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最近の記事

【番外編】2nd oneman-live “Another”考察(前編)

2nd oneman live “Another”の開催から3週間が経とうとしている。 今回はこのライブについての分析と解説をおこなっていくが、エモーショナルな部分については今回の趣旨では無いので割愛させていただいた。ちなみに筆者はライブのわりと冒頭でエモ泣きしているがそんな様子を見せずに、そしてこのnoteが数ヶ月更新されていないことなど気にも留めずに冷静にこの2ndワンマンを紐解いていいきたい。 シンダーエラとしては初の有観客ワンマンとなったこのライブは、今なお世間を取

    • 7 「YHWH」──全能の神は灰かぶり姫に何をもたらすのか

      これまでの考察を踏まえた上でないと考察しようがなかったのがこの曲だ。 「YHWH」(ヤハウェ)、旧約聖書に登場する神聖四文字と呼ばれる語で、意味するところは唯一神、万物創造の神。全知全能の神と言っても良いだろう。「エホバ」と読む場合もあるが、曲名としては「ヤハウェ」である。なお聖書における正確な発音はわかっていないようだ。 キリスト教においては、キリストと同一視されたりそれより上位の存在として扱われたりと色々だが、その点はWikipediaを読んでいただいて各々の判断にお任

      • シンダーエラのみつこは整形!?学歴・年齢・身長・体重・彼氏はいるの?など徹底調査しました!

        ※この記事はみつこ本人のツイートを元にしたパロディ記事です 最近、シンダーエラのみつこさんが可愛い!と話題になっています。 シンダーエラは「シンダーエラ」の元ネタになったグリム童話「灰かぶり姫」にインスパイアされたアイドルグループで、みつこさんはオリジナルメンバーとして活動しています。 みなさんは、みつこさんが「整形はしてる?」「学歴は?」「彼氏はいる?」など気になりませんか? そこで今回は、みつこさんについて徹底的に調査してみました! ・整形はしてる?みつこさんは顔

        • 6 「Greed」──最初に描かれた罪

          ※配信リリース時は「GREED」だったが、初CD化にあたり表記変更が実施されたそう。 シンダーエラにいくつかある、七つの大罪の名を冠した楽曲のひとつ目。 そしてヘヴィーなサウンドが多いシンダーエラにおいてはかなり珍しい、明るく軽快な曲となっている。ライブでも盛り上がる1曲だ。(沸き現場に限ってやらないのはなぜですか) 歌詞は簡単に言うと、「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して

        【番外編】2nd oneman-live “Another”考察(前編)

          5 「Well」──前日譚としての存在、あるいは

          ライブではやらないほうが珍しいレベルの超定番曲。 静動揺れ動く楽曲展開は主人公の葛藤やあるいは昂りとリンクしている。 一方、これまでの楽曲を踏まえると非常に違和感のある歌詞となっている。 シンダーエラには①“過去のある出来事”に起因した悔恨や鬱憤が描かれた楽曲が多いものの、この曲に関してはその“出来事”の存在が見受けられない。主人公にとっての“過去”を歌ったものではなく、②“現在”を歌った楽曲であると言える内容だ。これは「Greed」にも共通するポイントである。 また、「暗

          5 「Well」──前日譚としての存在、あるいは

          4 「死返し」──気高い心は絶望を抜ける道標に

          グリム版を読んでいて、妙な既視感を覚えたというか、知ってるぞこの感覚…と思った方はいないだろうか。 「パーティーに連れて行ってほしい」と頼むエラに、継母が「灰の中にぶちまけたエンドウ豆を2時間以内に全部拾え」と無茶なミッションを課し、エラがそれを成功させる……というあのくだりである。 ミッションを成功させたにもかかわらず、また新たなミッションをエラに課す継母……RPGでそのシステムを揶揄されがちな「おつかい」を思い出しはしないだろうか。隣町の恋人に手紙を届けろだの、森に薬

          4 「死返し」──気高い心は絶望を抜ける道標に

          1-2 「君のいない世界」──ロゴもジャケットも“めちゃくちゃ”にされた世界の一部だった

          本来は第4回として「死返し」をお届けする予定であったが、複数の楽曲考察を並行して進める中で思うところがあり、再度はじまりの曲である「君のいない世界」に戻ってみることにした。 やはり今回気になるのはタイトルの通り、ひたっすらに「めちゃくちゃ」と言っている終盤の大サビ。 他のフレーズを差し込む余地もあるだろうに、徹底して「めちゃくちゃ」と言い続けている。 「めちゃくちゃ」という文字が並びすぎてゲシュタルト崩壊を起こしかねないこの一節、筆者の目には今「めち」が2頭身くらいの小型

          1-2 「君のいない世界」──ロゴもジャケットも“めちゃくちゃ”にされた世界の一部だった

          3 「LOVE」──灰とダイヤモンドとガラスの靴

          「愛」という普遍的で最大級に壮大なテーマをそのままタイトルに冠した楽曲で、シンダーエラのレパートリーの中でも一際異彩を放っている。 なんせ開口一番「嫌」連呼である。ざっくりカウントしてみたところ、9秒間で24回くらい言ってる。どんだけ嫌なんだ。 否定から入るのって良くないと思う。 なんでもまず否定から入る人っているよね。 しかしこの曲に関してはのっぴきならない理由がある。なんせこれは「灰かぶり姫」の物語なのだから。 グリム版の冒頭を思い返してほしい。最初に何が起こるの

