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「しりとり」で音楽を聴く試み(7)

次から次へとなにか関係のある音楽を聴いていくゲーム、もう7回目になってしまいました。今まで紹介したアルバムは36作になります。前回はこちらです↓

さて、6回目の最後はポール・サイモンの『There Goes Rhymin' Simon』でした。このアルバムはアラバマ州マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオでの録音が入っていて、ジミー・ジョンソン(g)、バリー・ベケット(kbd)、デヴィッド・フッド(b)、ロジャー・ホーキンズ(ds)といったマッスル・ショールズの腕利きスタジオ・ミュージシャンが素晴らしい演奏を聴かせています。

彼らが参加したソウル・ミュージック、ポップス、ロックなどの作品は数え切れないほどありますが、イギリスのロック・バンドであるトラフィックは、ツアー・メンバーとしてベケット、フッド、ホーキンズの3人を起用しました。その間開店休業になったマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオの料金をトラフィック側が支払っていたというからびっくりです。

というわけでマッスル・ショールズ勢が参加したトラフィックのライヴ作『オン・ザ・ロード』です。

トラフィックの中心人物であるスティーヴ・ウィンウッドはソロ・アーティストとして80年代にヒットを飛ばしますが、その時期の代表作は86年の『バック・イン・ザ・ハイ・ライフ』。

1曲目の「Higher Love」が大ヒットしたことを覚えている方も多いでしょう。

さて、「Higher Love」をユニークな解釈でカヴァーしたベッカ・スティーヴンスの『パーフェクト・アニマル』を紹介したいところですが、残念ながらこのアルバムはSpotifyにないので、その次の作品『レジーナ』(2017年)を聴きましょうか。

『レジーナ』でベッカはヴォーカルを何度も重ねていて、さまざまな声が織りなす「ざわめき」のような雰囲気は、マーヴィン・ゲイの『ホワッツ・ゴーイング・オン』を想起させます。

「What's Going On」のカヴァーもたくさんありますが、マーヴィン・ゲイのオリジナル・ヴァージョンに負けず劣らず素晴らしいのが、ダニー・ハサウェイの『ライヴ』のヴァージョン。

ダニー・ハサウェイ『ライヴ』にはフィル・アップチャーチとコーネル・デュプリーの二人のギタリストが参加しています(ふたりは一緒には演奏していません)。我がフェヴァリット・ギタリストのひとり、コーネル・デュプリーのリーダー作『ティージン』を聴きましょう。

*おまけです。
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中身のさわりも見られます!


*おまけのおまけです。

この本の発売日である3月21日に、四谷のジャズ喫茶「いーぐる」で発刊記念イベントを開催します。午後3時半から、料金はオーダーのみ。


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