023年12月17日(日)の4日間にわたり、すべての文具好きに贈る日本最大級の文具の祭典 『 文具女子博2023 』 が、パシフィコ横浜にて開催されます。
コスモテックは 2019年~2022年 のなんと! 4年間にわたり、文具女子博限定で販売される 「 ロディア限定版 超絶技巧シリーズ 」 を、クオバディス・ジャパン株式会社さまとともにリリースして参りました。
去年( 2022年 )はアートディレクター / デザイナーの小玉文さん( BULLET Inc. )デザインのA3サイズのドットパッドに超特大の箔押し基板表現を施した 『 ロディアの電子回路 』 が大きな注目を集めました。
そして、今年 「 ロディア限定版 超絶技巧シリーズ 」 第5弾も、昨年に引き続きデザインは小玉文さん・販売はクオバディス・ジャパン株式会社さま・箔押しはコスモテックの布陣で挑ませていただくことになりました!
◉ その名は Foil Splash(フォイル スプラッシュ)!
季節は夏の暑さを肌で感じる2023年7月末、小玉さんの事務所 BULLET Inc. に3社が集まり 2023年の 「 ロディア限定版 超絶技巧シリーズ 」 についての構想を練りました。
ミーティングの早い段階からアートディレクター / デザイナーの小玉文さんの口から語られたのは、「 RHODIA のメモ帳に 『 色々な色のペンキがかかっちゃった!? 』 って感じで、複数の箔を使って、レイヤー感が出るように箔押し表現したら面白いかも!? 」 というアイデアでした。
その場にいるメンバー全員が満場一致で 「 製作してみたい! ぜひ、そのアイデアで製作してみましょう! 」 ということで決定しました。ミーティングから数日後、小玉さんから制作チームに届いたのがこちらの写真です。
どろどろ、とろとろ、さらさら…
さまざまな粘度の画材( ペンキ系、墨汁系など )で 『 ペンキの飛び散りの形 』 を模索して下さいました。小玉さんによると 「 これぞ! ほど良い飛び散り方! 」 という、理想的な形を自然とつくることは難しいとのこと。ここからは合成と描き足しを駆使して、デザインを完成させるということが制作チームに共有されました。
そこから数ヶ月後、小玉さんからあがってきたデザインイメージが下記のものです( こちらはまだ最終形ではございません )
『 ペンキの飛び散りの形 』 は数パターンにぎゅっと絞られ、ロディアのカラーに組み合わせる箔色次第で与える印象も変わってくることがよく分かります。
小玉さんから、クオバディス・ジャパン株式会社さまとコスモテックへ 「 ペンキの飛び散り方のイメージ・レイアウトはどうか? 」 「 ロディアのカラーに乗せる箔色の印象はどうか? 」 など たくさん意見を聞いて下さり、メンバーの意見を活かして、小玉さんはここから最終のデザイン調整に入るのでした。
今作で使用する箔押しの金属版は贅沢に3版。3つの金属版を使い、異なる3色の箔を丁寧に重ね合わせ、ペンキの飛び散り感とともに 「 ペンキ風 箔表現 」 のレイヤーをがっつり生み出しました。使用する箔は豪華絢爛な色とりどりの箔を採用!
デザインの微調整をし、完成したデザインを前に、アートディレクター / デザイナー 小玉文さんが命名したのは 『 Foil Splash(フォイル スプラッシュ) 』 ! 今回の 2023年 「 ロディア限定版 超絶技巧シリーズ 」 の名前がデザインの完成とともに生まれた瞬間です。
◉ いざ、箔押し加工!( 文:前田瑠璃 )
コスモテックの現場の前田です。
「 ロディア限定版 超絶技巧シリーズ 」 第5弾 『 Foil Splash(フォイル スプラッシュ) 』 の箔押し加工にこのたび携わらせていただきました。
去年( 2022年 )の大迫力の巨大 『 ロディアの電子回路 』 と同様に、最終デザインを小玉さまより入稿いただいた後、テスト( 校正 )加工を実際の量産時に使用するロディアを用いて行ったのですが、そのパターン数はなんと22パターン!
