没後15年、吉村昭のエッセイを読む
小説家吉村昭は、2006年7月31日に79歳で亡くなりました。今年2021年で没後15年になります。
綿密な取材と調査に基づき、虚飾を排した淡々とした文体で日本と日本人をめぐる様々な「事件」を記述する吉村昭の小説は、現在でも多くの読者に支持され、『戦艦武蔵』『高熱隧道』『羆嵐』『破獄』などの長編小説は、未だに文庫が版を重ねています。事実の重みを無駄のない文章で突きつけてくる吉村昭の小説を、読者は息詰まるような思いで読み終え、深いため息をつくことになるでしょう。
そうした緊迫