実在感

夢か現実かわからない成長期の時間の中で、
「実在感」は貴重な感覚。

その「実在感」は、
大人になっても記憶の中で生き続ける。
多感な時期に芽生えた秘密は、
その「実在感」によるところが大きい。

夏休みはその不思議な実在感に
接することができる季節。
初めて秘密を抱くのもこの季節なことが多い。
だれでも経験することだろう。

その経験を持ち続けることができるか、
忘れ去ることを選ぶか、
その違いが思い出の厚みをつくる。

あの日のことは本当にあったことなのか、
それとも夢の中の出来事なのか。
その判別がつかないほど輝いていた。