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#おすすめ名作映画

映画は、人生の厳しさからすばらしさまで、さまざまな感情を私たちに教えてくれます。自分にとって“名作” だと感じる映画作品をぜひ教えてください。

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♡今日のひと言♡フェデリコ・フェリーニ

フェデリコ・フェリーニ(1920-1993 イタリア~映画監督) ヒューマニズムに根ざした『道』(1954)によって世に出たが、『甘い生活』(1960)で現代ローマの退廃と宗教の無力を描き論争を巻き起こした。その後、『8½』(1963)など一作ごとに独特の映像を創造し、現代のもっとも個性的な監督の一人となった。他に『サテリコン』(1969)、『道化師』(1970)、『フェリーニのローマ』(1972)、『アマルコルド』(1974)など、多くの名作を遺した。

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孤独の中の暖かな愛 -映画『ラブ・ストリームス』の美しさ

【木曜日は映画の日】 巨匠の最後の作品というのは、今までにない新しい展開で周囲を困惑させるような意外な傑作か、それまでの集大成の名作となるかが多い気がします。 アメリカインディーズ映画の名手、ジョン・カサヴェテスの晩年の映画『ラブ・ストリームス』(1984年)は、彼の過去作品の要素を受け継ぎながら、それが最後の輝きを見せている、美しい映画です。 それは、孤独と愛についての映画です。 作家のロバート・ハーモンは、豪華な屋敷に女性たちを招き入れて暮らし、

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人間の「深み」を学べる映画10選

平日が勤務であった人も、 GWの後半戦スタートです! この休みが始まる前日の夜が 1番ワクワクするんですよね~笑 共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨ 教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌 どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。 共育LIBRARYりょーやん、元教師です。 「飲み会に行かなければ嫌われる。そんな動機で行く飲

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未来でも続く友情 -映画『ソイレント・グリーン』を観る喜び

【木曜日は映画の日】 少し前、1973年のリチャード・フライシャー監督の名作SF映画『ソイレント・グリーン』が、リマスターで再公開されていました。 時間がとれなかったので行けなかったのですが、現行のバージョンを、配信で少しずつ見返していました。今のままでも十分いい画質です。 そして、改めてこの作品が、SFに留まらない、人間のありようを描いた、大好きな作品であることを認識しました。 舞台は2022年、人口爆発により、格差の拡大と、食糧難の進んだ時代。合成食料「ソイレント

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運命の輪が回る -フリッツ・ラングの映画の魅力

【木曜日は映画の日】 よく、ホラー映画や小説の惹句に、「人間が一番怖い」というのがありますね。 「人間が一番怖い」映画で私が思い出すのは、『メトロポリス』を撮った巨匠、フリッツ・ラングの映画です。 ラングは、サイレント時代から撮っており、おそらくは映画史上10本の指に入る、重要な巨匠です。 ジャンルとしてのホラー映画は一本も撮ってはいませんが、その容赦なく暗い人間観と、精巧な機械のように組み合わさって、破滅へ向かう運命の過酷さは、並みのホラーよりも背筋が

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天の使いが駆ける -映画『ペイルライダー』の美しさ

【木曜日は映画の日】 「ジャンル映画」というのは大体物語のパターンが決まっています。ホラー映画、ラブコメ映画、一昔前のギャング映画ややくざ映画しかり。 パターンが決まっているというのは、みんなが好む、大衆的な作品の条件でしょう。 そしてそれゆえに、人々の集合的な無意識を反映して、ある種の神話のように輝いてしまう異様な作品が、時折存在します。 クリント・イーストウッド監督・主演の1985年の映画『ペイルライダー』は、西部劇という大衆的なフォーマットを

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熱帯夜の幻想 -映画『ヘカテ』の魅惑

【木曜日は映画の日】 夏が近づき、熱い夜が続きますが、夏の夜というのは、どこか、他の季節よりも、ある種の「魔」を誘うようなところがあるように思えます。 秋や冬の物思いに耽るのに適した夜や、春の暖かで夢想を誘う夜でなく、湿気と熱気と闇が混ざって、じんわりとこちらに浸透してくるかのような夜。 シェイクスピアの名作に『真夏の夜の夢』がありますが、これが他の季節では、あの妖精たちが跋扈する、異様な祝祭空間は出てこないでしょう。 ダニエル・シュミットが監督し