ロディアのカラー × 箔色3色の組み合わせの検証のため、22パターンのテスト( 校正 )を実施し、その中より精鋭中の精鋭の 「 ペンキ風 箔表現 」 である 『 Foil Splash(フォイル スプラッシュ) 』 が今回選び抜かれております。
最終的にロディアカラーのホワイト・ブラック・オレンジで各1パターン、合計3パターンの 『 Foil Splash(フォイル スプラッシュ) 』 を2023年の 「 ロディア限定版 超絶技巧シリーズ 」 として製作しました( 3種1セットで販売されます )
「 ペンキ風 箔表現 」 ということで、メタリックの箔以外に今回は顔料箔も使用しています。顔料箔はメタリック箔とは異なり、クレヨンのようなマット調の質感が特徴の箔です。これらを重ねて箔押しすることで、メタリックのキラキラと輝くグロス感、そして顔料箔の独特なペタッとしたマット感という、それぞれ異なる箔の質感が層になり、色とりどりのペンキがぱっと飛び散るリアルな雰囲気が感じられることと思います。
ホワイトの表紙はレッド・グリーン・ブルーの原色系( R・G・B )の箔の色合いでまとめられ、ホワイトの表紙にくっきり映える箔色の組み合わせになっています。
ブラックの表紙はプラチナ・パープル・ブラックの落ち着いた重厚感のある色合いの箔で表現。ブラックの表紙にブラックの箔色という同じ色味のシックでダークな組み合わせも見どころの一つといえます。
オレンジの表紙はブラック・ホワイト・オレンジの箔色の組み合わせで箔押し加工しました。オレンジの表紙にパキッと映えるホワイトとブラック、輝きを添えるオレンジメタリックの箔が印象的です。
『 Foil Splash(フォイル スプラッシュ) 』 は3冊で合計8色の箔色を使用しております。そのため加工ではそれぞれの箔の特性をよく理解しなければなりません。箔の特性を把握し、しっかりと表紙に箔を定着させることが今回の製作において特に難しいポイントでした!
また、箔の接着剤の種類を変えて、箔押し機の温度やいざ押す時の圧力の調整など、どうすれば箔がうまく定着するかを試行錯誤しながら加工しました。
特に、箔の上に箔を重ねる際、下の層の箔を押す時の圧力があまりにも強すぎてしまうと箔押し部分が凹みすぎてしまい、押している部分と押していない表紙の地の部分とで段差ができます。
その段差の上に別の色の箔を重ねて押そうとすると段差のある部分に箔が定着しづらくなってしまうため、押す圧力の調整は入念に注意しながら準備、セッティングに時間をかけました。2層、3層と後工程で箔を重ね合わせることをイメージしながらの加工の圧力調整はなかなか難しいものでした。
飛び散るペンキを意識しながら慎重に1層1層箔を重ねて完成させた 『 Foil Splash(フォイル スプラッシュ) 』 3種は、箔押しならではの味わいを生かしつつ、飛び散るペンキの躍動感をうまく表現できたのではないかと思います!
2023年の ロディア限定版 超絶技巧シリーズ 『 Foil Splash(フォイル スプラッシュ) 』 は多くの皆さまに是非 お手に取っていただきたい逸品です。クオバディス・ジャパン株式会社さま、 BULLET Inc. 小玉文さま、今回も挑戦的な加工のお手伝いをさせていただき、本当にありがとうございました!
◉ アートディレクター / デザイナーの小玉文さまより
「 RHODIA のメモ帳は、皆さんご存知の通り、3色のラインナップ( 白・黒・オレンジ )があります。それぞれにどんな色のペンキ( 的な箔 )がかかると超カワイイのか!? を、楽しみながら検討させていただきました!
[ 白 × グレーロゴRHODIA ]は、元のメモ帳と比べていちばんイメージが変わったんじゃないでしょうか! めちゃくちゃかわいいです、コレ…! 緑がちょっと青っぽいのもサイバー感があってGood◎
[ 黒 × オレンジロゴRHODIA ] は、闇属性カラーに振ってみました。笑 シルバーは普通の銀ではなく 「 プラチナ箔 」、これは闇に差し込む光を表現しています……
スタンダードな [ オレンジ × 黒ロゴRHODIA ] には、やっぱり箔も [ オレンジ × 黒 ] でしょう〜! なんだかミリタリー感もあってお気に入りです。 黒と白の部分は顔料箔( マットな質感 )なのが激シブです。 」
現地でお手にとってご覧いただき、是非お求めください!!!
◉ ロディア限定版 まとめ( 2019 - 2022 )
【 連絡先 】
ようこそ!行列のできる『箔押し印刷工房』へ
➡ http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/
有限会社コスモテック 青木政憲
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362
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