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カケラ

わずかに残る思いの欠片を
消せずにいる
捨てもせず残しておいた欠片が
今もかすかな息をしている

まぶしい日差しを手で遮って
その温もりだけをしまいこんだ
言葉にならない安堵感と
胸を突き抜ける衝動が駆けめぐる

時間を行き交う行者でもあるまいに
欠片が復元されることもなく
生きながらえている
ただ愛おしく生きている

あの世から迎えに来るまで
この欠片は生きているだろう
僕は変わらず
愛おしく抱き続けているにちがいない


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