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大気を味わう映画 -名作『木靴の樹』の豊かさ

【木曜日は映画の日】 私は、様々な要素が込められた「大きな作品」が好きです。『戦争と平和』や、『白鯨』のように、一見とりとめのないエピソードが続いても、やがてそれが積み重なって大きなうねりを生むような作品。 映画では、エルマンノ・オルミのイタリア映画『木靴の樹』が、そんな作品の一つです。北イタリアの農民を捉えたこの大作映画は、細かいエピソードの積み重ねで、物語以上の、その空気感を感じさせるような映画となっています。 エルマンノ・オルミは、1931年、イタリア

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マルセル 小さな靴をはいた貝(2021)

小さな貝が堂々のスクリーンデビュー! 大きな世界へ飛び出す勇気をくれる感動作 マルセルは体長2.5センチの小さな貝。ちょこんと付いた足に、きちんと靴を履いて、ちょこちょこ歩く姿はたまらなくかわいく、マルセルの一挙手一投足に目を細めて見入ってしまいます。 植木鉢の中に置かれている貝殻を主人公に、映像クリエイターのディーン・フライシャー・キャンプが2010~14年にかけてYouTubeに公開した短編作品は、累計再生回数5000万回を記録。 愛らしくて、好奇心旺盛で、聡明で、

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洗練された心の喜び -ルビッチのコメディの魅力

【木曜日は映画の日】 人の笑いに沢山の種類があるように、コメディ映画にも沢山の種類があります。 私は他愛もなく大笑いできる映画も好きですが、微笑を誘うような、ソフィスティケイト(洗練)されたコメディ映画も好きです。 エルンスト・ルビッチの映画はそんなソフィスティケイテッド・コメディの最高峰であり、微妙な心の動きが、見事に描かれた映画です。 エルンスト・ルビッチは、1892年ドイツのベルリン生まれ。演劇で頭角を現し、偉大な舞台演出家、マックス・ラインハ

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酔いから覚めて愛を歌う -チャップリンについての随想

【木曜日は映画の日】 映画史の中で、チャップリンは、現在でもその作品が多くの新しいファンの心を掴んでいるスターです。 彼はいわゆるサイレント映画時代、映画草創期からの一大ヒットメイカーです。と同時に、音声付きのトーキー映画に対応できた、数少ないスター兼映画作家でもあります。 彼のライバルだったコメディ映画のスター、バスター・キートンや、ハロルド・ロイドの作品は、トーキー以降、質も量もかなり厳しい状態になりました。 それに比べると、トーキーでも代表作『独

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グランツーリスモ(2023)

ゲーマーからプロのカーレーサーへの挑戦 本格的なカーレースシーンが楽しめる ソニーのゲーム機、プレイステーションのドライビングゲームソフト「グランツーリスモ」は、本物さながらのカーレースが体験でき、世界的な人気を集めています。 2008年、日産はリアルなドライビングテクニックが必要な「グランツーリスモ」を巧みに操るトップゲイマーにドライバーとしての素質を見い出し、彼らをプロのカーレーサーとして育成するプログラム「GTアカデミー」を開始しました。 本作は、そんな無謀ともい

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リミット(2010)

イラク戦争がもたらした恐怖のドラマ 究極の体感型サスペンススリラー映画 棺桶のような箱に閉じ込められ、生き埋めにされた男の運命が描かれます。 全編、暗く、狭い箱の中だけで物語が展開する究極の体感型サスペンススリラーです。 箱は固く閉ざされ、叫んでも何の反応もありません。横たわったまま身動きも出来ないポールの恐怖と絶望感は察するに余りあります。映像を観ているだけで息苦しくなってきます。 この困難な状況からどうやって脱出するのか。彼は箱の中にあった携帯電話を使い、外部と

