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月の民

地球をみがいた布を
捨てるのはもったいない

布には人類の長い営みが
沁みついている

月はそれを知っている
38万キロの宙から見ていた

飽きもせず永い間ずっと
地球見弁当を頬ばりながら

地球は青い水の星
それでも汚れてしまう

月の民は地球見酒をたしなんで
人類の噂話をしていた

地球が汚れてしまうのはなぜだ
月の民は不思議で仕方がなかった

地球が汚れてしまうのなら
地球をみがく布は捨てられない

これからも必要に違いない
きっとそうに違いない


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