          3 「LOVE」──灰とダイヤモンドとガラスの靴

          0-4 シンダーエラ、メンバーそれぞれの担当色に隠された意味とは

          これまでの記事で、シンダーエラはグリム版の童話だけではなく、キリスト教に関連した要素が多分に取り入れられていることがお分かりいただけたかと思う。 「灰」についての記事を書くにあたり、「イースター」までの(祝日を除く)40日間すなわち「四旬節」について調べていたところ、キリスト教の典礼には「典礼色」という、典礼ごとに異なる色を身につける習慣があることを知った。 そして、「灰」とも深い関わりのある「四旬節」の典礼色が「紫」だったのだ。 シンダーエラで「紫」といえば、そう、みつ

          0-4 シンダーエラ、メンバーそれぞれの担当色に隠された意味とは

          0-3 聖書における「灰」とシンダーエラ(=灰かぶり姫)について

          ツイートの中で適度に扱える情報はこんなものであろう。では何ゆえ「神に抗議する」ことになるのか、そもそも「神に抗議する」とは如何なる行為なのか。 そこには、なかなか一口に語り尽くせない意味合いが隠されているようである。 なお、筆者はキリスト教をまったく通っていない系の人類であるため、ざっくり調べた付け焼き刃の知識を拾っているものがほとんどであり、本来の目的は聖書の要素をモチーフにしていると思われるアイドルグループの楽曲世界への理解を深めるための資料の要約にすぎないものであるゆ

          0-3 聖書における「灰」とシンダーエラ(=灰かぶり姫)について

          2 「NOT FRIEND」──裏切り者とは?

          「シンデレラ」に裏切りのエピソードがあるという印象を持っている方はいるだろうか?およそ古典文学の研究をしているとか、雑学あるいはクイズマニアということでもないと、そういったことには思い至らないのではないか。 「NOT FRIEND」は友達のフリをして裏切った相手への恨み辛みが歌われたなんとも呪詛めいた楽曲だ。 グリム童話「シンダーエラ」と楽曲世界を結びつけようとした時に最初につまづくのがこの曲である。 世界中に「シンデレラ」のバリエーションといえる物語があり、グリム版もそ

          2 「NOT FRIEND」──裏切り者とは?

          1 「君のいない世界」──失ったのは「誰」なのか。

          プレお披露目で歌われたデビュー曲。 音源のリリースはEP2種「cinder-ella」「LOVE」の同時リリースであり、1stと言える「cinder-ella」の1曲目に収録されている。 シンダーエラの物語はこの楽曲から出発していると言って差し支えない。 ※今後「シンダーエラ」とはグループ名を指し、元ネタのグリム童話については「グリム版」と記載することとする。 シンダーエラにしてもグリム版にしても、出発点は「大切な誰かを失う」ことであり、それによる環境変化がもたらす悲劇が

          1 「君のいない世界」──失ったのは「誰」なのか。

          0-2 アイドルグループ「シンダーエラ」と同名グリム童話の相関

          以下は公式HPからの引用である。 つまり、あくまで“インスパイア”されたにすぎず、グリム童話「シンダーエラ」をそのまま表現しているアーティストではないという点は頭に留めておきたい。 シンダーエラ楽曲の主人公は、グリム童話における要素や展開を踏襲しうる、現代に生きる1人の女の子の物語であると仮定できる。 グリム版の「エラ」が体験しえない内容のものも少なくなく、しかしながら置き換えるかのように現代を生きる人間ゆえに感じる諸問題も孕んでいる。 今後、楽曲ごとにその相関を考察して

          0-2 アイドルグループ「シンダーエラ」と同名グリム童話の相関

          0-1 グリム童話「シンダーエラ」

          シンダーエラの楽曲を読み解くにあたり、公式に元ネタとされているグリム童話「シンダーエラ」を青空文庫より転記する。 作品世界やコンセプトへの理解を深めるため、また以降の考察は本項を前提とするため、一読しておくことをお薦めする。 「シンダーエラ ―灰かぶり姫のものがたり―」グリム兄弟 作 大久保ゆう 訳  旦那さんがお金持ちの、ある女の人がいました。  その女の人は病気で寝込んでいました。もう長くはないと女の人は思って、自分の産んだたった一人の娘を枕元に呼んで、こう言いました

          0-1 グリム童話「シンダーエラ」

          0 はじめに

          本noteはアイドルグループ「シンダーエラ」の楽曲・世界観に対し、筆者自身がその理解を深め、より楽しむための考察をおこなう自己満足研究の記録である。 ライブの感想で世界観世界観言われるけどじゃあその“世界観”って具体的に何よ?という点を詳細に紐解き、音源やステージで表現されているものをより多く深く色濃く受け取ってやろうという強欲の化身、言うなれば「GREED」そのものである。また、「なんか雰囲気あって良い」程度の漠然とした感想から解き放たれたいというあくまで私欲を原動力とし