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疾走する若さ -傑作映画『出発』の美しさ

【木曜日は映画の日】 青春映画の美しさの一つは、「期限」があることだと思っています。 終わりは決められている。終わりを分かっているからこそ、そこまでの時間が大切で、甘美に感じる。 ポーランドの映画監督、イエジー・スコリモフスキが、ベルギーで撮影した1967年の映画『出発』は、そんな時間の甘美さと終わりの痛切さを鮮烈に描いた作品の一つです。 ブリュッセルの美容師見習いの青年マルクは、カーレーサーになることを夢見ています。車は持っていないので、夜な夜な店

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ひかりのまちにうまれたこどもたち

「ひかりのまち」 というタイトルの映画を僕は果たして劇場で見たのかそれともDVDで見たのか、そんな基本的なことすら、すっかり忘れてしまった。 同じ監督の他の作品は、すべて大きなスクリーンとドルビーサラウンドで見たという記憶がはっきりあるというのに。 けれど、そんなふうに自分がいちばん好きな映画だけ記憶が曖昧なのは、 要するにそーゆーことなんだな と妙に納得している自分がいる。 確かに映像も音楽もサイコーなのに(なにしろサントラはあのマイケル・ナイマンだし)、そんな

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ちょっとした想像力があれば、人生は色合いを変える。 この映画では、最後まで想像力を持ち続けた父親が出てきます。彼は想像力の大切さを物語にのせることで息子に伝えようとしたのでしょう。 「幸せになるには、幸せになろうと思うこと」 https://note.com/hisataroh358/n/n345ae15c0011

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水の迷宮でつかまえて -映画で観るヴェネツィア

【木曜日は映画の日】 私が熱望してもまだ行ったことのない都市に、ヴェネツィアがあります。なぜそこが私を惹きつけるかと言えば、水に接している都市だからです。 家々の並びのすぐそばに川と橋が張り巡らされ、ゴンドラで行き来し、都市全体が海を臨む。それは、通常の都市とは違う、魅惑的なイメージがあります。 都市全体が文字通り水に浸かった、水の迷宮のようなイメージです。 以前、ヴェネツィアを描いた絵画をモチーフにした小説を書き、そこで、幻想のヴェネツィアを立ち上げたの

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午前4時にパリの夜は明ける(2022)

人々の人生に寄り添う深夜ラジオが 優しく語りかける希望の物語 1981年5月10日にミッテラン大統領が誕生したフランスは、それまでの33年にわたる保守政権が終わり、変革の時を迎えました。自由で開かれた時代の幕開けに多くの人々が期待を膨らませたといいます。 そんな希望の兆しが芽生えた1980年代のパリを舞台に、時代の明るいムードとは裏腹に、夫の浮気による離婚で、絶望の淵にいた女性が新しい環境に戸惑いながらも、自分の人生を歩き出す姿を描いています。 孤独なタルラとの出会いが

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ジャケ買いのその先にある境地=ドMの境地で、観ることにした映画

率直に言って、良い映画だったと思う。主人公の一子(安藤サクラ)はどうにもならない人生の迷子みたいなところにいた。引きこもり=人生の失敗とは思わないけれど、経験できることの機会は損しちゃうと思う。自分で選んだ人生だから、どうこう他人が言うこともないのだが。そういう僕は、フリーランスになって3年目。恐ろしい時間、家に一人でいる。週末や夜の家族との会話が唯一の人とのふれあいみたいになるのだが、エンジンかかりすぎて子どもからはウザがられる。 在宅ワーカーがすぎると、欲望が薄まる

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リアルを味わうこと -エリック・ロメールの映画の美しさ

【木曜日は映画の日】 シンプルだけどお洒落な服を着て、友達と哲学や愛についてシャレた会話をして、ちょっぴり危険な恋愛に揺れたりしつつ、ナチュラルに、自分らしく生きる。 よく「フランス映画的」と言われるようなそうしたイメージがあります。エリック・ロメールの映画は、そんなイメージにぴったりはまるような映画です。と同時に、そのイメージだけに決して留まらない、複雑で豊かな広がりを持った映画でもあります。 エリック・ロメールは、1920年フランス生まれ。本名はジャン・マ

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