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「ひねくれてるネコたち」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

英語学習誌『多聴多読マガジン』連載記事「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト! 多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介するコーナーです。


ファンタジー編 ~2024年10月号~

執筆:石黒 恵介 (会社員)

ひねくれてるネコたち

今回はちょっと性格の悪いネコが登場するシリーズをご紹介します。

Dear Beastでは嫉妬深いネコが登場します。

本作は飼いネコSimonが飼い犬Baxterを追い出すべく手紙をやりとりする形式で物語が進みます。

Simonの送る手紙は、文章自体は丁寧なのですが内容が辛辣です。

一方のBaxterの手紙はスペルミスだらけですが、人懐っこさ全開です。

神経質に敵意むき出しのSimonに対して「僕たち友達になれるよね?Yay!!!」と返すBaxterの能天気な掛け合いが面白いです。


Klawdeでは腹黒いネコが登場します。本作は遠い星から島流しされてきた将軍ネコKlawdeと、彼を拾った地球の少年Rajの視点から交互に描かれます。

地球よりも科学が進んだ星からやってきたためか人類を格下扱いしており、なかなか勿体ぶった口調でRaj少年に接するあたり、ネコといえども可愛げはゼロです。

政権奪還に加えて、あわよくば人類も利用してやろうと裏で企んでいるあたり、母星での謀反に全然懲りていない様子が笑えます。


(1)『Dear Beast』 (Dear Beast Series #1)

YL 2.5-3.0
著者 Dori Hillestad Butler
出版社 Holiday House
総語数 約3,300 語

Andy少年は別居中の両親の家を往復する毎日を送っている。

母側の家の飼いネコSimonはそんなAndyをいつも気にかけているのだが、ある日、父側の家に新しく飼い犬がやってきたことを知り嫉妬の炎を燃え上がらせる。

Andyには自分だけで十分!
新参者の犬宛てにAndyの前から姿を消すよう手紙を送りつけるが、話がかみ合わない。

近所の動物にも協力を要請して、あの手この手で飼い犬を追い出そうとする。


(2)『KLAWDE: Evil Alien Warlord Cat』(Klawde Series #1)

YL 3.5-4.0
著者 Johnny Marciano & Emily Chenoweth
出版社 Penguin Workshop
総語数 約20,000 語

Klawdeはネコの惑星の将軍。

部下に裏切られ、流刑として宇宙の果ての星「地球」に飛ばされてきた。

一方のRajは都会っ子の少年。

この夏、両親の仕事の都合で田舎町に引っ越してきた。

この町では友達もいないRajは、突如庭先に現れたKlawdeを近所の野良ネコと勘違いして家で飼い始めることにする。

KlawdeはRajの好意を利用して自分の星へ戻るべく密かに星間転送装置を組み立て始めることに。


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