見出し画像

役者の不思議(プロフィール・信用度編)

プレイヤーに今一度確認して欲しい、プロフィールと信用度についてのきほんのきほん。

日頃から不思議に思っていることを簡単に記してみようと思います。役者の不思議、ネットにおけるプロフィールの公開について。言いたいことをまず先に、端的に言いますと。

お客様を呼びたい、ファンを付けたい、売れたいって言う割にプロフィール軽視しすぎじゃない?

常々疑問に思っていることなのですが、これからファンになるであろうお客様・一緒に作品を作っていくであろうスタッフ・後ろ盾となってくれるであろうスポンサー、そういう人々の目に留まることへの意識、自分を知ってもらう努力や工夫、アプローチを考えて実行している役者って少なくありませんか。イイ芝居していれば宣伝しなくてもファンが付くとか、認められるとか、そんなに甘く都合よく夢みたいなことを考えているとも思えないんだけど……それにしたって少な過ぎやしませんか。(※ここで言う「売れたい」は「芝居だけで生計を立てる」の意。)

もっとも身近な「未来のファン」

先述のすべての要素を一つ一つ語っていくと収拾がつかなくなるので、今回は「これからファンになるであろうお客様」に対しての情報発信について記します。未来のファン・スタッフ・スポンサーという分類の中であれば、すべての土台となるものであり、いちばん広範囲にわたり、SNSやサーチなどを情報源にする層。「自分が初めて出会った気になる役者」をサーチしてくれるのはここが最も多いハズ。

「はじめまして」で「きゅん!」とした、お客様の心、掴めてる?

違う役者を目当てにして観に行った舞台、そこで初めて観た役者の芝居がとても素敵だった。気になったから終演後に名前で検索してみた。そこで検索結果に出てきたのは……?

あなたはどんな方法でプロフィールを公開していますか?

Twitter、Instagram、Facebook、その他のSNS、ブログ、所属事務所の紹介ページ。個人で運営していたりプロダクションが運営していたり、テキストが主体だったり写真が主体だったり。かたちは様々ありますが……。

そのプロフィールは魅力的?

近年の流行や動向からすると、名前で検索した場合TwitterやFacebookが上がってくるケースが多い。正直、そこでは欲しい情報なんて得られない。調べる側としては「基本情報」「どんな活動をしているか」「近々どんな作品に出るか」「問い合わせ先」をまず知りたいわけですから。TwitterやInstagramは特性からして情報をフォローしきれないし、Facebookはそもそも位置づけが異なる。Twitterならプロフィールだけのスレッドがあるとか、Facebookなら全体向けに投稿を設定しているとかでないと補いきれないもの。ブログもここに含めても良いかもしれないね、ブログは投稿が主役だもんで、書く方も読む方もプロフィールへ意識が向きにくかったりして。また、事務所に所属していれば紹介ページがあったりするけれど、あれって誰向けなんだろう?業界関係者……よね?宣材写真と型にハマったプロフィール。舞台上で観たどんな美男美女も、なんだか残念に見える独特の感じ……。

ただ基本的な情報と素敵な写真があればいいだけなのに。

気になったから、素敵だったから、きゅんとしたから、どこの誰だか知りたいの!(だけどどこの誰だか情報が出てこないの!)今後も機会があれば観に行きたいから出演情報を知りたいの!(いっぱいつぶやいている割に出演情報流れてこないの!)ときめいたから、じっくり見つめたいの!(あれ?あの時はタイプだと思ったんだけど……こんな感じだったっけ?)

そんなの残念過ぎるじゃない。必要な情報を発信している役者、あまりにも少ないよ。未来のファンへのサービスという言い方で書いてきたけれども、実際のところ誰のためでもないよ、役者本人のためだよ。所在もわからない役者にはファンも付かないし、仕事も舞い込まないよ。もうちょっと「自分を売り込む環境をつくる」ことに意識を向けましょうよ。

最後に私が経験した話をつけておきます。

芝居に定評のある、ひとりの役者がフリーランスで活動していました。当時その役者の名前で検索すると出てくるのは過去のブログやTwitterなど、その役者のプロフィール及び活動情報としては不足のあるものばかり。例えばどこかの舞台に出て、誰かがその役者に連絡を取ろうと思ったなら、ツイートなりDMしかないという有り様。私自身その役者を評価していたので、みすみすチャンスを逃すなんて馬鹿げている、そんなもったいないことはないとプロフィールページ制作をお手伝い。基本情報・出演情報・問い合わせフォーム・SNSへのリンクというシンプルな構成ではあるものの、垢抜けた感じに作成。その後、そこを窓口にして仕事の依頼が舞い込んだりもしたそうです。

もちろんこれは、役者自身の日々の鍛錬の上にタイミングや運があってのことだと思います。だけれども「チャンスを必ずキャッチする!」という思いと事前の行動が無ければ、ここまで具体的な形には発展しなかったことでしょう。

これから出会う人たちに自分を売り込むことの大切さ、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事

役者の不思議(肖像権・著作権の認識編)

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

サポートありがとうございます。いただいたサポートは創作活動にあてさせていただきます。